写真:貴乃花光司 撮影/Route246 Wikipediaより ※トリミング(CC-BY-SA 4.0)

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ロマン優光のさよなら、くまさん
連載第96回 貴乃花が謎すぎる 飲みの席で酔っ払った先輩にあたる人間が後輩の言動(その内容の是非はおいといて)に対して怒りを覚え、つい手を出してしまい怪我を負わせてしまうという話は、力士の世界に限った話ではなく、日本中あちこちで起こっている光景です。事務所の待遇に不満を感じたタレントが社長にビンタをしてしまうという話が事実であったなら、それに比べて、本当に世間的に考えてありふれた事件で、相撲界独特のかわいがりとかそういう話ではないと思うんですよね。ビール瓶が使われたのか、使われてないのかという話に関しては情報が錯綜していますけど、それは本質とは関係なく、暴行を受けて怪我をしたという事実が問題なわけですから。
 それが「ああ、相撲界だなあ……」という感想を世間に抱かせてしまうようになったのは、報道されている貴乃花親方のよくわからない行動のせいだと思うんですよね。
 いったん相手の謝罪を受け入れて和解したのに、後になって警察に届けるというのは、時間の経過と共に症状が悪化してきて、その程度ではすまされないと改めて判断したということもあるので理解できます。しかし、既に警察の方に被害届を出しているのにかかわらず、協会からの聞き取りには、暴行の話は聞いていない、階段で転んだと聞いている、というような答えをしているのは不思議ですよね。被害届を出しているんだから、当然暴行の事実を把握しているわけですよね。協会も警察からの問い合わせがあったので聞き取りをしているわけで、そこで違う話をしたとしても意味がないと思うのですよ。休業届けの2日後に診断書が提出されるのも、普通に考えたら不自然なことですしね。
 そうやって謎めいた行動をすることで何の得があるかということについて、次の理事長戦を想定してライバルである伊勢ヶ浜親方を追い落とすために事態を大きくしたかったとか、協会全体の体質改善を狙って事態を大きくして世間の目を向けさせたかったということを考えることはできます。ただ、貴乃花親方は変わった人です。今までも真意がよくわからない奇妙な行動をとることがありました。そういう人のやることだから、単純に政治的な判断で動いているとも断言できないとも思うのです。政治的な動きだとしても、よく意味がわからない行動が多いのです。
 色々な情報が飛び交い、暴行があったという事実以外はどれが正しい情報なのか全くわからず、和解にしろ司法に委ねるにしろ普通の決着がつけばいいだけの案件だと思うのに何かもやもやとしたものがまとわりついていて、それを含めて相撲の世界だなあという気がしてしまうのですが、やっぱり貴乃花親方が一番不思議なのでした。
(隔週金曜連載)
写真:貴乃花光司 撮影/Route246 Wikipediaより ※トリミング(CC-BY-SA 4.0)
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ろまんゆうこう…ロマンポルシェ。のディレイ担当。「プンクボイ」名義で、ハードコア活動も行っており、『蠅の王、ソドムの市、その他全て』(Less Than TV)が絶賛発売中。代表的な著書として、『日本人の99.9%はバカ』『間違ったサブカルで「マウンティング」してくるすべてのクズどもに』(コアマガジン刊)『音楽家残酷物語』(ひよこ書房刊)などがある。現在は、里咲りさに夢中とのこと。
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