【“SAI”クイックレポ】RADWIMPS 
デビュー記念日に“大大大先輩”に捧
げた名演

ACIDMAN presents 「SAITAMA ROCK FESTIVAL “SAI”」 RADWIMPS
インドラムを背負い、フロントにメンバー3人が等間隔に並ぶシンメトリーな陣形が美しいRADWIMPS。やはり、「前前前世」に対する反応がすさまじい。切れ味鋭いエッジの効いたギター、メタルバンドのように硬質なリズム隊が、街なかやテレビで耳にすることの多いこの楽曲のイメージをアグレッシブに破壊する。
RADWIMPS
野田洋次郎(Vo/G)曰く、“大大大先輩”であるACIDMANは、彼らが12年前にデビューしたときからのレーベルメイト。そして、今日は奇しくも彼らのデビュー記念日だということが告げられると、客席から一斉に「お~!」というどよめきが起きる。
新規ファンが喜ぶ冒頭2曲に続いて、オールドファンにはたまらない「05410-(ん)」が鳴らされると、スタンドのてっぺんまで歓喜の拳が突き上げられ、それに応えるかのように桑原彰(G)は上手奥まで出張って客席に吠える。野田の“しっとりした曲”という紹介を受けて披露された「棒人間」だが、跳ねるように躍動するビートがこちらに黙って聴いていることを許さない。今のバンドの勢いを象徴するようなパワーに満ちている。
RADWIMPS

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と、実は、ここまではなんとなーく優等生的なステージ運びに見えた。野田からも観客の雰囲気を探っている感じが伝わってきていた。しかし、「先輩たちのために体力温存してんじゃねぇだろうなぁ」という、これまでの丁寧なMCから一変したラフな煽りをきっかけに変化の兆しが見え、「DADA」へ。武田祐介(B)までもが鳴り物を叩きまくったパーカッシブなイントロに導かれ、より感情が表出したパフォーマンスへと変貌していく。分かりやすいサビの歌詞がシンガロングを誘発し、勢いそのままに「おしゃかしゃま」をプレイ。間奏では野田のタクトによって、ギター✕ベース、ドラム✕ドラム、ドラム&ベース✕ドラム&ギターのバトルが展開していき、野田は左右を指揮しながら踊り狂う。そんな熱のこもったステージに観客は酔いしれ、次第に会場全体がひとつとなった。
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最後は、彼らのワンマンライブかと錯覚を起こしそうになるほどの大合唱が起こった「いいんですか?」で、まるで物語のようなエンディングを迎えた。野田は歌った。「いいんですか いいんですか こんなにACIDMANを好きになっていんですか」。いいんですっ!

取材・文=阿刀”DA”大志 撮影=AZUSA TAKADA、ヤオタケシ
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セットリスト
ACIDMAN presents 「SAITAMA ROCK FESTIVAL “SAI”」 RADWIMPS
1. 夢灯籠
2. 前前前世
3. 05410-(ん)
4. 棒人間
5. DADA
6. おしゃかしゃま
7. いいんですか?

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