高橋優、ニューシングル『ルポルタージュ』インタビュー

高橋優、ニューシングル『ルポルタージュ』インタビュー

高橋優、ニューシングル『ルポルター
ジュ』インタビュー

ー それは心強い!そういえば今回は久しぶりに箭内道彦さんがMVの監督をされていますね。

そうなんです。『パイオニア』のMV以来かな。…3年ぶりくらいになりますね。時々箭内さんがメガホンを取るという構図(笑)。今回特に”素晴らしき日常”や”こどものうた”と同じで、定点カメラで歌っている姿を追い続ける。でもみんな繋がっている人たちだったので僕は本当にやりやすかったです。

ー さっき三浦春馬さんと友達だと言っていたけど、昔から?

昔から。6、7年前は色々な俳優さんとかミュージシャン男ばかり15人くらい集まって(笑)飲んでたりしたんだけど、その中に春馬くんもいて僕もいてという感じでした。その時、取り立ててすごい仲良しになったというわけではないけれど、事務所も一緒だからお互い連絡先の交換し合っていたんです。でもあまり僕がそういう集まりに顔を出さなくなっちゃって、最近聞いたら春馬くんも顔を出さなくなっていたらしくて。で、一昨年くらいに春馬くんと「久しぶりに飲みたいね。」って話になって、今ラジオを一緒にやらせてもらっている大倉(忠義)くんも含めて少人数で飲みました。だから何年かに一度お互いの近況報告をしている感じかな。

ー じゃあ“ルポルタージュ”のMV撮影の時も、結構話はした?

期間生産限定盤の特典DVDにMVのメイキングを入れる関係で、カメラをずっと回しっぱなしにしていたんです。カメラが回っているとお互い、意識しちゃう部分ってあるじゃないですか。

ー たしかにちょっと構えちゃうというか。

そうそう。だから「語り足りないね。」って言って、二人で収録が終わった後、飲みに行きました(笑)。

ー そういう時ってどんな話をするの?

序盤はわりと仕事の延長線上ですね。例えばMVを撮っている時、春馬くんもリップで合わせて“ルポルタージュ”を歌ってくれているシーンがあるんですが、「ああいう時、俳優三浦春馬は何になっているの?俳優のままなの?」とか。春馬くんも「ドラマの台本を読んでから曲を書くのって、どういう気持なの?」とか、お互いまさに今みたいにインタビューし合うみたいな感じで(笑)。

ー それは面白いね。

でも事務所が一緒だから、段々マネージャーの話とか現場のムードの話になっていって、最終的には趣味の話とか、男の子二人集まればこういう話になるよねっていう中二みたいな感じでしたね。

ー 楽しそう。

すごく楽しかったデス!

ー ところで最近やたらCMで優くんの曲を耳にするんだけど。

ありがとうございまーす!

ー c/wの”羅針盤”はアクサCMソング、前作のシングルに収録されてた”シンプル”は花王 ビオレ「スキンケア洗顔料」「うるおいジェリー」CMソング、同じく”白米の味”はJA全農あきた「あきたこまち」CMソングで。

JA全農あきた「あきたこまち」のCMって、ご飯食べたくなりません?

ー なるなる(笑)。

「あきたこまち」のCMはありがたいですね。連続ではないけれど3年担当させて頂いていて。CMのお話は頂いていたけど、まだCM自体は完成していない段階で楽曲が先に出来たんです。でもCM見たらああいう感じだから、もしかして曲を聴いてからCMのコンセプトが出来たんじゃないかと想像しているんですよ。

ー 確かに今までの「あきたこまち」のCMは優しい雰囲気のCMが多かったし。

そう!秋田美人が出てきて優しくほんわかした感じ。だからこれは行き過ぎた想像かもしれないけど、今回は”白米の味”に合わせて作ってくれた気がしていて。

ー だって完全に曲のリズムとカメラワークがぴったりだし(笑)。

勢い任せでガーってご飯を頬張る感じとか。

ー そうそう。

”白米の味”を作った時、多分OKもらえないと思っていたんですよ。イメージと違うって言われる気がして。でもちょっとイタズラ心が芽生えて(笑)。「こんな曲、出来ちゃいましたけど。」という感じで聴いてもらったら、意外と心がパンクの人が多かったのか「良いね!これでいきましょう!」と言われて、どんどん話が進んでいって出来上がった映像を見たら、ああいう感じでしょ(笑)。

ー あのCMは飯テロの一種だね。だって本当に美味しそうなんだもん!

だから個人的にはちょっと誇らしげな気持ちになりましたね。

ー それと今回のc/w“羅針盤”もアクサのCM。CM出演者みんなが曲を歌うって、CMとしてはあまりないケースだなと思ったんだけど。

あー、確かにそうですよね。なんだかありがたいです。アクサのCMコンセプトと理念を読んであの曲を書かせて頂いたんですが、嬉しいのはそういうタイアップを頂いた時に、自分が歌わんとしていることとそんなにズレていないところをスタッフが選んできてくれることなんです。高橋優としてのテーマに沿っているんじゃないかというお話を持ってきてくれるので、今回も自分の中でブレることはなく出来ましたし、どちらかというと自分の中の人生讃歌のような曲で、迷いなく書けました。

ー 着想の原点は?

僕らが普段見ているコンパスは絶対に北を指しているけれど、我々の人生にはそれはない。今、急に言葉も通じない、自分のことを知っている人が誰もいない場所に突然放り出されたらあなたならどうする?多分、歌い手なら歌い出して金を稼ぎ出すだろう。登山家なら登りだすだろう。言葉を生業としている人ならすぐその国の言葉を学んで喋りだすだろう。そういう状況を考えた時に、あなたのコンパスが見えてくるんだ……って、これ、 僕の好きな札幌のバーのマスターがよく言っている言葉なんですけどね(笑)。

ー 歌詞そのものだ!

そうそう。でも突然そういう場所に立った時に自分が何をするか。そこにあなたの人生の指針が向いているはずだから、分からなくなったらそれを想像しろ!みたいなことを、そこのマスターは言うんですよ。

ー 良いこというね。

僕がまだ事務所への所属が決まるか決まらないかくらいの時に、その人にそう言われて。2番のAメロ「見ず知らずの街 そこに一人ぼっち」ってまさにそのものですね。そうやって自分ならどうするだろうと考えた時、実際問題分からない部分もあるじゃないですか。

ー あるある。

もしかしたら物乞いとかしちゃうかもしれないし。でも、そこにはこうでありたいという理想もある。レコード会社の人間であればCDを作りたいと思うかもしれないし。そういう、自分の「どうしていたい?」ということを意識して進めば、きっとそっちの方に何かが待っているかもしれない。辛いことがあったとしても、人生のコンパス通りに前へ進めるんじゃないかという、そのバーのマスターの言葉が着想の原点です。

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