【Migimimi sleep tight
インタビュー】
ライヴハウスをダンスフロアーに!
さまざまな可能性を追求したミニアルバム『The Lovers』から約1年半。Migimimi sleep tightの世界観を決定付ける2ndミニアルバム『The Massive Market』が完成した。
前作の『The Lovers』リリース後、活動の勢いがぐんぐんと増していきましたね。
涼平
メンバーそれぞれにがむしゃらだったと思うんですけど、今回の作品を作るまでライヴで試行錯誤しながらすごく模索していたんですよ。この作品ができたことでようやく着地できたというか。
松本
“君の人生で一番泣けて、一番踊れるバンド”というテーマを掲げて、いろいろなジャンルの音楽を試した曲がたくさんある中で、エレクトロニックな音色を使いながらダンスミュージックに絞っていこうってなってきたんです。
宮川
ジャンル、サウンド、ステージでの観え方も前作以上に定まってきて、これがMigimimiのサウンドだって言える作品になっていると思います。
全6曲それぞれに魅力があるのですが、おっしゃるようにMigimimiの世界観がタイトになったというか、バンドとしてよりひとつになってきたようなところが良かったです。今回の6曲はどんなふうに選んだのですか?
涼平
BPM140前後の曲を選びました。「TREES ON FIRE」はちょっと違うんですけど、それ以外のアッパーな曲や、逆にミディアムテンポの曲は外しました。ライヴハウスで踊りやすいテンポなんですよ。
宮川
通して聴くと、1回分のライヴを観た感じになれる。
あぁ、なるほど。シンセをふんだんに使いながら、ライヴ感やバンド感も感じられるところも良かったです。
涼平
そこは狙っているところでもあるんです。「Workaholic」以外、同じギターで音色もあまりいろいろ使わずに録ったんですよ。別のバンドではギターもアンプも音色も曲ごとに変えるってことをやっているんですけど、このバンドでは“Migimimiのギターの音はこうだよね”っていうぐらいシンプルでいいと思って、そこは意識しました。
JOTARO
僕はシンセに抗うというテーマがありました。だから、どうやったらシンセに負けずにグルーブできるのか、シンセが鳴っていなくてもフロアーを踊らせられるのか、とか考えながらリフやフレーズを作りました。
松本
ドラムはフロアーのステップを止めないことを基本に考え、変なフックは入れずにシンプルを意識しました。
涼平さんが作った曲が“君”を求める想いをファンタジックかつロマンチックに歌っているのに対して、宮川さんが作詞作曲した「Workaholic」だけ…
宮川
全然テイストが違いますよね(笑)。現実味がある。サビの《今夜も定時に上がれそうにない》なんて他の人は使わないですよね(笑)。かなりインパクトがあると思うし、ファンの子たちが聴いても共感してもらえるんじゃないかな。
バンドの新たな一歩を示したという「MACAU:The Massive Market」ではどんな新しい試みを?
涼平
EDMではドロップと言って、いわゆるサビがシンセのメロディーになっていることが多いんですけど、普段ロックを聴いている人たちは“歌じゃないの?”と不思議に思うということが分かったので、「MACAU:The Massive Market」ではドロップのあとに歌メロのサビを加えてみたんです。ライヴで聴いてもらったら絶対楽しいと思うんですけど、こういう曲の作り方は今後、Migimimiの新しい武器というか、キャラになっていくんじゃないかな。
取材:山口智男