わーすた『恋するにゃこたん』の「?」と選択肢の中に潜む意思

わーすた『恋するにゃこたん』の「?」と選択肢の中に潜む意思

わーすた『恋するにゃこたん』の「?
」と選択肢の中に潜む意思

わーすた「恋するにゃこたん」
わーすたの「恋するにゃこたん」。歌いだしはリーダーの廣川スタート。このグループが得意とするパターンです。
歌詞が聴き取りやすい廣川の歌声で「誰?誰?」とこの曲が「選択肢」の歌であることを冒頭で示します。
この後、曲の中ではいくつもの「?」が登場しますが、その伏線を最初に提示している構成。
「ポチポチ 名前を決めてGo」ゲームでプレイヤーの名前を決める画面を歌詞で再現。
「ポチポチ」が選択肢で名前を決めている効果音であることが分かります。ここでも暗に選択肢を示しているんですね。
また、ここで見られるゲーム要素も、わーすたが初期から一貫して続けていること。
例えば長いタイトルで知られる初期の代表曲『うるとらみらくるくるふぁいなるアルティメットチョコびーむ』は、まさにRPGをモチーフにした曲ですね。
髄所に盛り込まれた選択肢とゲーム要素
「たたかう」「にげる」の歌詞はわざわざ“→「たたかう」”と表記しています。これは後半に登場する「好きだ」、→「言えない…」も同様。
歌詞表記が矢印の選択肢になっているんですね。これはきちんと歌詞を見ないと分かりません。プレイヤーが選択肢を選んで進むゲーム要素をここでも投入。
「恋愛の壁」という心理的な壁を前半の歌詞に出現させていることもポイント。後半の「壁ドン」の伏線になっています。

「大好き」という強い想いを強調
「ウピピ」はメンバーが言うには喜びの感情。この曲は喜びにあふれているんですね。その喜びの感情はラストの「大好きよ」というフレーズで端的に表現されます。
ラストのフレーズ「大好きよ」は、メンバー全員で歌っています。ここまでサビ終わりは感情が乗りやすい三品の歌声できていたのに、ラストはあえて全員歌唱とする。これは何か。
これは、グループ全員の聴き手に対する愛情表現であり、この楽曲における結論の強調です。「大好き」というシンプルな結論を全員で歌うことで強調している構成。
このシンプルな結論を際立たせる為に、あえて冒頭からたくさんの「?」と矢印の選択肢まで出していたんですね。
可愛さの中にもブレない芯の強さを感じるわーすた「恋するにゃこたん」
人生は選択肢の連続。ましてや、アイドルは日本にも世界にも沢山存在します。歌の送り手も、歌詞のように「どうする?」「私でいいのか?」と自問自答する瞬間は沢山あるのです。
しかし、迷っているように見えて、実は結論は出ている。サブタイトル「フリフラレもあなたのまま」とあるように、勢いあまって自ら振ってしまうことがあろうが、豪快にフラれようが「あなたのまま」=聴き手の為に歌い続ける。
幾度と迷っても、好かれなくても、自分の姿勢は変わらないというかなり強い意思を示しているんですね。だから後半の歌詞で「答え迷ったらLove is over」=迷ったら愛が終わる、とまで言い切っているのです。
可愛い曲調の中に含まれた強い意思。この意思は、このグループが初期からずっと一貫してワールドスタンダードを目指している姿勢からきています。
わーすたという可愛いグループ名に潜んでいる世界のスタンダードになろうとする姿勢が、この曲を引き寄せているんですね。

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