【“SAI”クイックレポ】10-FEET 最
強のトップバッターがACIDMANに、“
SAI”に投げかけたもの

ACIDMAN presents 「SAITAMA ROCK FESTIVAL “SAI”」 10-FEET
入場前、会場近くのコンビニにいたファンが「屋内フェスとはいえ、雨は嫌だよね……」と話しているのを耳にし、心のなかで激しくうなずいた。しかし、今日の一番手が10-FEETであることはなんたる幸運。あいつらなら、雨の憂鬱なんて吹き飛ばしてくれる。
10-FEET
ACIDMAN結成20周年を記念した初のフェスということで、トップバッターには他のフェス以上の重圧がかかる。しかし、それと同時に、この日一日を自分たちのやりたいように方向づけることだって可能なんだ。「SAI」の舵取りは10-FEETに託された。
10-FEET
まっさらなステージの感覚と観客の具合を確かめるかのように、まずは1曲目「RIVER」をじっくりとプレイし始める3人。そして、間奏のコールアンドレスポンス以降、徐々に熱を高めていき、観客、そして自分たち自身を鼓舞するかのように演奏のギアを上げる。続いて、「ACIDMANと出会った頃の曲をたくさんやります!」というTAKUMA(Vo/G)の宣言どおり、「VIBES BY VIBES」「1 sec.」を披露。しかし、楽曲のテンションとは裏腹に、ACIDMANと連れ添った日々を回顧するかのようなエモさが漂う。
10-FEET
「今日出演してるバンドのなかで一番ACIDMANと仲がいい10-FEETです。今日出演してるバンドのなかでACIDMANが一番好きなバンド10-FEETです」という挨拶で笑わせた後は、ACIDMAN大木を真似たMCでさらに爆笑を誘う。「宇宙規模で言えば俺と大木は同じ……」といった具合。そりゃ笑うわ。しかし、これが単なるモノマネではないことに我々はまだ気付いていなかった。
10-FEET
「ヒトリセカイ」のあと、3人は後ろを振り返りもぞもぞ。何かと思えば、ACIDMAN3人のコスプレの準備だったのだ。3人が前に向き直った途端、その完コピぶりに場内は大爆笑。宇宙規模どころか、たまアリ規模でも10-FEETとACIDMANは同じになっていた。そして、奏でたのは「赤橙」のイントロ。なんとも粋なカバーだ。
10-FEET
最後は「goes on」で一気に駆け抜けたのだが、曲中にTAKUMAはKOICHI(Dr)に対してテンポアップを要求し、演奏はさらに加速。パンクバンドらしい激しさでステージを終えた。激情、追憶、バカ騒ぎ……あらゆるものが詰まった35分。それは、2007年に行われた対バンツアー『Trinity Trip』以降、10-FEETがACIDMANに対して投げかけてきた想いの塊だったのである。

取材・文=阿刀”DA”大志 撮影=石井麻木、ヤオタケシ
セットリスト
ACIDMAN presents 「SAITAMA ROCK FESTIVAL “SAI”」 10-FEET
1. RIVER
2. VIBES BY VIBES
3. 1sec.
4. その向こうへ
5. ヒトリセカイ
6. 赤橙 [ACIDMANカバー]
7. goes on

アーティスト

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