【ライヴレポ】超特急、アクシデント
を乗り越えツアー終幕!8号車と共に
走りきったその先に――

総動員数は約6万人、全公演が発売からわずか6秒で完売したという、超特急初のアリーナツアー『BULLET TRAIN ARENA TOUR 2017-2018 the end for beginning』のラストライヴが、6日に大阪城ホールで開催された。年明けすぐのライヴということで、この日のテーマは「お正月」。オープニング映像も、カルタやおみくじ、おせち料理など、お正月にちなんだ映像で実におめでたい雰囲気だ。タクヤのプロデュースによる袴に身を包んだ7人が威風堂々とステージへ現れると、この瞬間を待ちに待った8号車の熱狂の声が轟く。心配されたユーキの足の具合も良さそうで、「みなさま、新年明けましておめでとうございます!」とリョウガが挨拶し、酒樽をみんなで鏡開きしてついにライヴが幕を開けた。
「ikki!!!!!i!!」は火消しの纏(まとい)がはためいてステージを盛り上げながら、餅つきパフォーマンスをするというお祭り感120%の演出。コーイチ×カイ、リョウガ×タクヤ、ユーキ×タカシとふたり1組で餅つきをする中、ユースケはひとりで「フォーーー!!」と雄叫びを上げながらふたり分をこなしてしまうあたり、さすがの元気担当。その勢いのまま「バッタマン」へとなだれ込むと、叫びパートでは「ユーキおかえりー!ユーキ!ユーキ!ユーキ!」と喜びを露わに。続く「Burn!」では、会場みんなで合唱することの多いフレーズを「8号車に向けて歌います!」とメンバー全員で届ける。
MCでは、7人それぞれが2018年の抱負を書き初めで発表。コーイチは大人らしい行動をしていきたいということで「社会人になれるかな?」、カイは自分らしくの「自」、リョウガは声で冒険したいと「声でアバンチュール」、タクヤは自分に素直になりたいからと「素直」、ユーキからは「忍び 忍ばれ 忍ばれる」と珍抱負が飛び出しメンバーから総ツッコミ。ユースケはたくさんの人に超特急の音楽を広めたいと「音楽番組出演」を目標に、タカシはメインダンサー&バックボーカルというオンリーワンのスタイルを今後も続けていきたいと「唯一無二」を掲げた。
和太鼓を使った演出も今ライヴの見どころ。シンと静まりかえった会場に和太鼓の音がこだまする。特にユーキは、途中バチが折れるハプニングもありながら3種類の太鼓を見事に叩き上げた。全員で「ヨイショッ」「ハッ」と掛け声を上げ、全身を使って和太鼓を叩く姿は、先ほどまでの賑やかな雰囲気とは打って変わって実に力強い。
ライヴ中についたお餅を食べながらのまったりトークでは、年末年始に何をしていたかという話題に。タクヤが初詣でおみくじを引いたエピソードを話すと、カイが「僕、今まで大吉しか引いたことがないです!」と神秘担当っぷりを発揮。メンバーから「出たー」と囃し立てられるなど、7人が集まればどんどん話しが展開するのも楽しい。ダンサー5人が一旦去り、ステージには関西出身のボーカルふたりのみに。「大阪城ホールでライヴができるなんて思っていなかった。今、こうしていられるのも8号車のみんなのおかげです!」とタカシ。ボーカル陣の念願の場ということで、「"Fantasy Love Train〜君の元までつながるRail〜"」はふたりだけでのパフォーマンスとアカペラ歌唱で8号車をさらに沸かせる。一歩一歩を積み重ね、8号車と共に進んできたレールの先には、こんなに笑顔溢れる素晴らしい景色が広がっているのだ。
ライヴはさらに勢いを増し、トランポリンでの技を披露する「Gravitation」へ。足の怪我でこれまで参加できなかったユーキも加わり、ジャンプと共に赤い花びらを舞い散らせるドラマティックな演出を見事に成功させる。そしてラストを飾るタクヤとユーキの2m超えジャンプ。ひと筋縄ではいかない大技のため、タイミングを図りながら挑むふたりの姿を、張り詰めた空気の中、8号車が胸の前で両手を組み祈るように見つめている。その想いが届いたのか、まずはユーキが見事成功。残るタクヤも手を使ったもののしっかりと壁を登りきったのだが、横浜アリーナ公演終了後に「手を使わないで登りたいので、あれは完成形じゃない」と話していただけに、悔しそうな表情を浮かべる。それでもグッと涙を堪らえながら、ユーキとがっちりハグした瞬間、ふたりで大技に挑めたことへの嬉しさも感じていたに違いない。そんなふたりの姿に8号車からは温かな拍手と歓声が贈られた。
ユーキの怪我を経て、ようやく完全体として辿り着けたこの地。ユースケが涙声で「今、改めてこの7人でステージに立てたことに感謝して…超特急の愛を届けます」と話し、披露した「Peace of LOVE」。<泣きべそかく日が来たとしても その全てが自分の一部で 光の射す明るい未来へと 導く笑顔の種となりゆくのさ>という歌詞はまさに、くじけそうなことがあっても8号車という光を信じて前進し続ける、今の超特急そのものではないだろうか。
アンコールは、ラストで変顔を決めた「BREAK OFF」、8号車のコールで一体になった「fanfare」と続き、「最後はこの曲をみなさんに届けます」(リョウガ)と「Signal」を披露。節目でしか披露されない特別なこの1曲は、ライヴでは約1年半ぶり。イントロが鳴った瞬間に8号車の歓声が沸き起こり、最高にハッピーな空気が流れる中、夢のようなひと時が幕を閉じた。
ライヴ終了後には、春に2018年第一弾シングルを発売予定であること、そして5月26日・27日に東京2Days、6月9日・10日に兵庫2Daysの春ツアーが行われることも発表。2018年も、これまで以上に“超特急”で走リ抜け、“想像を越えた時代のフロンティア”に8号車を連れていってくれるに違いない。乗り遅れてはならない。「the end for beginning」にふさわしい始まりの汽笛が、いま高らかに鳴らされたのだから。
文/木村桂子

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