【インタビュー】DROP DOLL、メジャ
ーデビューの先に見る未来「3人で1つ

女子高生スリーピースバンド、DROP DOLLがメジャーデビューシングル「未完成なDreamer」をリリースする。同曲は日本テレビ系『バズリズム02』のエンディングテーマとしてもオンエア中だ。実は彼女たちはもともと3人とも女優志望の女子。映画出演のために組んだガールズバンドだったのが練習を重ねる内にどんどんバンドの魅力にハマってしまい、授業が終わったらリハーサルスタジオに直行、3人で1つと言い切る結束力を発揮するまでになったストーリーが面白い。
BARKSでは彼女たちの日常と言っていいリハーサルスタジオに潜入。ドラム、ギター、ベースという最もシンプルなバンド編成でなおかつ3人が交互にヴォーカルもとるDROP DOLLの気合いの入った練習風景を目撃した直後にインタビューを行った。
  ◆  ◆  ◆
■音楽を自由自在に作れる感じが楽しかった(U)
──初登場となるので、DROP DOLL結成のいきさつから教えてください。3人はそもそも女優を目指していたんですよね。
U(B&Vo):はい。3人とも女優志望だったんです。女子高生ガールズバンドの映画を撮るに当たって集まったメンバーなんですけど、だったら本物のガールズバンドを結成して映画に挑みたいなって。そしたら学校が終わったら、全部バンドに時間を費やすぐらい夢中になっちゃったんです。
──バンドをやった経験がある人は?
J(Dr&Vo):誰もやったことなかったんです。
I(G&Vo):未経験です。
──楽器はどうやって決めたんですか?
U:私はもともとバンドを聴くのもライブを見るのも好きだったので、ベースには憧れがあったんです。LUNA SEAさんが好きで初めて見に行ったライブもLUNA SEAさん。SHOW-YAさんにも憧れてます。
──SHOW-YAはガールズバンドの大先輩ですね。
J:私は吹奏楽部だったんですけど、バンドに関しては全くわからなくて、ギターとベースの区別もつかないぐらいだったんです。で、ドラムをやることになってYouTubeで動画を見まくって猛勉強しました。叩き方や歌い方を参考にして、もう学校の勉強より夢中になって(笑)。それまで歌もうたったことがなかったので。
──カラオケに行ったりしなかったんですか?
J:行っても歌わずに友達が歌ってるのを聴いてノッてるだけです。でも、今はバンドが大好きで、ホントにやってよかったなって。
I:私もJと同じで吹奏楽部だったんですけど、ギターには触ったこともなかったので当初はどうやって弾くのかもわからず、コード押さえられないって(笑)。今はスタジオで練習してるのが楽しいし、ライブでみなさんの前で演奏してるとホントに幸せです。
──吹奏楽部では何の楽器を担当してたんですか?
I:私はホルンです。
J:私はトロンボーンだった。
──全員、音楽好きではあるんですね。
U:はい。3人の共通点です。
▲U(B&Vo)
──さっき学校の勉強よりもバンドの練習という話が出ましたが、週に何回ぐらいスタジオに入ってるんですか?
I:3人とも高校が終わったら、そのままスタジオに直行っていう感じなので毎日のように。土曜も日曜もやっているので。
──そんなにフルタイムで? 試験中はどうするんですか?
I:試験の前も毎日、練習することもあります。
J:逆に試験期間だと「早く学校が終わるから早く集まれるね」って(笑)。
──最初はどんなふうに練習していたんですか?
I:「JUST MY WAY」っていう私たち初のオリジナル曲があるんですけど、その曲を3人で試行錯誤しながら、ひたすら練習してました。
──何十回、何百回と繰り返すみたいな?
U:数えきれないぐらいにやりましたね。
──なぜ、そんなにバンドにハマっちゃったんでしょう?
U:いろんな音楽のジャンルがある中、私たちのバンドの場合、ギターとベースとドラムだけで完結するというか、音楽を自由自在に作れる感じが楽しかったんですよね。
──スリーピースバンドでしかも全員が歌うって、まったく気が抜けないだろうし、ハードル高いですよね(笑)。
I:はい。でも楽しいんですよね。演奏していて音がピッタリ合う時とか。
J:バチッと合った時にはお互いに顔を見合わせて、めっちゃ笑顔になるんです。気持ちいい。
──ライブでお客さんの笑顔を見るのも、やる気アップに繋がりそう。
J:初ライブの時は緊張しすぎてお客さんの顔も見れなかったんですけど、2回目のライブではミュージックビデオがアップされていたこともあって、覚えてくださったお客さんが口ずさんでくれたんですよ。その様子を見た時はすっごい感動して、「ライブってこんなに楽しいんだ!」って。
U:ライブは会場の熱気が感じられるし、お客さんと近い距離で演奏していると、スタジオで曲を形にしていった意味や、やりがいを感じますね。
■何でも言い合える仲になりました(I)
──ちなみにDROP DOLLは結成1周年を迎えたばかりですが、お互いの印象は出会った頃と今では違いますか?
3人:ぜんっぜん違う(笑)。
I:出会った頃はみんなけっこう静かで「あ、こんにちは」みたいな。
U:2人はもっとおとなしかったんですよ。
J:無口でしたね。
I:特にJは目も合わさずにすぐ帰っちゃうみたいな。言いたいことも言い合えない距離があったんですけど、今ではずーっと話してるし、音楽以外の日常のことも話しますね。何でも言い合える仲になりました。
J:まわりの誰にも言ってないことを話したりとか。しょうもないことも2人には言っちゃいますね。
I:結成して4ヶ月たった頃にみんなでディズニーシーに行ったんですよ。そこから仲良くなって。
J:一緒の時間を過ごす内にどんどん距離が近くなってるよね。
U:このまま行ったら、どれだけ近くなっちゃうんだろうって。
I:姉妹みたいになっちゃう。
▲I(G&Vo)
──徐々にわかってきたお互いの性格って?
J:Uはめちゃめちゃ真面目そうなんですけど。
I:大人っぽい感じがするからね。
J:実はDROP DOLLでいちばん年下(高1)なんですよ。見た目は大人っぽいけど、中身は天然でおっちょこちょい。
I:ねじがたまに外れてますね(笑)。
U:よけいなこと言わなくていいから(笑)。
I:キビキビしていそうで、ほわほわしてるんですよ。
J:バンドで打ち合わせしている時にもたまに寝るんですよ。Uの声が聞こえなくなって。
I:「U! U!」って呼ぶと「ごめん、寝てた」って(笑)。
U:どれだけ天然がいるんだよって思われるかもしいれないけど、Jも天然でギャグセンスがある。言い回しが面白いっていうか。
I:みんなと違う言い方するよね。
J:褒めてる?(笑)。
U:いちばん年上なのに年上っぽくない。
I:そう。ふだんはほわほわ系。
──(笑)リズム隊はほわほわコンビですか?
I:ドラム叩くと急変するんですけどね。
U:急にスイッチが入るね。
J:やる気スイッチ。
U:Jの性格をひとことで言うとマイペースですね。
──Iさんはまたタイプが違う?
J:Iは天真爛漫というか、いつも元気なんですよ。「ちょっと落ち着こうよ」っていうぐらい。
U:少し静かにしていてほしい時もあります(笑)。
I:アクティブなんです。
J:3人の中ではちょっと小悪魔系ですね。
I:ディズニーシーに行った時も私は絶叫系が大好きなんですけど、2人はダメで無理やり乗せました(笑)。「タワー・オブ・テラー」に乗りたかったのでイヤがる2人を「せっかく来たんだから」って説得して。
U:半ば強引に乗せられました。
J:U、足がつってたもんね。
U:動けなくなりました。
I:今度は絶叫系のジェットコースターに乗せたいなって。
U&J:イヤです!(笑)。
■3人で1つ(J)
──メジャーデビューを目前に控えた今はどんな心境?
U:大きな1つの目標だったのでメジャーアーティストとして胸を張れるようにこれからも切磋琢磨していきたいですね。新しいスタートラインに立って、さらに上を目指して技術も磨いて3人で一緒にやっていきたい。
J:3人で1つなので、そこは忘れないように。
──記念すべきメジャーデビューシングル「未完成なDreamer」は爽快なナンバーで“いつだって WE ARE でいたい”とか“必ず掴める キミとなら”という歌詞がDROP DOLLと重なりますね。
I:「未完成なDreamer」には前向きな歌詞がたくさん入っているんです。自分たちもどんどん前に進んでいきたいし、目標を持っている人たちの背中を押せるような、みんなの心に突き刺さる曲になるといいなと思っています。これからも輝いていきたいという気持ちを込めて演奏しています。
J:夢に向かって走り続けている私たちの等身大の曲なので、同世代の人たちが勇気をもらえる曲になったら嬉しいですね。早いビートなのでドラムは難しかったんですが、今は演奏していて楽しいし、私の歌から始まる曲なので、しっかり伝えられるように想いを込めて歌っています。
U:Jも言ったように等身大の歌詞で“WE ARE でいたい”とか“一人じゃないと想えたんだ”っていうところが好きですね。メジャーデビューシングルにピッタリの曲だと思うし、明るい曲調の中にも切なさとか、いろんな感情が入っているので共感していただける部分があると思うし、応援歌としても背中を押せる曲になっていると思います。
──テレビ番組『バズリズム02』で聴いている人もいると思いますが、リアクションは返ってきてますか?
U:『バズリズム02』は毎週、録画していた好きな番組なので嬉しかったし、応援してくれる方から「見たよ」とか「聴いたよ」ってコメントをいただいて実感がわきました。何度も巻き戻して見ちゃいました。
I:一緒だあ!(笑)。
──ミュージックビデオには制服姿で学校で演奏しているシーンが出てきますね。
U:演奏シーンは生徒さんたちが使ってるリアルな学校の音楽室に照明をつけていただいて撮影したんです。
J:照明がついたら、まるでライブハウスみたいな雰囲気になってね。
I:楽しかったです。待ち時間にみんなで写真撮りに行ったんですけど、すごく大きな虫が出てきちゃって騒いでました。夜の学校で撮ったので暗いからよけい怖くて。
J:今まで聞いたことがないような大声で2人が騒いでるから、声のほうにビックリしてお化けでも出たのかと思った(笑)。
U:Jは後ろのほうにいたからね。
──絶叫系のアトラクション並みの声が。
J:悲鳴がスゴかったですね。
▲J(Dr&Vo)
──(笑)。そしてカップリングの「We Go」には総合格闘家のKINGレイナさんがDROP DOLLのミュージックビデオをYouTubeで見て試合の入場曲に使ったというエピソードがある曲なんですよね。
U:まさか入場曲に使ってもらえるなんて思ってなくて、3人で福岡まで応援しに行ったんですけど、自分たちの音楽が流れているのを会場で聴いて興奮しました。「We Go」の歌詞は“さあ立ち上がれ”とかメッセージ性が強いので戦う方の応援歌にもなればいいなって。
J:「We Go」は「未完成なDreamer」や「JUST MY WAY」のような爽やかな曲ではなく、力強くてこれこそロックって感じの曲なので、3人とも届くように心から歌っています。
I:私はサビの最初の部分を歌っていて“いつも cry cry cry cry cry”って繰り返して歌う箇所が好きです。Uが言ったようにメッセージ性が強くてみなさんの耳にも残る曲なので歌っていて気持ちいいです。
──3曲の中で最も攻めてる曲ですよね。初のオリジナル曲「JUST MY WAY」は初めてミュージックビデオを撮った曲なんですよね。
I:はい。Jが高1、私とUが中3の時に撮ったんですけど、初めてだったので、まず照明に感動しました。水槽を上のほうに設置して本物の水を入れて揺らせて、それに反射した光を背景にして撮ったのにビックリしたのと同時に3人ともテンションが上がって。
U:3人でいろいろなアーティストさんのミュージックビデオを見てあれこれ話していたので、実際に憧れの撮影現場にいること自体も嬉しかったですね。
──数え切れないぐらい練習した最初の曲なので思い入れもあると思います。
J:はい。“100点じゃなく100%の私”っていう歌詞が出てくるんですけど、まさに今の私たちは1曲、1曲を100%の力でやっているし、音楽を始めすべてのことにそうありたいと心がけているので、自分たちと重なる曲ですね。
I:サビの“一瞬の青春”という歌詞もそうですね。そこは3人で一緒に歌ってるんですけど、思いきり気持ちをぶつけてます。私たちも青春の全てを賭けてDROP DOLLをやっているので。
──デビューシングルの3曲はライブに欠かせない曲ですか?
U:はい。
──最後にDROP DOLLの夢を教えてください。
U:私たちの夢はより多くの人たちにDROP DOLLの音楽を届けることです。大きな会場でライブをしたいという想いもあるんですけど、大人と子供の境目でしか感じられない想いをみなさんに共感してもらえたり、背中を押せたら嬉しいし、明るくポップなナンバーだけではなくロックだったりバラードだったり、型にハマらず、いろいろな曲にチャレンジしたいと思っています。
J:私もたくさんの人に聴いてほしいし、DROP DOLLの曲を聴いて「元気が出た」って言ってもらえるのがいちばん嬉しいので、これからも伝えたい気持ちを音楽にぶつけていきたいと思っています。
I:バンドが好きでやっているのはもちろんですけど、聴いてくださる方を勇気づけたいと思っているので、目標に向かって一緒に走っていきたいし、みなさんの夢を叶える力に少しでもなれたらと思っているので、DROP DOLLはずっと続けていきたいです!
取材・文◎山本弘子
New Single「未完成なDreamer」


2017年12月13日(水)発売

■初回盤(CDMS+DVD)

TKCA-74614 ¥1,667+税

■通常盤(CDMS)

TKCA-74615 ¥1,204+税
[CDMS]

M1. 未完成なDreamer

M2. We Go

M3. JUST MY WAY

[DVD]

JK★ROCK(Short Story Music Video)

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