【インタビュー】Den Sorte Skole「
物事の境界を超えたいときは万人から
評価を受けなくたっていいと思ってい
る」

デンマーク出身の二人組、Den Sorte Skole(以下、DSS)がTDME(Tokyo Dance Music Event)に合わせて来日、CIRCUS TOKYOにてパフォーマンスを行った。ターンテーブルやサンプラーを駆使し、さまざまなジャンルの音楽を、世の中に知られていないレコードから切り出してオリジナルのサンプリングとミックスするスタイルで観客を圧倒した。この度初来日となったDSS=Martin HøjlandとSimon Dokkedalに話を聞いた。
──デンマークの“ロスキルド・フェスティバル”は“フジロック”に相当すると言われていますが、なぜ今夏のフェスティバルは特に重要だったのか、そして前回からどのようにパフォーマンスの内容を変化させたのですか?
Martin 北欧で最大のフェスティバルの一番大きなステージで金曜日にパフォーマンスしたんだ。メジャーなラジオやiTunesのサポートなしで実験的音楽に基づいたサンプラーを演奏するアクトとしてはとても大きいものだったんだ。5万人のオーディエンスの前でパフォーマンスするためにいまだかつて見たことがないオーディオヴィジュアルショーのモンスターを作り上げたかったので7カ国からゲストを招いたんだ。
アイスランドの22人編成のコーラス、クルド人シンガーAynur Dogan、シリア人の伝説的なカルト人物Omar Souleymanをゲストに招いたんだ。僕らはDark MattersとObscura Vertigoと一緒に以前から大型のオーディオヴィジュアルのプロダクションを製作して慣れていたけれど今回は今まで以上のスケールでゲストと一緒に今までにないステージを作り上げたよ。幸運なことに今までやった中で一番奇妙なライヴだったけれど大成功だった。美しくて、悲壮感があってクレイジーでパワフルなステージだったからほとんどの人には大好評だったけれども中には嫌だったっていう人もいたよ。でも物事の境界を超えたいときは万人から評価を受けなくたっていいと思っているんだ。
──これから東京は夜の市場活動と音楽のエンターテインメントにおける姿勢を変えていくのですが、デンマークでは過去何年かに夜の文化や電子音楽に関わる変化というものはありましたか?
Martin 僕は、今の音楽社会全体の傾向としてアメリカやイギリス、デンマークにおいてもポップなアクトにフォーカスして行っているように感じるけど、それは別にいいと思うんだよね。実験的な音楽シーンはメディアの注目がない方が僕にとってはベストだよ。それでも少し寂しいのは今の若い人たちが音楽を鑑賞するという意識が分散してしまっていることなんだよ。僕はスマートフォンとかSNSとかの爆発的な技術革命が周りのものや自分たち自身を見失ってしまうような世代を結果的に作ってしまったのだと思うよ。いつもそれなりにやって、背伸びしたり、落ち着きがなくなったりする。もっと皆リラックスするべきだよ。誰かと面と向かって話したり、携帯の電源を消してみたり、アルバムをフルで通して聴いてみたり、本を読んでみたりとかね。

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