メタリカの元プロデューサー、ラーズ
・ウルリッヒのドラム奏法を解説

メタリカの5thアルバム『Metallica(通称ブラック・アルバム)』(1991年)をはじめ『Load』『St. Anger』などをプロデュースしたボブ・ロックが、ラーズ・ウルリッヒの“素晴らしくてユニーク”なドラム奏法について持論を述べた。ロックは、ラーズはザ・フーのキース・ムーン・タイプだと考えているそうだ。
ロックは『Metallica』をプロデュースする際、バンド側から、彼が手掛けたモトリー・クルーのアルバム『Dr. Feelgood』(1989年)でのトミー・リーのようなドラム・サウンドを求めていると言われたそうだ。
ロックは『Tape On』誌のインタビューでこう語った。「トミーはいつも、異なるビーツを使い、バンドの質を高めようとしていたんじゃないかと思う。例えば、『Dr. Feelgood』では少しファンキーになった。リズムの面でいえば、彼はいつもかなりストレートだった。それが突然、『Dr. Feelgood』でトミーはそれまでのトラディショナルなドラム・サウンドから離脱した」
「一方、ラーズ・ウルリッヒは多分、なによりキース・ムーンに近いんだと思う。トミーはクラシックなバック・ビート・ドラマーだ。彼は基礎とリズムのタイプだ。シンコペーションはあるが、彼はリズム・マシーンだ。それに反し、ラーズ・ウルリッヒのドラムを素晴らしく、そしてユニークにしているのは、彼が音楽に対し反応性が高いところだ」
「『ブラック・アルバム』での彼は、意図的にバック・ビート、速度を守る以上のことをしようとしていた。彼のドラム奏法がユニークなのは、ザ・フーと同じように、その音楽のリフに合わせてプレイするところなんだ。ザ・フーとメタリカはとてもよく似ている。なぜなら、キース・ムーンはピート・タウンゼントのソリッドなリズム・プレイに合わせプレイし、ラーズはいつだってジェイムス・ヘットフィールドのソリッドなリズムに合わせプレイしている。ラーズは大半のドラマーと同じような考え方はしていないと思う。彼はリフに合わせプレイする。リフをコントロールしようとするんじゃなくね」
テクニックの面で揶揄されることもあるようだが、ラーズのドラムのファンは多い。
Ako Suzuki

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