惜しむ声続出、 METH(XXX-LARGE)ら
が仕掛けるパーティーSNAFU SAPPORO
が休止宣言

11月25日(土)、北海道札幌市すすきのエリアの端に所在するMORROWZONE(モローゾーン)にて人気パーティー「SNAFU SAPPORO」が開催された。
シーンでもコアな人気を誇るダンサーのMETH(XXX-LARGE)とDJ O-NO(SHAFTT)が中心に、地元札幌で活躍するアーティストらと共に各月第4土曜に定期開催している。
今回は、バトルコンテンツとパーティーを組み合わせるスペシャルとして開催。東京からDJ O-BA(DJ FOUR)、大阪からHONGOU(HEX BEX)、韓国からC.R.E.A.M082を招待するとともに、REVEL、DOGGEDD、KAI&SYEEZ(LIVE)といった地元勢もゲストインし、大盛況のうちに終了した。
しかし、地下のHIPHOP空間を盛大に盛り上げていたSNAFU SAPPOROが、この回をもっていったん休止することをSNS上で宣言。惜しむ声が各所で聞こえてきている。
もともと2007年から東京・代々木にあるANCE(2016年に閉店)でHIPHOPダンサーのためにスタートしたパーティーだった。その後、場所を新宿LOFTに移し、よりライブ感を重視したイベントに発展。若手から大御所までHIPHOPスタイルの高いマインドを持ったジャンルレスダンサーらがこぞって集った都市伝説的なパーティーとして、シーンに対する意識の高いニッチな層から絶大な支持を獲得していた。
パーティーは回を増すごとに大きなうねりを生み、フロアがカオス化するほど盛大に盛り上がっていたが、仕掛け人であるMETHの北海道移住をきっかけにいったんバラされ、事実上の解散となっていた。
東京で2011年まで続いたSNAFUは、場所を北海道に移し、2012年より試験的にスタート。METHは「札幌という地に移住者として踏み入れ、ここまで成立するのに5年という月日がかかった。これまで色々な先輩や友人、地元のアーティストに協力してもらい、東京時のピークの思い出がフラッシュバックしてしまうほどに自由度とコンセプトが垣間見える素晴らしいパーティー空間になったと思う。これで休止期間に入るとは到底思えないほどピースでナチュラルな空気が充満し、朝の7時半まで盛り上がった」と、今回のSNAFUを振り返っている。回によっては、昼頃まで続いた日もあるそうだ。
ラスト回ということもあり、夕方から不定期のスペシャル回としてダンスバトルイベント「SNAFU CUP VOL.4」を開催。主にHIPHOPのビートを中心に選曲する本職DJ(DJ O-NO+ゲスト)に対して、いろいろなアプローチでその独特なドープな質感に挑む各ジャンルをレペゼンするダンサーの攻防戦が繰り広げられ、エキサイティングな場面が多く見られた。
また、独自で発案したというバトルシステムが新鮮で、既存のダンスバトルに比べて賑やかながら緊張感があったりと、ゲーム性高くフレッシュな楽しさの要因になっているようだ。
まず、予選からダンサー7名をピックアップ。ゲストバトラーとして招待されたダンサー1名がBEST8へと進む。踊る時間を秒数で計るのではなく、フリースタイルラップバトルのように小節で区切り、まるでラップをスピット(吐き出す)するように生々しく展開していくのだ。
1人の持ち場が4×8を2回ずつとショートタイムで勝敗がついてしまうため、コンディションをさぐる余地もなく、全員がカウントいっぱいまで爆発するようにダンスでぶつかり合う。そのため、観ているだけでハラハラドキドキし、自然とテンションが上がるのだ。
さらに、バトルが始まる直前にDJから選曲されたドープなビートを2小節聴いてから先攻後攻を決める方式を採用。ビートが流れた瞬間の会場のどよめきなど、そのビートに対する駆け引きが垣間見れるという。METHは「褒め言葉になるか解らないが映画『8MILE』を彷彿とする空間を連想する。地下のアングラ感漂うクラブの造りもあるだろう」と、話す。
ジャッジは、HONGOU(大阪)、RAYCA(札幌)、MAME(札幌)という独自のバランス感を重視。これは、いわゆる競技的なニュアンスでスキルやポイント重視で行われる既存のバトルシーンとの差別化を図るためだ。プレイヤーには、よりカルチャー的な思考やアティテュードが強く求められるのもSNAFU CUPの特徴のひとつだろう。
そんなゲーム性の高い「SNAFU CUP VOL.4」を見事制したのは、ショーゲストとして招待されたJ-ROC! 彼は、韓国・ソウルを中心に活動する実力派のHIPHOPダンサー。歴代チャンピオンたちを、XXX-LARGEやHEX BEXに触発されたオーセンティックなHIPHOPスタイルを武器に、テクニックだけでなくシルエットのスマートさやクリアなクリティカルヒットで韓国スタイルを存分にレペゼンした。さらに、日本の文化に対してのリスペクト感も伝わり、ファッション性などトータルバランスで強いインパクトを札幌の地に残してくれた。
また、優勝の景品のひとつがストリートファッション界では知る人ぞ知るHIPHOPマニア人気の最新限定ミュージックトイ「ULTIMATE BREAKS&BEATS with
BLAX TOYZ ”HAND SPIN B-BOY SILO”」のフィギアというのが、SNAFUらしくてセンスを感じる。そういうディティールにまでこだわり、遊び心も利かせたところもSNAFU CUPの魅力だ。
(HIPTANK RECORDSより提供)
SNAFU CUP終了後、次はSNAFUの装いへ。ついさっきまでKIDSダンサーや親御さんたちも入り混じった明るい雰囲気から、大人の遊び空間へとチェンジし、続々と多様なミュージックラバーが遊びに来た。
DJのかける選曲に、お酒を片手に体を揺らし、ショーではREVEL、DOGGEDD、CREAM082、メインゲストのHONGOUとSNAFUの仕掛け人で盟友のMETHは
エクスクルーシヴかつスリリングなソロの応酬で会場を沸かせていく。その後も朝までKAI&SYEEYZのLIVEパフォーマンスやゲストのDJ O-BA、DJ O-NO、DJ HISAYA&DJ HAYATOのB2Bで盛り上がった。
SNAFU CUPと合わせると13時間もの長いパーティーとなったが、最後の一曲まで味わい尽くすようにフロアに残るラッパーやDJ、ダンサー、クラバー全員が笑顔で充実感にあふれた姿も印象的だった。
昨今、細分化されるクラブシーンの中で、なかなかこういったクロスーバーされた光景があるのは珍しく、実行委員長を務めるMETHのHIPHOPカルチャー的な思考が各プレイヤー、スタッフによってうまく反映されたナイスパーティーと呼ぶにふさわしい一夜となった。
・SNAFU Official Instagram:https://www.instagram.com/snafu_sapporo/
・SNAFU Official Facebookページ:https://www.facebook.com/SNAFU-Sapporo-825964307533232/
Photo by AZY FILM, Edited by msk

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