和楽器バンド、デビューからの”軌跡”をたどるベストアルバムをリリース!メンバーが一番好きな歌詞は??【インタビュー】

和楽器バンド、デビューからの”軌跡”をたどるベストアルバムをリリース!メンバーが一番好きな歌詞は??【インタビュー】

和楽器バンド、デビューからの”軌跡
”をたどるベストアルバムをリリース
!メンバーが一番好きな歌詞は??【
インタビュー】

初のベストアルバム「軌跡 BEST COLLECTION+」

──今回初めてベストアルバムと名を打つ盤のリリースとなりましたが、どんな作品になりましたか?
鈴華:今回の作品にどういった曲が集まっているのかというと、目で見て楽しんでいただこうというコンセプトのもと、これまでミュージックビデオをシングルDVDとして出してきた作品を集めたものになっています。
和楽器バンドはこれまでシングルCDを出してきたわけではないんですけど、たまたま今までの映像作品を並べてみると和楽器バンドらしさがすごく凝縮されていたので、「あ、これがいいんじゃないか」ということで、初めて和楽器バンドを知っていただく方お届けするのにもすごくいいアルバムになりました。

──今回ベストアルバムのリリースに踏み切ったのは?
鈴華:それはメンバーで話し合って、デビュー4年目、出会って5年目のこのタイミングで出そうということで。それからこれまで応援してくださったファンの方もたくさんいらっしゃって、すごく私たちのファン老若男女そろっているので、新しい顔も見せていきたいなということで新曲も3曲入れたんですが、そのうちの1曲は今までにないようなミュージックビデオができあがったので、それも楽しみにしていていただければなと。

──楽しみにしてます。ちなみにどの曲でつくられたんですか?
鈴華:「シンクロニシティ」という曲で私が作詞作曲したんですが、今回は男女歌い分けの曲にしたのと、すごく世界観がジャジーな感じになっていて、本当に新しさを感じていただけるような作品になったと思います。

──先にこの曲の話が出たので聞いちゃうんですけど、ジャズっぽい感じっていうのは鈴華さんのピアノのルーツからきたテイストだったりするんですか?
鈴華:私がすごく影響を受けてるジャンルはクラッシックで、あとは親の影響でジャズはすごく深く聴いていました。どっちかというとロックを聴いてきてないんですね。私がつくる曲もみんなもそうなんですけど、ジャンルフリーな感じなんですよ。それをこのバンドに落とし込むと、こうなりました!っていうのが和楽器バンドのおもしろさかなと思っています。

──この新曲の3曲でいうとロックの中でもまた違ったテイストなんじゃないかと思ったんですけど、そういうところも皆さんらしさが出た新曲たちになるって感じなんですかね。
いぶくろ:それもそうですし、ベストアルバムみたいなポジションなので、逆に定番みたいな曲っていうのが既に前のところに入っていたりとか、ストレートなロックも結構入ってたりもしたので、その中で今回のベストアルバムに入れる3曲はちょっとまたそこの中とも違ったものをチョイスしたっていうのもあると思いますね。

──ではほかにも候補曲はあったけど、あえてこの3曲を選んだという感じなんですか?
いぶくろ:新曲はあと何曲あるんですか?
町屋:新曲ですか?
黒流:ストック。
町屋:ストックですね。だいぶ減りましたね、44曲ぐらいですかね。
いぶくろ:おお、だいぶ減りましたね。
神永:店の在庫みたい(笑)。
町屋:まだちょっと正確に棚卸してないので。
(笑)
いぶくろ:ストックは大体それぐらいある中で、またみんなが新しくつくってきて、その中でそのときにまた合ったコンセプトのものをだしていく状態なので。
鈴華:みんなで会議室で「今回はどれがいいかな」っていうのを、常に新曲だしながら。
いぶくろ:逆に昔作った曲が選ばれると、また新しい気持ちでみんな弾いて、新しい気持ちでアレンジしたりするので、また聴こえ方が変わったりしますしね。

──未発表曲の中でもライブでは披露している曲もあるんですよね。
いぶくろ:そういう曲もライブの中ではあります。でもそれって小編成の曲だったりとか、あとはカバーだったり、昔やっていたボカロのカバーで収録してない曲だったりするんですけど、そういうのは収録せずに。
町屋:今回の新曲3曲はあの…。
いぶくろ:初出しですね。ライブでもまだやってないです。
町屋:初出しなんです。それまで既発でだしている曲は14曲ですか?
いぶくろ:今回全部で…そうですね。
町屋:14曲にプラス4曲ですよね。プラス3プラス1?
いぶくろ:そうです。
鈴華:新曲が4曲入る予定になったんです。

──増えるんですね、1曲。
山葵:でも3…基本3…。
いぶくろ:CDのみ盤には別、もう1個ボーナストラックで。
鈴華:そうです。基本は3曲です。特典としてもう1曲入るものもあるっていうことぐらい。
山葵:その特典の1曲入る曲がもともと中国の楽曲を町屋がカバーしたんですね。

──へえ。どうしてCDバージョンにしか入れないんですか?もったいない。
山葵:そうですね。でも多分これからライブとかではやってくと思うので、そういうところでも楽しんでいただけたら…。
鈴華:曲数が多すぎて入りきらなかったんです(笑)。
和楽器バンドに大きな変化をもたらした曲はやっぱり…
──なるほど、ありがとうございます。この和楽器バンドの軌跡がつまっているベストアルバムですけれども、中でも特に、和楽器バンドさんに大きな変化をもたらした曲ですとか、何かのきっかけになったような曲は?
全員:「千本桜」じゃないですかね(笑)。
鈴華:まちがいない。
亜沙:「千本桜」が、再生数が非常に伸びてそれでいろんなお話いただけるようになったりとか、いろんな人が知ってもらうきっかけになったので、あれを出したのがやっぱり1つのきっかけですね。その前の「六兆年と一夜物語」「天樂」ももちろんすごく重要だったんですけども、この一連の流れが重要で、その「千本桜」で大きく変わってくれたっていう感じですかね。
いぶくろ:僕らのライブでは、お客さんがアンコールの代わりにそこに収録されている「暁ノ糸」っていうのを歌ってくれたりするので、それもバンド活動の中では大きな意味合いのある曲に今はなってますね。
山葵:曲順が僕らが作品を発表した順に並んでるんで、僕らの変貌とともに楽しんでいただけるかと思います。
鈴華:そうですね。

──ミュージックビデオもなんだか、お金がかかってきてる感みたいなのもありますよね(笑)。
鈴華:1番最初の「六兆年と一夜物語」のPVなんかは、ほとんど手づくり感でつくっていたりするので、それがまさかそのままこういうバンドになるとまでは予想もしていなかったような作品なんですね。なのでやっぱりどんどんどんどん協力者が増えて、クオリティが変わってきたり、やりたいことができるようになったりっていうのはすごく変化が見えるし、衣装の変化とかも楽しんでいただけるかと思います。
和楽器バンド 六兆年と一夜物語 PV

──確かに。
町屋:だって「六兆年と一夜物語」で僕が着てる浴衣、私服ですよ。
いぶくろ:「六兆年と一夜物語」ってでもあれみんな割と…。
神永:みんなそう、自分で持ち込んで…。
山葵:「六兆年…」のとき僕が巻いてた袴、いぶくろさんから借りたやつです。
蜷川:山葵の体の変貌具合も見てほしい。
山葵:ヒョロヒョロだったんですけど、(上を脱ぐ)
(笑)

──いただきました!今日は服着てらっしゃるんだなと思っていたんですよ。
黒流:ぬるっと脱がないで(笑)。
山葵:ちょっとどこかなってタイミングを…(笑)。
今日の背中の文字
──今日は背中の文字、書いてらっしゃらないんですか?
山葵:ここでいいんですか?(脱ぎながら背中を見せる→「軌跡」の文字)

──書いてる!すごい。“軌跡”にされたんですね。なるほど。今回の皆さんの衣装のポイントとテーマもお聞かせください。
鈴華:今回の衣装は「洋」にあえて寄せたりしましたね。「和」と「洋」の融合バンドなんですが、これまで「和」の要素のほうが多いことが多かったんです。
ただやっぱり和楽器バンドらしさを、今回のアルバムでもっといっぱいの人に広がっていただきたいという願いをすごく込めているので、そういった意味でも和楽器バンドらしさを中を見れば伝わるんですが、新しい一面でやってくぞっていう思いとかも込めて、ちょっと「洋」要素も増やして。あとは「シンクロニシティ」のミュージックビデオで着ている衣装でもあるので、見ていただくと納得するんじゃないかなと。ちょうどそういう大正ロマンというか…。
いぶくろ:なんで僕に聞くんですか(笑)。
鈴華:それぐらいの時代をイメージしたMVに仕上がっているので見ていただくとすごく、ちょうど日本もそういう時代があったじゃないですか、「洋」のものを取り入れて盛り上がる。それでこんな感じに仕上がったっていうのが納得していただけるかなと。

──なるほど。ミュージックビデオはどんな内容になってるんですか?
鈴華:歌詞の内容が、王道なんですけど男女入れ替わりのお話になっていて、今回は役者さんも使って分かりやすい物語がMVを通して展開されていきます。お金持ちの男の人と身分の違う女の人が出会って、男の人に口説かれるんですけれども、雷が落ちて入れ替わっちゃう。そのあとどうなっていくかっていうのがMVの中でも展開されていて、歌詞の内容もそういう内容になってたりします。

──この曲って「君の名は」からインスピレーションを得たりとかって…。
鈴華:それはないです。王道でずっとあると思うんです。こういう物語って。たまたま昨年それが流行ってっていうのがあったと思うんですけど、そういうわけでもなく、今までライブでした見せてこなかった男女歌い分けの曲でミュージックビデオを撮りたいなって私思って。何曲か書いている男女歌い分けの曲の中でみんなが「いいんじゃない」って言ってくれたのがこれだったっていう感じで。
町屋:これは最初にライブをやったときからこういう歌い分けをしていて、ずっとライブでは培ってきたものなので、おもて面にMVでっていうところでは今まで出てこなかったんですけど、ずっとやってきたものではあったので特に違和感なくできましたけどね。
鈴華:私たちとしては新しくないけど、多分和楽器バンドをなんとなく知ってる人にはすごく新しく見えるかもっていうとこですよね。

収録曲の中で1番好きなフレーズ
──皆さんが今回の収録曲の中で1番好きなフレーズを、選んだ理由と一緒に教えてください。
鈴華:私はもう新曲に込めた「マニュアル通りの人生bye bye」です。
いぶくろ:その理由は?
鈴華:「マニュアル通りの人生bye bye」は私のことなので(笑)。普通の一般の女の子として茨城県で育ち、自分は音楽大学に入学して、ピアノをやってピアノ講師をしていた人生だったの。歌手になるのは憧れだったけれども突然人と出会い、いつ何が起きて、いつの間にか武道館のステージに立ってっていう人生になったけど、私結構20代はほぼ、本当は年齢言いたいんだよな。
(笑)
蜷川:言っちゃえ言っちゃえ!
黒流:言うかい?いいよ。
神永:1人が言えばみんな言う。
鈴華:20代後半にデビューしてるので、普通は結婚とか出産とかそういう当たり前の人生があったりとか、いろいろあるじゃないですか。でも思い描いていたものよりもどんどんと予想外の人生っていうのが目の前にあって、それがどんどん実現していく中で、「私はこう生きるんだろうな」って思ってたのがマニュアル通りにはいかないので、そういうのはbye byeして思いきり私らしく生きようってすごく思ってるんです。だから今の私にはぴったり合ったフレーズだなって思いました。でも多分ここにいるみんなもそんな感じなので、それが和楽器バンドらしさでもありっていう。本当に出会ったときはみんな普通だったんで(笑)。
和楽器バンド / 「シンクロニシティ」MUSIC VIDEO

──師範をされてたりとか全然普通だと思えないですけど。でも結成された当初っていうのは今みたいに和楽器バンドとしての活動が大部分の活動時間占めるっていうことまでは考えてはいなかった…。
鈴華:私はみんなに声をかけたんですよ。バンド一緒に組もうって。それぞれ実はそのときにはバンドをもっていたりして、町屋さんもメインボーカルとしてやっているバンドがあったり、黒流さんも自分が歌うバンドがあったりとか、亜沙くんも自分で曲つくって歌ってって活動したり、それぞれバンド組んでたし、山葵も。みんなバンドを持ってそれぞれ夢をもって活動したんですね。そんな人に、自分が大事にしているバンドがあるけれども声をかけて、「このバンドでやってもらえないか」って言ったときに、それを最初からメインにしてとは言えないわけですよね。
ただ私は夢としていつかこのバンドに夢中になるような何かこうパワーをここで感じていたので、それをもっと大きくしてバンドメンバーにも返ってくるようなそういう人生の軸みたいなものがこの8人だったらできるんじゃないかなって思って。声をかけたのは私がファンになった人たちですよね、ある意味。華を感じた人たちに声をかけてるので、その軸になったらいいなっていう願いを実現させるために2012年ぐらいは必死で動いてました。そればっかり考えて。で、ちょっとずつちょっとずつすごく活動が増えていくと、みんなもだんだんこっちを見てくれるようになって、それをすごく喜びに変えて、またじゃあもっとそうしたいなっていうのを繰り返して、それがだんだん軸が太くなっていったっていう感覚です。

──ちなみに、最初から“この楽器がほしい”という構想っていうのはあったんですか?
鈴華:はい。詩吟の伴奏楽器が箏と尺八なのでそこはもともとアコースティックユニット組んでいたし、2人は一緒に夢をかなえるために絶対最後まで連れて行こうって常に頭の中で思い描くたびに2人は存在してたんで、勝手な思いなんですけどそれは別に2人がどうこう思ってるとかじゃなく、私が何かやるときにはいてほしいって思った楽器ですね。人でもあり。で、その中で彼らがもともとほかのバンドでも活動してるのたくさん見に行って、ライブとかも見に行ったんですよ。この人の。
神永:そう。一時期いっつも客席にゆう子さんがいたんですよ。「あ、また来てる鈴華さん」(笑)。
町屋:ファンじゃん。
鈴華:そう。でも何を見てたかっていうと、大さんのパフォーマーとかどこがカッコいいかなとか、ここに私の声入ったらもっとカッコいいのにとか、いいとこ取りだけすごい思っちゃうわけですよ。そうすると黒流さんがやってるカッコいいパフォーマーなんかもすごく惹かれるものがあって、“そういうものを凝縮したものをやれば絶対うけるっしょ”とかって思ってて、その中で必然的に和太鼓とドラムバトルっていうのは他のバンドでもやってたことがあって、黒流さんの考えでやられていたものをこのバンドでもそういう時間とかつくれたらすてきですよねっていう話をさせていただいて。最初は恐縮かなと思いながらも「いいね」って言ってくれたりとか。
だから必然的に、三味線も細棹とか中棹、太棹ってあるけど、やっぱり津軽三味線がよかった。そういうのもやっぱりいろいろもともとやってたのを見に行かせていただいて思ったことで、ギターもアコースティックじゃなくてロックがいいなっていうのも最初から思ってたから、彼(町屋)にそれを伝えてロックギター弾いてもらったりして。なんでもできるけどやっぱり自分の1番カッコいいところをロックギターで出してっていうのがよくて、この…多いけどどれも外せない楽器ではあります。
人生を謳歌する「謳」
──ありがとうございました。では続いて…。
いぶくろ:はい、 7曲目の「暁ノ糸」…。

山葵:とられたぁ。イントロでしょ?
いぶくろ:イントロ?イントロって何(笑)?「暁ノ糸」の、1節になっちゃうんですけど、「我等謳う空の彼方へ」から「君に届く様に」までの4行。…まる被り?
山葵:まる被りだけどどうぞ。
いぶくろ:ここすごくいいなと思ってて、どんどんと視野が広がってく歌詞の流れがきれいだなと思ってて。「空の彼方へ」って言ってそのさらに次の歌詞で「遥か流る雲の向こうへ」ってまたさらに1個遠くのものを出してからさらに「海を越えて」って言ってまた1個遠くに行って「虹を渡って」でそこを越えてやっと君がいるっていうふうになってて…。
町屋:すごいね。よくできてるじゃん。
(笑)
いぶくろ:この歌詞の中ですごいきれいだなと思ってて、「うたう」って漢字もただ単純の「歌う」じゃなくて人生を謳歌するの「謳」、喜びに満ちてる歌っていう印象がここからすごい受け取れてて、僕らがYouTubeとかを通して海外の人に発信できたのがすごい近いニュアンスを感じてますね。それこそこの曲出したぐらいから「空を越えて雲を越えて海を越えて虹を渡ってあなたのもとに届く様に」っていう歌詞みたいに海外活動増えたりとかした気がしてるんです。
で、この歌詞の流れがすごく視覚的にドラマチックできれいだなと思ってます。
山葵:はい。
いぶくろ:はい。
山葵:同じくですね、まったく同じ箇所なんですけど、歌詞の意味合いとかすてきなのは今言った通りなんですけど、あと僕らの活動を象徴してるようなことで好きなのはもちろんそうなんですけど、ここ2年ぐらい僕らライブのときのアンコールがお客さんからこの1節をこのサビをみんなで合唱するっていうのが定番になっていて、やっぱそれもあってこのメロディと歌詞を歌うと、耳にすると、そのときの「ああ、あのときのライブはこうだったな、あのときのお客さんはこうだったよな」とかいろんな思い出がよみがえってきて、そういう意味でもやっぱすごい思い入れがある歌詞となってます。

──ファンの皆さんって、どうしてこの曲をアンコールのコール曲に選ばれたんですかね。
いぶくろ:ゆう子さんが「みんな一緒に歌おう」って呼びかけたのが始まりだとは思うんですけど、あとはもしかしたらインタビューかニコ生なのか何かのやつで、「アンコールのときに歌ってほしい」って呼びかけたことがあるとは思うんですが…。
鈴華:ミュージックビデオのオフショットムービーで言ってました。
いぶくろ:オフショットムービーか。多分それを見たファンの人が号令をかけてくれて実際歌ってくれるようになったりとかして、そのままライブに定着していった。
──町屋さんはこの曲を書かれるきっかけというか、この曲を書かれるきっかけになったことって何があったりしたんですか?
町屋:もともともっと短い曲の予定だったんですよ。
──もっとですか?
町屋:はい。で、歌はメインじゃない想定だったんですよ。和楽器とかを聴かせるためのインストとして書き始めたんですけど、その中で最後にちょっと歌に展開して、短い分かりやすい展開のサビだけ歌をつけてっていうふうな感じでつくり始めて。
歌詞に関してはやっぱり海外公演があったんで、多分最初は2014年にフランスに行って、そのあとシンガポールそれから台湾があって、つくってたのが多分そのくらいの時期で、台湾に行くか行かないかぐらいの時期ですよね。
で、YouTubeのコメントとかでも海外のレスポンスが非常に多くて、僕和楽器バンド始めるまで海外に行ったことがなかったので、和楽器バンドの公演で初めて海外に行くようになったんですけど、そういう僕たちがこれからももっと羽ばたいていきたいっていう気持ちを、なるべく美しい日本語にまとめようとしてできあがった歌詞がこの歌詞になりますね。

「仕事は毎日3時(3時?!)」
──なるほど。もともとは演出にしようと思ってつくり始められたんですね。ありがとうございます。では続いて…。
神永:はい。曲被っちゃうんですけども、「シンクロニシティ」。1番最近にビデオを撮った曲ということもあって、ある1フレーズがずっと頭の中最近ループし続けてて、その場所が「仕事は毎日3時(3時?!)」って2人で掛け合うところがあるんですよ。ここがずっと頭の中でそればっかり流れてて、離れないんですけど、多分自分の中でこの3時の仕事っていうのは何なのかってことが多分ずっとすごい気になっちゃってるんで(笑)。
鈴華:ねらい通りだね(笑)。
いぶくろ:お金持ちの3時だからね。
神永:そうそうそうそう。ちょっとこれが気になってて、多分ぐるぐる回ってるのと、あとは撮影してたときの「3時?!」ってびっくりするときのゆう子さんの顔が結構本気でびっくりしてる顔で、ちょっと怖いんですよ。
(笑)
鈴華:怒ってるみたいな(笑)。
神永:多分「3時?!」って表情が印象に残っているのも相まって、お風呂とか入っててもずっとそこが鳴り続けて離れないんです。「仕事は毎日3時(3時?!)」って(笑)。
黒流:ファン目線だね。
(笑)
鈴華:浅いな〜(笑)。
神永:こういうのが1個はないと絶対だめだと思って。
黒流:バランスが?
いぶくろ:はさんだほうがいいよ。
神永:そんな感じです。

──確かに。思いました私も。3時?!って。
いぶくろ:築地の人とか、マグロ?
山葵:マグロ。
いぶくろ:マグロ漁師さん?マグロ釣ってる仕事なんですかね。
山葵:マグロはもっと早い。
町屋:マグロ…でも漁師さんは大体3時…。
蜷川:漁師だったの?(笑)
町屋:漁師の可能性あるよね。
(笑)

──朝の3時か昼の3時かもわからないですよね。
神永:これも分かんないんですよ。分かんないんです。
鈴華:そうなんですよ。私考えたときに絶妙なんですよ。昼の3時だと割とクズだし、朝の3時でも大変だし。
神永:特殊な仕事であることには変わりないよね。
鈴華:そう。3時で、仕事のためなのか、寝坊なのか、これからホストに行くためなのか、いろいろ想定できるのが3時だった。
神永:3が絶対おもしろいよね。ほかの数字をはめて考えてもね。そう1回全部自分ではめたんですよ。数字を全部。♪仕事は毎日6時(6時?!)♪とかってね。
全員:普通!(笑)
蜷川:割と早いんじゃないみたいな。
神永:3時がいいなって思います。
鈴華:前後の2時と4時だと語呂が悪いんですよ。
神永:そうだよね。

──なるほど。絶妙ですね。
蜷川:変な人。
鈴華:変な人だね。

「いつか醒める夢の居場所で 笑い合っていられる様に」
──MVの表情を楽しみにしてます。では、続いてお願いします。
蜷川:私も被ってるんですけど、「暁ノ糸」に「いつか醒める夢の居場所で 笑い合っていられる様に 重ね紡いでゆく」って言うフレーズがあるんです。
みんなと知り合って5年とかですけど、どんどん関わってくれる方とかが増えていって、そういったみんなの力で夢を見さしてもらっているなっていう意識がすごくあって、だから大きな人生の中でそういった思い出や自分ががんばったことが、こういう歌詞で思い出されるとすごくすばらしいことだなと思ってて。
和楽器バンド / 「暁ノ糸」MUSIC VIDEO

鈴華:いつかは醒めるから。
いぶくろ:いつかは醒めるから。
蜷川:まあいつかは醒めます(笑)。そういったこともあってここのフレーズとても好きだなと思ってます。

──いつか醒めるっていうのは、本当にどこか意識の中にあったり…。
蜷川:結構みんな芸歴とても長い人たちばっかりで、多分やっても結果って努力すれば必ず出るっていうものでもないけど、やればちゃんと結果として出て、それがこうみんなが関わってきてもらえるっていうのがとてもありがたい環境だし恵まれている状況だなというのはすごく感じているので、そういった環境の中でやれるっていうのはとても感謝していて、いい歌詞だなと思います。
鈴華:だから現実なんだけど確かに努力してもしてもできないことあるから、夢みたいなんだよね。
蜷川:そう。だからだめなときはやっぱだめって、みんなもそうだと思うんですけど、そういう中でもこういうふうにやれるっていうのはすてきだなと思ってこの歌詞を選びました。
「償うなら笑ってもいい?」
──なるほど。ありがとうございます。亜沙さんはいかがですか?
亜沙:好きな歌詞…なかなか難しいんですけど…。
鈴華:「僕は何も知らない」
亜沙:え?
鈴華:「何も知らない」
亜沙:「何も知らない」
蜷川:そこなの?
亜沙:いやそこじゃない。そうですね。あんまり1番って言われると難しいですけど、「Valkyrie」の歌詞作ってたときとか結構印象に残ってますね。2番のBの「ねぇ、罪は赦されるの? 償うなら笑ってもいい?」って歌詞があるんですけど、今世の中的に結構いろいろすぐ叩かれるじゃないですか。別にそんな大ごとにしなくてもいいのに謝罪させられたりとかするとか、それを長い間引っ張っちゃうこととか結構多くて。そんなに許されないものなのかな、みたいなことを思ってた時期があって。そのときにそういうことを思いながら書いたような記憶がありますね。
──「償うなら笑ってもいい?」っていうのはどういうニュアンスで亜沙さん的には書かれたところなんですか?
亜沙:法を犯したんだったら法で普通に法律で裁かれるだとかいろいろあるじゃないですか。例えば何が間違いを犯したときに法律で償ったとしたら、そのあとその人普通に社会復帰そのまますればいいけど、そうもならないじゃないですか。ずっと一生引きずっていったりとかするし。大きいものだったり小さいものだったりいろいろあると思いますけど、例えば不倫して問題を起こして復帰できる人もいれば復帰できない人もいたり、別に俺らに謝られても、俺らに関係ない話だから普通に復帰すりゃあいいのにって。もう1度やり直すことが許されない風潮があるみたいな感じで。もし償ったらもう1回以前と同じようにしてもいい?っていうようなニュアンスです。
町屋:まあ人の不幸でご飯がおいしいのは健全ではないですからね。
亜沙:っていう思いで書きました、マル。
(笑)

──ありがとうございました。
鈴華:アニメの曲じゃないんだ。
亜沙:いや、アニメの、もちろんアニメの世界、これ「双星の陰陽師」っていうアニメの楽曲だったので、もちろんその中でつくったんですけど、アニメの世界観にも合うし、現実世界でもこういうことあるなと思って書きました。
「いつまでも君まで届けよう」
──ありがとうございました。では黒流さんお願いします。
黒流:はい。いろいろたくさんあるんですが、今回新曲で1曲「拍手喝采」という曲を書かせてもらって、メンバー紹介曲のような、ベストアルバムを出すにあたってそれぞれのメンバーをソロをたくさん入れて、初めて見た人初めて聴いた人が、和楽器バンドが8人編成っていうことを分かりやすくしました。ソロに入る直前にはそれぞれの楽器に関わった歌詞みたいのを織り込んでいきたいなと思いまして、三味線の場合は「心の調弦 弾き正す」、箏の場合は「爪弾くこの両手で奏で消し去る」とかそのあとの尺八、2番になるとギター、ベース、ドラムといったかたちでそれぞれ楽器とかそういうものにちょっとかけて歌詞を書きました。
最後のサビのあとにはゆう子ちゃんから「絡んだ糸がまだ解けないなら」から「いつまでも君まで届けよう」というかたちで、代表してバンドの総意を歌うようなかたちで。
今まではそのときの“こういうの伝えたい”“ああいうの伝えたい”っていう思いで書いていましたけど、初めてリアルな部分で8人をどういうかたちで伝えるかというのを考えたっていうことが個人的には新鮮に感じて、リアルタイムで等身大なかたちでライブで伝えていきたいなと。これ実は歌詞の部分サビのところで「切った張ったこの世界は 思ってるより悪く無い」っていうのがあるんですけど、実は「シンクロニシティ」でもゆう子ちゃんの歌詞の中に「世界は思うほど悪くはない」って入ってまして。
作っている段階で気づいてたんですが、全く別々でつくった曲で同じことを言ってるっていて、それがベストに収録されるっていうのがすごく意味があるのかなと。やっぱりゆう子ちゃんも僕も同じで今まで4年5年やってきた中で今の和楽器バンドが伝えたかったことなのかなっていうのはすごく感じたので、被っても変えずにそのまま出そうって思いました。

山葵:黒流さん!この曲はそれぞれのパートでそれぞれの人のことを歌ってると思うんですけど、「切れた上腕で刻む打撃は 我 愛 迩(ウォーアイニー)」ってどういうことですか?
(笑)
黒流:これはあなただよ(笑)。さっきぬるっと脱いだあなたのそのまんまですよ。
山葵は中国語もしゃべれるんで、それもすごい上海とかですごく力になってるところがあって、俺が今まで国内でバトルでやってきたMCの流れを全部彼が上海では中国語でやってくれたりとかして。太鼓とドラムは一緒くたにしてるんですけど、山葵のことを何言おうかなと思ったら、“筋肉”と“中国語”っていうことで…。
山葵:我 愛 迩
黒流:「我 愛 迩」っていうのをやってもらえばいいのかな。今のベストを出すタイミングでは和楽器バンドそれぞれを紹介じゃないですけど出すのは意味があるのかなと、こんなかたちでつくってみました。

──なるほど。ライブ楽しそうですよね、この曲。
黒流:そうですね。また初めて見た人も分かりやすく見てもらえたらいいかなと思います。
「星群の臨界点 星群の臨界点 覗き込む望遠鏡」
──ありがとうございます。では最後に町屋さん。
町屋:はい。14曲目「雨のち感情論」の2番のサビの「星群の臨界点 星群の臨界点 覗き込む望遠鏡」ですかね。
──どうしてここを?
町屋:言葉がキャッチーです。
(笑)
いぶくろ:まあでも大事ですよね。
神永:プロの目線だ。
町屋:星空がばあっと広がっててそれを示すときに「星空」とかって大概言うと思うんですけど、なかなか「星群」っていう言い方はしないと思うんですね。1つ1つの言葉がそれぞれインパクトがあってコンパクトにまとまっている。キャッチーなところがすごく僕は大好きですね。シンプルですいません。

──確かに単語の選び方がさすがだなって思いますね。
町屋:1歩まちがったらお線香とかね。
いぶくろ:青雲ですね。
(笑)
鈴華:「青雲の臨界」やばい。
いぶくろ:けむけむだよ。
(笑)

最後に…
──ありがとうございます。では最後になるんですが、今回10代20代のユーザーが多いUtaTenのインタビューを見てくれた皆さんに1言お願いします。

山葵:まあ、僕の筋肉を見てもらえれば。
町屋:10代20代。

──そうですね。10代20代ユーザーが多いです。
鈴華:女の子が多い。

──はい、特に女の子が多いですね。
町屋:僕、昨日「くるりんぱ」を買いました。

──はい?
鈴華:髪の毛のやつ?
町屋:そう。髪の毛を…。

──着けたら勝手に巻いておいてくれるやつですか?
町屋:そうそうそう。
鈴華:長い人がやるやつだ。私も持ってるわ。
町屋:棒に差して引っ張るとくるりんぱってできるやつ。
鈴華:ポニーテール通してくるって回って、あれ使わなくてもできるんですけど。
(笑)
鈴華:ひっくり返すやつですね。私も持ってるもん。髪が長い人じゃなきゃできないよね。
町屋:そうですね。
(笑)
──終わりで大丈夫ですか?
町屋:若い子は使ってないのかな…。
神永:会話が…(笑)。
鈴華:それがまとめかよ(笑)。
和楽器バンドってすごくファンの方の年齢層が幅広いんですよ。なのでライブを見てると若い子でもお父さんとかと来る人がいたりとかして、その姿を見ると私いつも感動します。若い17、8、9の女の子が「父も好きで一緒に来た」っていう人とかを見ると、親子の絆とか繋がりがちょっとしたきっかけで広がったなって、うれしいなって思うときもあったり、若い子たちもライブいっぱい来てくれていています。私はこの和楽器バンド始めてから初めて女性ファンが増えたんですよ。
ファンレターいただくのも私それまではやっぱり男の人のファンが多かったけどこのバンド始めてからは女性ファンが増えてくれて、男性メンバーたくさんいるんで、その中で男子が好きなのかと思いきや女性の方もすごく見てくれて、確実に私は自分は教員免許とか持って教育実習とか行ってると、確実に生徒ぐらいの年齢差があるんですけど、みんなお姉さんとして応援してくれてたりするんですよ。
憧れのお姉さんみたいな感じで、ファンレター見ると書いてくれてる子がいて、だからすごくそういう子のこういう生き方もあるんだよっていう生き方をしたいなっていつも私はバンドっていうか個人的にすごく思っていて、そういう1つの選択肢でこうやって生きてる日本人の女性がいるんだっていう、なにかエネルギーとして称えられたらいいなっていう思いはあるんですね。
それは和楽器バンドとして始まったのは結構いろいろ経験したあとなんですが、この8人だからこそできるものっていうのをこれからも見せていきたいと思うので、ぜひ若い方にはおじいちゃんおばあちゃんぽいっていうイメージとかも和楽器自体にあったり詩吟自体にあっても、それは変わったって言ってる人もいるので。ライブとかに足を運んでもらって、大変だと思うけどね学生は。
だけど、一緒に1回でも楽しめたらいいなと思うのと、みんなカラオケでよく歌ってくれてるみたいなんで、いろんなジャンルの曲が和楽器バンドはあるので、そういったものも今後も楽しんでもらえるようにがんばっていきたいなと思うので、応援よろしくお願いしますってことですね。
──ありがとうございます。
神永:入り口としてこのアルバムのミュージックビデオをぜひ見てもらいたいですね。気に入る曲が中にあれば。
亜沙:映像を見るとまた歌詞の印象も変わってくると思うので、歌詞を見て気になった人はぜひとも和楽器バンドの映像を見てください!マル。

──ありがとうございました。
全員:ありがとうございました。

Photo 片山拓
プレゼント応募について
Twitterで応募するとサイン入りチェキをUtaTenをご覧の方に抽選でプレゼント!!
【応募方法について】
(1)UtaTenのTwitterアカウント(@utaten)をフォローをします。
(既にフォローしていただいている方はそのままで!)
(2)UtaTenのページにあるこの記事上下のツイートボタンからツイート。
※入力されている内容は消さないようにご注意ください!(追記はOK!)
(3)応募完了となります。応募締め切り後、当選者の方にDMにて当選の旨をご連絡致します。
※応募完了後であっても、該当のTweetの削除、UtaTenのフォローを外した場合、その時点で応募対象外となります。
Follow @utaten
Tweet
【応募締め切り】
12/10 21:00まで
【当選の通知方法】
締め切り後に抽選を行い、当選者には@utatenからDMにてご連絡いたします。
※ご自身のTwitterアカウントのDM設定をご確認ください!!

UtaTen

歌詞検索・音楽情報メディアUtaTen

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着