藤巻亮太、最高のバンドメンバーと共
に廻った全国ツアー終幕

 シンガーソングライターの藤巻亮太が18日に、東京・昭和女子大学 人見記念講堂で全国ツアー『藤巻亮太 Polestar Tour 2017』の最終公演をおこなった。同ツアーは9月にリリースしたサードアルバム『北極星』を引っ提げたもの。アルバム曲を中心に、アンコールを含む全21曲を披露し、観客を魅了した。
ライブのもよう(撮影=高田 梓)

 10月22日の大阪・Zepp Osaka Baysideを皮切りに9都市を回ったツアーのファイナル、会場が暗転すると、美しいアルペジオが奏でられ、“ファーストからセカンドの時期の自分そのまま”という、幕開けに相応しい楽曲「go my way」でスタート。「ツアーファイナルへようこそ! 生で初めて聞く曲が多いと思いますが、今日は音楽に身を委ねて楽しんでください」と藤巻が会場に呼びかける。そして「今日はソロになって初めて、DVD収録もしようと思っていますので!」という知らせに会場からは大きな歓声が上がった。

 アルバムのポップナンバー「波音」から、レミオロメンのライブ定番曲「南風」では、藤巻の「行くぞー!」という掛け声に、会場全体が手を左右に揺らし一体感が広がっていく。続く新作からのロックナンバー「紙飛行機」で会場のボルテージはさらに上がっていった。

 「レミオロメンからソロになって5年目なんですけど、今が1番充実していると思っています。始めた頃っていうのは上手くいかないことや大変なことが当然あって、ひたすらスタジオに通って曲作りをしていたんですけど全然曲もできなくて、それでも通っているなかでいろんな発見があって、その上手くいかない時期にちょっとずつ積み上げたものが、今の自分を助けてくれているような気がします。そんな時にできた曲を歌いたいと思います」というMCの後に、“冬の訪れ”という歌詞のフレーズも印象的な「優しい星」が演奏された。

 ドラムの玉田豊夢と、藤巻のアグレッシブなプレイから始まる「ハロー流星群」に続き、「かすみ草」では激しいプレイとともにステージバックにメンバーのシルエットが映し出され、会場は熱気に包まれた。

 「30代になりソロになって、沢山の出会いの中で様々な価値観に触れ、当たり前だと思っていたものが揺るがされ、壊してもらったことで新しいものに気付かせてもらいました。上手くいかないことを誰かのせいにするのではなく、自分自身が変わることが大事で、自分自身が目の前の鍵穴のマスターキーになれたら、鍵を開けて次の世界に行けるんじゃないか」と曲へ込めた思いを話して演奏された「マスターキー」、続く「月食」「another sotory」「愛を」では、藤巻の歌声が際立つ演奏に観衆は聞き入っていた。
ライブのもよう(撮影=高田 梓)

 「ソロを始めた頃は、どんなことをやりたいのか、わかっていなかった部分もあったんですが、気付くと、この『北極星』みたいなアルバムが作りたかったんだなと思うくらい、自信作に仕上がっています」「ソロは一人とはいえ、一人では何もできず、素敵な仲間にいつも助けられています。今日も素晴らしいメンバーと演奏しています!」と、バンドメンバーの河野圭(Key)、設楽博臣(G)、御供信弘(B)、玉田豊夢(Dr)を紹介。

 そして、アレンジに多彩なホーンが導入された最新作のレコーディングにも参加したタブゾンビ(SOIL&"PIMP"SESSIONS)と滝本尚志(ザ・ショッキング)を呼び込むとライブは後半戦に突入、賑やかなアンサンブルの「Have a nice day」でホーンの音が高らかに鳴り響き、「日日是好日」では、歌詞の“今日はいい日だな”というフレーズを藤巻がシャウトし、最高のバンドメンバーと迎えたこの日を思い切り楽しんでいるようだった。レミオロメンの「雨上がり」もホーンが加わった新たなアレンジで披露され、会場の盛り上がりは最高潮となった。

 続くMCでは、「2年前の夏に、実家の山梨に帰って、近くの公民館を借りて、そこへ楽器を持ち込んで曲作りをしていた時期があって。窓を開けると葡萄畑と桃畑が広がる甲府盆地が見えて、南アルプスがあって、自分が18年間育った景色がそこにあって。そこでの1番の出来事はレミオロメンの2人に出会ったことで、原点の景色を見た時に沸いてくる思いがありました。そんな思いを大事にしながら、また曲を作っていきたいと思います」と話し、「北極星」、そして「Blue Jet」というアルバムを象徴する2曲を熱のこもった演奏で披露し本編が終了した。
ライブのもよう(撮影=高田 梓)

 あたたかい拍手に迎えられたアンコールでは、復興支援および震災の記憶を未来に残していくことを目的に開催されている「ツール・ド・東北」のために書き下した「LIFE」、アルバムの最後を飾る楽曲「Life is Wonderful」、さらに鳴り止まない拍手に応える形で、藤巻の弾き語りによる「3月9日」を演奏しライブは終幕。最高のバンドメンバーとともに素晴らしい一夜となった。

 なお、この日のライブ映像作品のリリースについては、後日発表となる。
ライブのもよう(撮影=高田 梓)
ライブのもよう(撮影=高田 梓)
ライブのもよう(撮影=高田 梓)
ライブのもよう(撮影=高田 梓)
ライブのもよう(撮影=高田 梓)
ライブのもよう(撮影=高田 梓)
ライブのもよう(撮影=高田 梓)
ライブのもよう(撮影=高田 梓)

セットリスト

1.go my way
2.波音
3.南風
4.紙飛行機
5.優しい星
6.ハロー流星群
7.かすみ草
8.マスターキー
9.月食 
10.another story
11.愛を
12. Have a nice day
13.日日是好日
14.ゆらせ
15. 花になれたら
16.雨上がり
17.北極星
18. Blue Jet
EN.1 LIFE
EN.2 Life is Wonderful
EN.3 3月9日

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