L→R 白山治輝(Ba&Cho)、田中駿汰(Dr&Cho)、森 良太(Vo&Gu)、小川真司 (Gu&Cho)

L→R 白山治輝(Ba&Cho)、田中駿汰(Dr&Cho)、森 良太(Vo&Gu)、小川真司 (Gu&Cho)

【Brian the Sun インタビュー】
太陽に僕らなれますように――
結成11年目を迎え、
歌う新たなメッセージ

ポップな印象を打ち出しながらも、Brian the Sunらしい作品になったメジャー2ndアルバム『the Sun』。“太陽になりたい”というメッセージを歌うなど、結成10周年を経て音楽に取り組むメンバーたちの気持ちも変わり始めたようだ。

新作からは曲の作り方に対する、みなさんの心境の変化が感じられました。

それはあると思います。今回はポップにしたい、だからポップにした、という作品なんです。

なぜポップなものを作りたかったんですか?

僕は根っこに反骨精神があるせいか、これまで分かりやすさに対してアレルギーがあったんですよ。でも、“コンビニの飲みものに何もパッケージがなかったら、それって誰が買うんですか?”ってスタッフが言っているのを聞いて、確かにポップなラベルをペットボトルに貼ったからって、変わるのはイメージであって、味という本質的なところは変わらないなって。それと同じで、曲が纏っている一聴した時の雰囲気が変わったところで、核になっているメンタリティーやポリシーが変わるわけではない。“じゃあ、怖がる必要はないんだ”と思いながら、それを力強くやりたいと思ったのもあるし、去年、結成10周年を迎え、自分らの最大の持ち味って結局のところ、愛情ややさしさなんだって思えたので、それを馬鹿正直に歌っていきたいとも思いました。

前作の『パトスとエートス』では、お客さんの顔を思い浮かべるわけではなく、自分の中から沸き上がってくるものを音楽にしたいと言っていましたが、今回は全曲ではないにせよ、明らかにリスナーを思い浮かべながら、分かりやすいメッセージを歌った曲が多いですよね。

小川
ポップな方向で曲を作っていこうと決めて、曲が上がってきた時、一番いいなと思ったのが歌詞だったんですよ。今までだったら使わない言葉を使っているのが、僕は嬉しかったです。多くの人が言ってほしい言葉が印象的に入っていて、届きそうだなって思いました。今までの歌詞って知らない言葉をどんどん掘り下げて、“森 良太とはどういう人間なんだ?”というところでの楽しみ方もあったと思うんですけど、またそれとは違う美味しさがあると思うんで、そこは強調していきたいところでもありますね。
田中
歌っているメロディーがポップなものが多いから、分かりやすい歌詞がそこにストンとはまる感じがあるんですよね。

そんなふうにポップになったところも聴きどころだとは思うのですが、ポップになった結果、最後の「the Sun」という曲で《太陽に僕らなれますように》と歌っているように、Brian the Sunというバンドに改めて存在する意味とか、使命感とかを与えることができたのではないでしょうか? それが今回のアルバムの一番の聴きどころなんじゃないかと。

メッセージを歌うことに対して慎重というか、何かを言うことって、その何かが誰かにとっては嫌なことかもしれないから勇気がいるんですよね。“笑顔でいよう”とか“前向きに”とかの一見ポジティブに聞こえる言葉って、人の心を追い詰めたりするから、そういうメッセージはずっと歌いたくなかったんです。だから、日常や今の幸せを淡々と歌っていくしかないと思ってやってきたので、外側にメッセージを伝えることに戸惑い、ためらいがあったんですけど、もうそういう呪縛からは一旦離れてもいいのかなって気になったんですよ。自分らの音楽を聴いてくれる人にとって、もうちょっと心の肥やしになるような、ポジティブなエネルギーを持っている言葉を聴いてもらってもいいかなって心境になれたんです。ただ、それをどうやって押し付けがましくなく、かと言って控えめすぎずに伝えるか、そのさじ加減は僕の中の課題ではあるんですけどね。

「the Sun」は、そのさじ加減が絶妙じゃないですか。Brian the Sunとその支持者を称える曲が拳を振り上げるような曲にならずに、こういう切ない感じになるところが…

っぽいですよね(笑)。
白山
他のバンドに、やっぱりメンバー全員で同じようなことを歌う曲があるんですけど、それはアゲアゲなんです。だから、“「the Sun」は、みんなで歌おうと思ってる”と言われた時、そういう感じなのかと思ったら、まさかのバラードで。しっかり自分の歌を聴かれるって慌てました(笑)。

今回は歌詞のみならず、演奏にも変化がありましたね。これまで以上にタフになったような印象があります。

ほぼ全曲、歌も歌いながら、みんなで“いっせーの、せっ!”で録ったんです。もちろん、歌はあとで録り直しているんですけど、みんな歌を聴きながら演奏しているので、クリックにきっちり合わせるよりも演奏のグルーブが出て、それでタフに聴こえるのかもしれないです。
小川
楽曲のノリははるかに良くなりましたね。
それも含め、今回は音の感じとかやっていることとか、オールドスクールですよね。お前ら何歳やねん!って(笑)。

「One」のような如何にもクラシックロック風のダサカッコ良いロックナンバーがある一方で、「ポラリス」のようなキラキラとしたサウンドが印象的なポップナンバーもあって。多彩な曲を楽しめるところも新作の聴きどころですが、2018年はどんな一年にしていこうと考えているのでしょうか?

2月22日から全国ツアーが始まります。そのツアーを成功させるかどうかによって今後の自分たちの在り方が変わっていくと思うので、これが今年の抱負と言っても過言ではないです。東名阪が今までの自分らからすると、かなりステップアップしたところでやるので、見出しに書いてほしいぐらいです。“ツアーします!”って(笑)。
小川
アルバムのインタビューの一番上が“ツアーします!”ってやばいやろ(笑)。
それぐらいの意気込みってことです。曲をバーってやって終わりではなく、ライヴをひとつの作品として昇華させたいんですよ。その結果、東名阪が大成功しましたねって、みんなに手応えを感じてもらえたら嬉しいですね。

取材:山口智男

アルバム『the Sun』2018年1月10日発売 EPIC Records Japan
    • 【初回生産限定盤(DVD付)】
    • ESCL-4952~3 ¥3,600(税抜)
    • 【通常盤】
    • ESCL-4954 ¥2,700(税抜)
Brian the Sun プロフィール

ブライアン・ザ・サン:2007年、大阪で結成。『閃光ライオット2008』で準グランプリを獲得。メンバーチェンジを経て11年4月より現在の編成となる。コンスタントな制作、ライヴ活動で全国に名を広め、16年6月にテレビアニメ『僕のヒーローアカデミア』のエンディングテーマとなったシングル「HEROES」でメジャーデビュー。19年3月にはメジャー3作目となるアルバム『MEME』をリリースし、同年6月にはアメリカの3大アニメ・コンベンションのひとつである『A-kon2019』へ出演、ヘッドライナーとして約3000人を動員して初のアメリカ公演を成功させた。Brian the Sun オフィシャルHP

L→R 白山治輝(Ba&Cho)、田中駿汰(Dr&Cho)、森 良太(Vo&Gu)、小川真司 (Gu&Cho)
アルバム『the Sun』

「カフネ」MV

「boys」MV

OKMusic編集部

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