【SILENT SIREN インタビュー】
改めて“ガールズ”ということに
誇りを持って“GIRLS POWER”を
掲げて進んで行く
ガールズバンドシーンで確固たる人気を獲得したSILENT SIRENが完成させた5thアルバム『GIRLS POWER』。胸がキュンとなる女子らしい曲から、ソリッドでキレの良いロックバンドらしさものぞかせ、波に乗る彼女たちの“今”が閉じ込められた作品となっている。
サイサイっぽさは
自分たちで作っていくもの
前アルバム『S』を越える作品にするために難産だったそうで。
あいにゃん
難産でしたね。制作期間は『新世界』のツアーと並行していたので、約半年とすごく長かったけど、1曲ごとにこだわったから『S』を越えることができたと思います。
全体像とか青写真的なものは持っていた?
ひなんちゅ
自分たちが今やりたくて、今出せる最大限のことをやれば、自ずと良いアルバムになるだろうという考えでした。レコーディングしたけど入らなかった曲もあるし。全体像とかのバランスを考えたのは最後のほうですね。
すぅ
漠然と『S』より良いものを作りたいとか、自分たちが満足する曲を入れたいとか、最初はその気持ちだけでしたね。一曲一曲もそうだし、アルバムとしても“超良い! 最高!”と思ってもらえるものを目指して、バランス、ジャケ写、全部を含めたひとつの作品として、ずっと取っておきたいと思ってもらえるものにしたくて頑張りました。
“GIRLS POWER”というタイトルはストレートなネーミングですけど、どの時点で決まったんですか?
ひなんちゅ
1周回ってストレートで分かりやすいものを掲げたほうが、入口として良いかなって思ったんです。
でも、ガールズバンドという括られ方には、以前は否定的だったような気がしますが。
ひなんちゅ
そもそも同じバンドなのに、何で女がやると“ガールズ”と付くんだろう?という疑問はありました。“読モバンド”と呼ばれたことも嫌だったけど、でもそれを入口にしてファンが増えたことは事実だし、“ガールズバンド”と呼ばれることでルックスから興味を持ってくれる人もいるだろうし、いずれにせよ注目してもらうための武器になっていることに気付いたんです。それで、改めて“ガールズ”ということに誇りを持って、“GIRLS POWER”を掲げて進んで行こうと。実年齢的にはウーマンですけど、そういうことじゃなく(笑)。いつまでも女の子だし、大人になっても恋愛はするし、かわいいいと言われたい。そういう意味では女子だなと思う反面、演奏ではすごくカッコ良いものができているので、演奏を聴いたらガールズっぽさがなくて、そのギャップも良いと思ってもらえるんじゃないかと思って付けました。
すぅ
“GIRLS POWER”という言葉自体は、サイサイチームの2018年のテーマとして、打ち合わせや会議で出ていた言葉だったんです。キーワードになるよねって。
標語みたいな感じで。そのタイトルの通り、女の子らしい面とパワーを感じるカッコ良い面の両方がバランス良く収録されていて、曲順もすごく良いんじゃないかと思います。
ゆかるん
順番を入れ替えながら何度も聴いて、それを何パターンも繰り返して、めちゃめちゃ考えました。だから、シャッフルじゃなくて、1度は曲順通りに聴いてほしいです。
「フジヤマディスコ」が1曲目なのはレーベル移籍一発目で、今のサイサイを象徴する一曲ということで?
すぅ
「フジヤマディスコ」を最初に出した時は“チャレンジしすぎたかな? 受け入れられるのかな?”と不安もあったんですけど、今ではサイサイっぽいと言ってもらえる。サイサイっぽさは自分たちで作っていくものだと思った一曲です。
「KNiFE」はカッコ良いサイサイが表れた曲で。
すぅ
このアルバムで「KNiFE」と「さよなら日比谷」は、一番最初に“入れよう!”と決まりました。ツアーが始まったと同時にアレンジと練習とレコーディングをやって…この頃はまだ余裕があったので、結構時間をかけて制作しました。意外に今までなかったし、ちょっと癖のある感じで、『S』で言うなら「Love Install」みたいな立ち位置かな。
作詞はあいにゃん。歌詞の中で《呟いた》のあと、歌詞カードでは“『 』”と空白になっていますけど。
あいにゃん
そこは、ご想像にお任せします。暴言でも何でも、好きな言葉を当てはめてください(笑)。きっと誰でもあると思うんですよ、人混みで人にぶつかられたりして、ちょっとイライラしたりとか。だから、私が書く歌詞の中では珍しいタイプだと思います。今までは幸せなラブソングを書くことが多かったので、その部分では挑戦だったし、苦戦もしたし。書き上げるのにすごく時間がかかりました。
演奏面で一番大変だったのはどの曲ですか?
あいにゃん
一番大変だったのは「ODOREmotion」かな。
すぅ
ギターがめちゃめちゃカッコ良いんですけど、その分大変でしたね。ここまで速いテンポでカッティングすることが今までなくて、“これって腱鞘炎?”って思った時もありました(笑)。2日くらいで治りましたけど、手首をもっと柔らかくしなきゃなって。他のパートもめちゃめちゃカッコ良くて、最後のひと回しはドラムはツインペダルでベースはスラップになるし。聴きどころがいっぱいある曲ですね。
ひなんちゅ
ツインペダルにはなってないけどね(笑)。
サイサイ流の新たなダンスロックの提示でもありますね。
ゆかるん
この曲はBPMが速いから、ちょっとつまずくと置いて行かれちゃうので演奏はすごく大変です。でも、これがバチッと合った時はめちゃめちゃカッコ良くなるので、ライヴでやるのが楽しみですね。