『鋼の錬金術師』©2017 荒川弘/SQUARE ENIX ©2017 映画「鋼の錬金術師」製作委員会​

『鋼の錬金術師』©2017 荒川弘/SQUARE ENIX ©2017 映画「鋼の錬金術師」製作委員会​

【ハガレン】山田涼介×朴璐美対談!
「24年間という僕の人生をすべて注い
だ役」

全世界から注目の実写映画『鋼の錬金術師』が現在大ヒット上映中。主人公のエドワードを演じた山田涼介さんとアニメでエドワードを演じ続けてきた声優の朴璐美さんお2人のスペシャルインタビューをお届けします。

全世界シリーズ累計発行部数7,000万部超え、アニメシリーズも大ヒットを記録した大ベストセラー漫画「鋼の錬金術師」、通称ハガレン。
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全世界から注目の実写映画『鋼の錬金術師』が現在大ヒット上映中です。
主人公のエドワードを演じたのは、俳優としても実力を発揮している「Hey! Say! JUMP」の山田涼介さん。
失った身体を探すために“錬金術”を武器に戦う、という難しい役柄を持ち前の高い身体能力と表現力で見事に演じています。
今回は、山田さんと、アニメでエドワードを演じ続けてきた声優の朴璐美さんお2人のスペシャルインタビューをお届けします。
山田涼介「ハガレンが好きだからこそ悩んだエド役」――映画大変楽しく拝見させていただきました。まずはお2人の映画をご覧になった率直な感想をお聞かせ願えますか?
山田:率直に「すごいものを見たな」という気持ちでした。ワクワク感と、高揚感と、そしてプレッシャー。
プレッシャーはどの作品でも常に感じていますが、撮影のときよりも公開を待つ時間の方がプレッシャーが強くて。
朴:私も緊張しながら試写を見ましたが、スクリーンの中に「ハガレンのキャラが存在してる」って驚きました。だってそこには、エドが立っていたんです!
命がけで全身全霊で全てを背負っている山田くんの姿は、まさしくエドでした。彼が作品全体を引っ張っていることに胸が熱くなりました。
――山田さんは元々ハガレンがお好きだったそうですね。
山田:はい、本当に好きで。僕、読んでなかったり観ていなかったら正直に言うんですけど、ハガレンはずっと観ていて。
だからこそ、お話をいただいた時、やりたい気持ちとやりたくない気持ち、両方がありました。「どうやって、あの世界観を表現するんだろう」と悩みました。
でも、このエドという役は僕にしかできないだろうし、他の人にやらせたくないという気持ちが強かったんです。
「僕が完璧に頑張って演じるから」とやらせていただいた役です。24年間という僕の人生をすべて注いだ役になりました。
朴璐美が山田涼介と初対面で感じたこと「なんて目がキレイなんだろう」――今回実写版とアニメ版のエドお2人にお話を伺っているわけですが、お互いの初対面時の印象はどうでしたか?
山田:璐美ちゃんは、あっ、璐美さんは。
朴:あっ、璐美ちゃんって呼んでくれる優しい子なんですよ(笑)、山田君は。
山田:(笑)。璐美さんはエドです。僕は璐美さんが演じるエドを観てきたので、初めて会ったときは、どうしようかなってソワソワしていました。
性格もすごくエドに似ていて、カッコいいんです。実写化に対しての素直な気持ちも、試写を見た後の感想も、感じたままに話してくださって僕としては嬉しかったです。
朴:山田くんと、初めて会った時に「なんて目がキレイな子なんだろう」と思いました。
“目は心の窓”とはよくいうもので、とてもまっすぐな目が印象的でした。
全身全霊でこの作品を背負おうという気持ち、背負っている気迫がバンバン滲み出ていて。「何かを共有したがっている」と受け取ったんです。
だから私も、このまっすぐな目に対しては嘘偽りなく、自分が思ったことをきっちり伝えなくてはと。
山田:あとは、璐美さんとは、エドを演じた者同士でしかできない会話もいっぱい話せたので、とても嬉しかったですね。
朴:うんうん、アレだよね!
山田:言葉にするのが難しいのですが、エドを演じた者にしか分からない苦労があるんです。
僕が今まで演じてきた役のなかで、間違いなく一番大変だった。
エドという役を演じることの難しさ、大変さ。それはね、多分誰にも分からないんだろうなということを璐美さんと話しました。
朴:エドってすごいキャラクターで、エドを演じるということは、色々なものをグーっと持っていかれるんです。
ハガレン自体がブラックホールのような強力な吸引力を持っている作品なので、ハンパない熱量が必要になってきます。
荒川先生に聞きたいです!
オートメイルを実際に作ったスタッフさんたちの原作リスペクトに感動――そんな強力なキャラクター「エド」をどの様に演じようと工夫されましたか?
朴:私がエドを演じるときは、荒川先生が生みだしたハガレンという魔物に「みーつけた」と指さされたような感じでした。
「おめーのエネルギーと体を貸せ! まさぐらせろ!」というような強引さ。もう、どうぞと自分を差し出すしかないという感覚でした。
山田:僕は深く考えないことを大事にしていました。もちろん見た目を寄せることや原作やアニメを見直すなど、自分に出来ることは準備をした上で臨んでいます。
でも、現場に立つ人間は僕です。原作のエドでもアニメのエドでもない、山田涼介のエドとして現場には立たなくては、僕が選ばれた意味がなくなってしまうので。
そこにはオリジナリティが必要で、現場で起こること、すべてに対して真摯に向き合って、リアクションするということを大切にしていました。
――エドの先輩である朴さんから見て、山田さんのエドのどんな所に魅力を感じましたか?
朴:アルとの喧嘩のシーンが特にステキですね。現場に、鎧の姿であるアルはいないわけでしょう? 私には、理恵(釘宮理恵さん)がいたもん。
山田くん、改めてよくやったねぇ。
山田:ありがとうございます、頑張りました! アルは身長2m20cmなので、想定して動いていました。あのシーンはオートメイルの右手ではなく素手の左手で殴るというすごく重要な場面。
左手でカッコよく決めるにはどうしたらいいだろう?と、家でひたすらシャドウボクシングをやり、見え方を研究しました。
真夏の撮影だったこともあって、40度超える室内の中でスタッフさんも汗だくで頑張ったシーンです。完成された映像を見てアルがいてすごく満足しました。あのシーンは一番見てほしいです。
――アルフォンスはフルCGですが、エドのオートメイルもCGで作られているのですか?
山田:CGではないところが、一箇所だけあります。そのシーンのためだけに、リアルなオートメイルを作っています。
あのシーン1カットのためだけに作られていて、めちゃくちゃ高いそうです。そういうところにも、原作に対してのリスペクトや愛をスタッフさんから感じますね。
だから僕も、撮影のときはとても大事に扱いました。何せ高いですから!(笑)
荒川先生に「なんて作品を生み出したんだ!」って聞きたいです――改めて『鋼の錬金術師』という作品の魅力、持っているパワーについてお聞かせ願えますか?
山田:一番は大人も子供も、みんな楽しめるところだと思います。アクションやバトルシーンなど、少年マンガとして面白くて大事な要素がありつつ、ストーリーは大人向けで。
話が展開していくうちに主軸となるキャラクターも成長して変わっていき、それぞれのバックボーンもしっかり描かれていますよね。
そして、何か弱い部分をぐっと握られるシーンもいっぱいある。観ていて辛い所もありますが、それでも惹かれるのは、人間の本質を描いている作品だからだと僕は思っています。
朴:人が生きていく上でシンプルなことを、ハガレンは伝えてくれます。荒川先生のカッコつけない、むき出しの生きるエネルギーのようなもの、美学が詰まった作品なのではないかなと思います。そこが、人を惹きつける。
私もエドを演じるときは、ものすごくエネルギーが必要でしたし、読んでいる、観ている側もエネルギーを求められますよね。
実は生きることって、疲れるものでもあります。でも、そこから逃げちゃいけない。いまだに私も分からないところですが、人の心をぎゅっと捕まえて、震わせて、抱擁と共に放り投げられるというような、そういうところがハガレンの魅力なのではないかなと思います。
山田:本当に天才ですよね、荒川先生は。
朴:荒川先生に「ハガレンというすごい魔物を産み出しちゃった自覚はおありですか?」って、問いたいくらいにね。

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