米津玄師のニューアルバムを1ヵ月間
繰り返し聴いてみた。

ファン待望のNEWアルバムが自己最高売
り上げで絶好調!

(出典:公式サイト)

11月1日に発売された4thアルバム『BOOTLEG』が自己最高の売り上げを記録し、ノリに乗る米津玄師。特徴的な声とミステリアスな風貌を武器に、J-POP界を席巻している彼。ポップなメロディーと文学的なリリックが音楽好きを唸らせる彼の作品。発売から1カ月が立とうとしている今だからこそこのアルバムの魅力を伝えたい。筆者の意見ではありますが、今回は米津玄師にフォーカスを当てて、紹介していこうと思います。

米津玄師とは一体何者?

(出典:公式サイト)

類まれな音楽センスを持つ米津玄師が音楽に出会ったのは、小学5年生の頃。当時は流行していたFLASHアニメーションを視聴したときに音楽に対する意識に変化があったよう。そこから音楽にハマり、活動をしていくわけです。当時、10代のロッカー達の最高峰であった「閃光ライオット」にも応募しており若い時から積極的に活動していました。そして転機が訪れるのは、高校を卒業し大阪の専門学校に進学したとき。学校に通いながらバンド活動をしていたのですが、自身は個人主義な人間で人と一緒にモノづくりが出来ず、そのバンドは解散。ちなみに当時はベースボーカルを務めていたようです。バンドを辞めた彼が目をつけたのが”ボーカロイド”。ニコニコ動画で「ハチ」の名義で活動を始めるんです。もちろん作詞・作曲は自身で務め、ヒット曲を量産することになるんです。
(ハチ MV「パンダヒーロー」HACHI / Panda Hero)

歌唱こそ、合成音声VOCALOIDを使用していますが、リリックとミュージックは抜群です。サイト上での再生回数2000万回越えを頷ける出来栄えですよね。そういった活動経て、2013年にメジャーデビューを果たすわけなんです。彼の音楽性に直結しているのは、RADWINPSやBUMP OF CHICKENなどといった、邦楽ロック界の重鎮たち。彼らの音楽を聴いてきたからこそキャッチーで心地の良い音楽を提供できているのかもしれません。そして、もうひとつ忘れてはいけないのが文学的なリリックです。宮沢賢治や井伏鱒二を彷彿とさせる楽曲もあり、彼の世界観は文学から生まれているといってもいいのではないでしょうか。

今回のアルバムは最高傑作だ!

前述したように、11月1日に発売された4thアルバム『BOOTLEG』は最高の出来栄えです。コラボレーション楽曲やMVまで細部にこだわった作品が目白押しになっていますよ!ここでは筆者のオススメする楽曲をここで紹介したいと思います。

ピースサイン

(米津玄師 MV「ピースサイン」Kenshi Yonezu / Peace Sign)

まずはこの曲。3曲目に収録されている、「ピースサイン」です。TVアニメ「僕のヒーローアカデミア」オープニングテーマに起用されたこの曲はアップテンポでとてもキャッチーな楽曲なっています。「いつだって目を腫らした君が二度と悲しまないように笑えるそんなヒーローになる為の歌」という歌詞が筆者は好きなのですが、ここだけみると恋愛の曲に聴こえてしまうかもしれませんね。ただ何度も聴くと少し違って解釈できるんですよ。自分から友達への友情ソングにも聴こえますし、自分から自分への自身を鼓舞するようにも聴こえる。捉え方が何通りもある。そんな楽曲に思えるんです。シンプルで分かりやすいリリックがすーっと頭に入り、いろいろな感情を芽生えさせてくれる不思議な曲だと思います。リズムもアップテンポなのにどこか心地いいんですよね。そして、MVにも注目していただきたい。フィルムで撮ったような少し荒い画質に、光の作用が完ぺきなんです。米津玄師の作品は映像美にも注目することで、また彼の魅力に気付けるもしれません。

打ち上げ花火

(DAOKO × 米津玄師『打上花火』MUSIC VIDEO)

続いてはこの曲。映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』の主題歌として起用された「打ち上げ花火」です。この曲はリリックがとてもいい。聴いているだけで、映画の場面を思い出すことができる、最高傑作かなと思います。DAOKOと米津玄師の声がまたマッチしているんですよね。冒頭のピアノはどこか切なく、物語のプロローグを思わせます。そしてサビに向かうにつれ徐々に楽器隊が増え、一気にスパークする。完ぺきな構成なんです!ちなみに『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』は実写映画もあることはご存知でしょうか?1993年に奥菜恵主演で映像化されているのですが、その作品にもピッタリハマるんですよね。この曲。米津玄師の才能恐るべしです。

fogbound(+池田エライザ)

(出典:公式Twitter)

女優の池田エライザとコラボした楽曲は、曖昧ながらどこか温かい楽曲。インスタグラムで彼女の声を聴いて以来どこかがで一緒にできればいいと思っていたようで、その思いが実現した楽曲なんです。生憎、YouTubeに音源がなかったので、素敵な池田エライザのショットでお許しを…(笑)。この楽曲のいいところは池田エライザの世界観と米津玄師の世界観がシンクロしているところだと思っています。呟くように歌う彼女の声が完ぺきにハマっています。リリックも文学的な要素が多く、ひとつの物語を見ているかのような楽曲に仕上がっています。さまざまな色や感情を感じることのできる作品ですね。

灰色と青( +菅田将暉 )

(米津玄師 MV「 灰色と青( +菅田将暉 )」)

菅田将暉とコラボした「灰色と青」。この楽曲は文句のつけようがありません。今を輝く人気俳優の菅田将暉とのコラボは話題性もさることながら、楽曲のレベルの高さに驚きました。魂で歌っているような強いリリックとメロディー。サビの「どれだけ背丈が変わろうとも変わらない何かがありますようにくだらない面影に励まされ今も歌う今も歌う今も歌う」というリリックに共感と強さを感じてしまいます。MVには二人が出演しており、映像美も完ぺき。煙がいい味を出しているんですよ。とてもオシャレな作品に仕上がっています。このコラボレーションは映画「キッズ・リターン」のような楽曲を作りたかった米津が、俳優でありながら、どっかで自分と共通するものがあるような気がして頭から離れない存在だった菅田へ声をかけ実現したもので、奇跡のタイミングで生まれた曲なんです。二人の思いが強く反映された楽曲なので、私たちの胸に届くのかもしれません。


今回は米津玄師のニューアルバムにフォーカスをあてて紹介していきましたがいかがだったでしょうか。独特な世界観を持つ彼だからこそ創れる楽曲たちは、どれも素晴らしい作品です。どこか繊細で、どこか強い。このアンバランスさがたまらなくいいです。ボカロ時代から遡ることで、また彼の魅力に気付けるかもしれませんよ。俳優たちとのコラボや毎回新鮮な楽曲を届ける彼の活動から今後も目が離せません!


米津玄師公式サイト:http://reissuerecords.net/
米津玄師公式Twitter:https://twitter.com/hachi_08
米津玄師公式YouTube:https://www.youtube.com/user/08yakari?feature=watch

米津玄師のニューアルバムを1ヵ月間繰り返し聴いてみた。はミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。

ミーティア

「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着