【vistlip インタビュー】
3カ月連続リリース第二弾シングルは
ギタリスト陣作曲の2タイプを収録!
3カ月連続リリース第二弾シングル「Timer」は、海、Yuhのギタリストふたりがそれぞれ作曲した楽曲を収録。同じパートながらまったく違った2種が提示され、各人らしさを標榜しつつも、この先を操舵するポテンシャルあふれる一枚に仕上がった。その辺りの話を海とヴォーカルで作詞の智が語る。
前作シングル「It」での瑠伊さん、Tohyaさんに引き続き、今作はYuhさんと海さんのギタリスト陣による作曲楽曲ですね。
海
同じパート同士が作ったとは思えないほど違った2曲で(笑)。お互いの自分たちらしさと新要素が合わさった面白いシングルになったんじゃないかな。片やニューメタルな感じの曲で、片やギターロックっぽい曲ですからね。下手したら全然違うジャンルのバンドの曲と思われちゃうかも(笑)。
前作の2曲と今作の2曲と4種別タイプの趣きがあり、この2枚で二部作のようにも見受けられます。
海
当初は3曲入りのシングルを1枚だけの予定だったんです。ところが4人各人が持ち寄った曲たちがそれぞれ良くて。せっかくだから2曲ずつ2枚に分けて出そうと。なので、ぜひ4曲とも聴いてもらいたいですね。
智
僕は作詞を担当していることもあり、一番最初に曲を選ばせてもらうんですが、その時点で2曲に絞り切れませんでしたからね。だったら2枚出そうと。
まさしくこの2枚は両A面というか、クアドラプルタイトル曲といった趣きですからね。
智
まさしくその通りです。最近はカップリングの存在感を気にしちゃうんですよね…。
それは?
智
僕らは決して妥協したものを作ってはいないんですが、世間的にはカップリング曲ってタイトル曲と比べると、どうしても埋もれがちじゃないですか。なので、都合上カップリング扱いの曲もありますが、自分の中では4曲とも全てタイトル曲だと思っています。
海
実は連続リリースにも意味があって。これら2枚の時期を離れて出しちゃうと、それぞれが独立して捉えられちゃうかもしれない。“vistlip変わったな”とか。それが嫌で。
今作も片やメタルとエレクトロの同居の「Timer」、片や美しさとダイナミズムの同居の「LEVEL 1」とタイプの違う2曲ですからね。
海
ある意味でアンバランスに感じるでしょうが、我々を知っている人からすると分かりすぎるぐらい分かるというか。“あぁ、あの人が書きそうな曲だ”って(笑)。
エレクトロメタルな「Timer」はYuhさん作曲で。
海
この曲、何度聴いてもすごいんですよ。バンド力のすごさや曲のパワーがいかにもYuhらしい。展開は激しいんだけど、ややこしくないし、勢いもあってサラッと聴ける。
智
箇所箇所で変化を付けながら曲にまとめていくのがYuhの得意スタイルなんです。それが発揮されてますよね。
あえてゴリッとさせ切らず、キラキラしたシンセの上ものをバランス良く同居させている部分も耳を惹きました。
海
今回はどちらにも寄せすぎず両立し合っていて、とても理想的で、今の自分たちが欲しかったところが収まっているんです。タテノリ感もシンセの存在感もギターのザクザク具合もそれぞれが邪魔し合わず、逆に引き立て合ってる。
その欲しかったところというのは?
海
ヘヴィな部分とシンセとの絶妙なバランスですね。いわゆる音源で聴くとカッコ良いんだけど、ライヴでやると勢いが足りなかったり、逆にパワー感が出すぎたり、きれいさを出そうとすると勢いが死んじゃったり…そこをこの曲ではクリアーできたかなと。シンセにしてもいつもはTohyaが担当なんですが、Yuhが自分でマニュピレーターさんと異様なまでに構築してきたものを作ってきて。この曲にかける信念を見ましたね。
智
その辺りに関しては、ようやくやりたいことに対して各人がスキルアップできてきたところも大きいですね。シンセの音色にしてもさまざまな人の作品を例に出しながら、いろいろと提案させてもらいましたから。
「Timer」の歌やリリックはいかがですか?
智
そもそものテーマは動画サイトで心にジーンとくる映像を観ていて浮かんだものなんです。人は愛しいものが亡くなっても、また繰り返し違うものを愛するし、いつかまた終わりや別れが必ずくるのに愛することを繰り返すのはなぜだろう…っていう疑問からでした。実はそれってすごいことなんじゃないかって。
この曲はMVでのブレイクダンスとバンドとのバトルも観どころですね。
海
実は今回は完全に曲のイメージだけで作りました。テーマが未決のまま進まなくちゃならない状況もあり、半ば賭けで挑んだところもあって。でも、いつかダンサーを入れたMVを作りたかったんで、それを実現しました。バンドとダンサーの対峙、各メンバー自分たちと向き合いも含め、勢いと躍動感、それをストップ&ゴーや隙間や余白を利用して描いてます。
対して、海さん作曲の「LEVEL 1」は美しい曲ですね。
海
頭のピアノのフレーズを作るのに1週間ぐらいかかりました。広がる感じの空気感が欲しくて、ストリングス嫌いの僕ですが、この曲ではあえて入れてもらっています。
曲も3分13秒と短い中にギュッと詰め込んでいるのも特徴かなと。
海
最初はもっと短かったんです。たけど、Tohyaから“この短さはおかしい!!”との指摘を受けて(笑)。間奏も排除し、最後にパッと終わる感覚が欲しくて。じゃないと逆にダラダラと長い曲になっていた懸念もありましたからね。
歌詞は普通にいい感じで、逆に違和感を覚えたのですが。
智
最近は遊び心も含めてパッと思い付いたことをテーマにして書くことも多くて。この曲はJ-POPで多く使われている常套句を集め、それをもとに歌詞にしたんです。
智
僕、歌詞にはすごく時間をかけてこだわって書いてるんですが、一般的によくある歌詞で書いたら、そもそも歌詞になるのかなって。あるんですよ、J-POPの常套句の上位をまとめたサイトが。
なるほど。なので、この曲の歌詞の最後はあのようなオチなんですね。
海
“これまででもっとも酷い歌詞だから”と渡されて、あのオチを見て大笑いしました。
智
おかげさまでこの曲の歌詞はかなり簡単にできました。それもあってタイトルも“LEVEL 1”にしたんです(笑)。結構J-POPの歌詞の主人公って、かけがえがなかったり、不器用だったりするんですよね。新たな発見でもありました(笑)。
取材:池田スカオ和宏
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シングル「Timer」2017年12月6日発売
マーベラス
- 【LIMITED EDITION(DVD付)】
- MJSS-09209~10 ¥1,500(税抜)
- ※初回生産限定盤
- 【vister(DVD付)】
- MJSS-09211~2 ¥1,500(税抜)
- 【lipper】
- MJSS-09213 ¥1,000(税抜)
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『10th Anniversary Tour Encounter the Phantoms』
~[Sequence of chronograph]~
11/24(金) 大阪・BIG CAT
~[the end of ORDER MADE]~
12/01(金) 東京・豊洲PIT
~[revelation space]~
12/03(日) 石川・金沢EIGHT HALL
~[GATHER To the THEATER]~
12/13(水) 北海道・札幌PENNY LANE
ヴィストリップ:2007年結成。リアルで等身大な言葉を紡いだ歌詞と、多種多様な要素を融合させた楽曲にキャッチーなメロディーライン、時折ラップも織り交ぜた他に類を見ないミクスチャー感を持つビジュアル系ロックバンド。ひと言では言い表せない世界観とメンバーの特異な個性が際立つパフォーマンスを武器にしたライヴは必見。結成日の7月7日にはZeppTokyoにてワンマン公演を行なっており、毎年たくさんのファンで会場は埋め尽くされる。vistlip オフィシャルHP
「Timer」MV