【連載】Vol.035「Mike's Boogie St
ation=音楽にいつも感謝!=」

ザ・ローリング・ストーンズのシックスティーズ音源『オン・エア』をじっくり聴こう! PT1
▲2CD(デラックス)UICY-78515/6 提供:ユニバーサルミュージック


12月1日、ついにザ・ローリング・ストーンズのシックスティーズ音源『オン・エア』がファンの前に登場。1960年代半ばからストーンを追いかけ続けている70歳前後の我々、爺は歓喜。感涙しながら毎日のようにこの作品集をCDやLPで聴きまくっているというメールやLINEが山のように届いている。
▲LP/ON AIR from Mike's Collection


1960年代、ストーンズは連日連夜、コンサートをこなし、レコーディングに励み、そしてラジオやテレビに出演した。ライヴ・バンドとしてのストーンズの生き様についてはVol.31【ザ・ローリング・ストーンズ・ファン大願成就!シーンの頂点を目指し、365日RSしていた1960年代前半~中期のBBCラジオ放送音源が遂に発売!『オン・エア』!!きっと来年は良いことがいろいろありそう!!!】で触れたけど、とにかくあの時代、デビューして間もない頃の彼らを僕らは何の情報もない中で応援していた。その時代のライヴ・デート記録は残っているけど、セットリストはほとんど記録されていない。ストーンズのセトリは70年代以降から保存されている。
▲提供:ユニバーサルミュージック


そんな60年代に彼らは英国のラジオ局BBCのいろいろな番組に出演しエネルギッシュな演奏をファンに聴かせていた。『オン・エア』は何度も述べているようにその記録だ。11月18日午前0時にアップさせていただいたVol.31はその素晴らしき作品集をいち早くお伝えしたいと、その何日か前に英国からユニバーサルミュージックに届いたばかりの“音”を同社リスニング・ルームで試聴させていただいてのリポート。『ROLLING STONES ON AIR IN THE SIXTIES TV AND RADIO HISTORY AS IT HAPPENED/Richard Havers』(HARPER DESIGN)にカル~ク目を通しての予習を少し…、でもそんなデータ的なことは完全にぶっ飛び、1曲目に突入したとたん、まさにあの時代に完全タイムトリップ。リアルタイム派としてはもうストーンズのブルージーでソウルフルなグルーヴにひたすら酔ってしまい、Vol.31ではミステイク記載もあった。ご指摘いただいた多くのストーンズ・フリークに多謝!
▲提供:ユニバーサルミュージック


* Blues in Rhythm ホストはロング・ジョン・ボールドリーやアレクシス・コーナーが務めた。→ ホストはロング・ジョン・ボールドリーが務めた。
*アレクシス・コーナーがホストを務めたのは“Rhythm And Blues”というBBCが海外配給サービスしていたプログラム。Vol.31で触れた【27】【32】はリズム・アンド・ブルースから。後者は64年10月8日録画で31日放送。ここに訂正させていただく。まだまだ勉強不足…。尚、【27】に関しては別番組からという説もある。それについては後述。
リリース直後の12月初頭にもう一度じっくりと『オン・エア』と向き合おうとしたけど,聴いているうちにキーボードが叩けず、とにかくダンサブルにリズム取りながら聴き&ダンス、気がつくと12月も中旬。いつものようにMike's 流で新しい年をこえながら隔回になったりもすると思うけど、曲目メモしながらゴーズ・オン!データチックな詳しい解説は素晴らしい寺田正典君ライナーや「レコード・コレクターズ」1月号(2018)をじっくりお読みいただきたい。
▲「レコード・コレクターズ」1月号 from Mike's Library


Vol.31では番組別に分類してみたけど、今回は収録順にまたまたジャケットやBookで遊びながらスタート・ミー・アップ!!!
(1)Come On

63年9月23日録音で26日放送“Saturday Club”からのストーンズ・デビュー・シングル(63年6月8日リリース)。アンドリュー・ルーグ・オールダムの選曲。チャック・ベリーの61年シングルA面ソング。実にマニアックなセレクション。でも、当時ミック・ジャガーはレコーディングには不満を持っていた。Vol.31でも触れたけど、ここでのキースの溌剌としたギターを中心にとってもよくライヴしているのだ。もちろんブライアン・ジョーンズのハープも良いのだ。ブライアン情報をちょこっと…。2019年、没後50年映画作品が公開予定とか、もうすぐクランク・インという案内が来ている。
▲日本盤シングル「カム・オン」 66年2月発売  from Mike's Collection


(2)(I Can't Get No )Satisfaction

2曲目にいきなりストーンズ代表曲収録にはびっくり。65年8月20日録音で9月18日放送“Saturday Club” から。寺田君もミックが最初の♪Hey♪を×1とライナーで記しているけど、やっぱりファンはここが気になるのだ、ウフフ。
▲イギリスからヨーロッパへ輸出された65年のLP『out of our heads』(モノ) from Mike's Collection


(3)Roll Over Beethoven

(1)同様SC/63年9月26日放送からのこのナンバーはチャック・ベリーの大ヒット、56年にBillboard誌2位が最高位。同誌THE TOP 100/6月30日付で29位を記録した。ストーンズにとって今回初出楽曲である。
▲Billboard56年6月30日付THE TOP 100/JOEL WHITBURN PRESENTS THE Billboard POP Charts 1955-1959 from Mike's Library


(4)The Spider And The Fly

65年8月20日録音で30日放送の“Yeh! Yeh!”からのナンバー。このUKシングルB面ソングはナンカー・フェルジ名義のオリジナル・ブルースだ。
▲日本盤シングル「19回目の神経衰弱/クモとハエ」66年4月発売 from Mike's Collection


(5)Cops And Roberts

64年3月19日録音で5月19日放送の“Blues in Rhythm”から。カムデン・シアターにファンを呼んでの公開ライヴ・レコーディングでMCはご存知、ロング・ジョン・ボールドリー。ボ・ディドリーの56年シングルA面楽曲。
▲UK 4CD『BO DIDDLEY』 from Mike's Collection


(6)It's All Over Now

“The Joe Ross Pop Show'から 64年7月17日録音で23日放送された。ライヴ・ヴァージョンとしてレコーディング。この時代のストーンズの演奏をしっかりと味わえる。ボビー・ウォーマックが在籍していたザ・ヴァレンティノズの64年のヒット・チューン。彼はその後ストーンズと深い関わりを持つようになる。とっても早口のファンキーで素晴らしい人物だった。機会があったらインタビュー模様などをご紹介しよう…。
▲日本盤シングル「イッツ・オール・オーヴァー・ナウ」 64年8月発売 キャプション“これがリヴァプール・サウンズだ!!”に注目。ライナー(無署名。多分当時のストーンズ担当ディレクター、武田さんがお書きになったものと思われる)のメンバー紹介では“ミッグ・ジャガー”“ケイス・リチャード”となっている。 from Mike's Collection
▲USシングル「It's All Over Now」64年7月リリース from Mike's Collection


(7)Route 66

64年3月19日録音で5月19日放送の“Blues in Rhythm”から。46年のスタンダード、ストーンズはチャック・ベリー61年のアルバム『New Juke Box Hits』に収められていたカバー・ヴァージョンをカバーしているのだ。
▲AU/EP『ROUTE 66』64年11月リリース from Mike's Collection
▲わが国でも人気だったTV映画「ルート66」に出演していたジョージ・マハリスの同名の日本盤シングル。63年4月発売 from Mike's Collection


(8)Memphis, Tennessee

63年9月23日録音で26日放送“Saturday Club”から。ストーンズにとっては初出楽曲。チャック・ベリーの59年シングル「Back In The U.S.A.」B面ソング。
▲日本盤LP3枚組ボックス・セット『CHUCK BERRY(from the beginning 1955~1960)Vil.1~Vo.3』 発売年月教えてください、多分70年代初頭だと思うのですが…。


(9)Down The Road Apiece

65年3月1日録音で6日放送の“Top Gear”から。同番組は前年にスタート、BBCのポップでロックな番組として60年代中期わが国でもその名を知られていた。65年1月リリースのストーンズ・セカンドアルバム、『The Rolling Stones No.2』A面2曲目収録のこのナンバーはアンドリューズ・シスターズほかに多くの作品を提供しているソングライター、ドン・レイの40年作品。同年、ウィル・ブラッドリー・トリオで発表されBillboard誌ポップ・チャートで10位を記録。正式タイトル表記は“Down The Road A Piece”。ウィル・ブラッドリーは楽団名義で40年代に多くのヒットを放った。チャック・ベリーが59年リリースのアルバム『Rockin' At The Hops』でカバー。ストーンズはもちろんベリー・ヴァージョン。
▲AU/EP『DOWN THE ROAD A-PIEACE』65年9月リリース from Mike's Collection
▲UK雑誌「UNCUT」02年12月号付録CD『THE DEVIL'S MUSIC』 エイモス・ミルバーンの「Down The Road Apiece」(表記、ママ)収録 from Mike's Collection


PT2以降でも触れると思うけど、『ON AIR』オリジナル・インナースリーブ記載のレコーディング・データにいくつか誤りがあったとマニアの間で囁かれている。25年以上大仲良しのドイツ・ベルリン在住のニコ・ゼントグラフは世界的なストーンズ研究家として知られる。彼の指摘をもとにここにご案内させていただく。

*Hi Heel Sneakers

*I Just Want To Make Love To You

この2ヴァージョンは64年4月18日放送“Saturday Club”と記されているが、同年4月10日プレイハウス・シアターでの演奏で生放送で“The Joe Loss Pop Show”で紹介された。
*Walking The Dog

“Saturday Club”で64年2月8日放送と記載されているが、64年4月13日録音で18日放送の同番組で紹介された。Vol.31では4月18日に放送と記した。
*Ain't That Loving You Baby

64年10月31日“Rhythm And Blues”で放送されたとインナースリーブに記載されているが、7月17日録音で23日に放送された“Top Gear”からのヴァージョン。これにはまだ異論もあるようだ…。
つづく
【LIVE INFO】

ミス・リサ・フィッシャー&グランド・バトンLIVE!
ストーンズ・ファミリーから大きく花開いた歌姫リサ・フィッシャーが2年ぶりにBlue Note TOKYOに帰ってくる。ストーンズ学院を卒業し、15年から本格的にソロとしてライヴを行っている。個性的な実力3人組グランド・バトンを率いての同年のステージにはそれはそれは魅了された…。ドラマティックでスピリチュアルな展開。個性的で上手すぎる、ストーンズ時とは異なった、リサのヴォーカルが“歌声”を超越しまるで“楽器”のような、未体験でハイ・レベルな世界がクリエイトされた。そんなLIVEがまたまた味わえるなんて、早くもリサ&ストーンズ・フリークの間で話題沸騰。18年春にはどんな世界が披露されるのか、楽しみだ!

2018年4月3日、4日

*ファースト・ステージ 17:30開場 18:30開演

*セカンド・ステージ 20:20開場 21:00開演
●リサ・フィッシャー ライヴ・ショット=Pic.by Yuka Yamji

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