西野カナ、温もりを観客と共有 カラ
フルな音とダンスと心の饗宴

 色鮮やかに描かれたプロジェクション・マッピング。冬の気配が漂うユニバーサル・スタジオ・ジャパンで、白い光に包まれた黒い影が浮かび上がる。西野カナが奏でる歌声に宿った、優しさに包まれた強い芯。およそ5000人の観客が感じ取ったのは、心からの温もりだった。

 USJでは今冬、電飾数でギネス世界記録のクリスマス・ツリーを設置し、イベントを盛り上げている。今月16日夕刻、クリスマス・ライブショー「天使のくれた奇跡III~The Voice of a Angel~」が披露されたのに続き、西野のサプライズ・ライブが催された。

 幻想的だったクリスマス・ライブショー。ステージで織りなす冬の“奇跡”を描いた物語は、華麗なダンスと音の饗宴。白く透き通った衣装を着た“天使”が上空を舞い、クリスマス・ツリーは神々しくも優しくその場を包みこんだ。

 そして、紫色の光に導かれるようにステージに現れた西野。その登場に観客は喜びの声を挙げる。舞台中央に歩を進めると、白い光が西野を包んだ。背後のプロジェクション・マッピングが描いた世界はカラフルだったが、白い光の中で、西野の影はクリアに浮かぶ。まるで“天使のシルエット”のようだ。

 西野が披露したのは「Dear Bride」「トリセツ」「手をつなぐ理由」の3曲。メロディにリンクするように、右手側に設置された大きなクリスマス・ツリーは千変万化の輝きを湛えた。
西野カナ

 屋外のステージ。観客の座席となったアスファルトは時間を経るに従い冷たさを増す。ところが、集まったおよそ5000人の観客から冷えの気配は漂わない。3曲目「手をつなぐ理由」が描いた世界のように<♪なぜか身体が心で温もる>。“温もり”を届けようとする西野の気持ちに、観客の心はリンクした。

 サプライズライブを終えた西野は「こんなにロマンティックな場所で、貴重な体験をさせてもらい、歌もたくさん聞いてもらい、すごく幸せでした」と感無量の面持ち。同日には紅白歌合戦の出場が発表され、観客からは「おめでとう」のコールや拍手で祝福された。

 紅白歌合戦の出場に加え、12月30日にTBS系で放送される『第59回 輝く!日本レコード大賞』では「手をつなぐ理由」が優秀作品賞を受賞。もし大賞となれば昨年の「あなたの好きなところ」に続く連覇となる。

 15日には新アルバム『LOVE it』をリリースしたばかり。「みんなの中で思う『いいね』『大好き』、そういうものをイメージして作ったアルバム。今までで一番、カラフル」と仕上がりに自信をのぞかせた西野。ただ、クリスマスは「友人と集まり、ホームパーティーを開きたい」との願望もあるようだが、毎年、それぞれの都合が合わずに実現できていないという。

 この日のステージ同様に、新アルバムからは、人の心の機微が色鮮やかに浮かび上がる。今年7・8月にはデビュー10周年を記念した初のドームツアー『Kana Nishino Dome Tour 2017“ Many Thanks“』を開催した西野だが、2017年の彼女は、まだまだ慌ただしい。クリスマス、年末という一大行事を夢中で駆け抜けていくことになりそうだ。【小野眞三】

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