【ライヴレポート】BadeggBox5周年イ
ベントで「楽しい未来を描いていきま
しょう!!」

音楽レーベル『BadeggBox』設立5周年記念イベント<Bible-想像する未来はいつも楽しい->が11月7日、新宿ReNYにて開催された。同イベントではBadeggBoxに所属するThe Benjamin、怪人二十面奏、THE BEETHOVENをはじめ、過去に所属していたthe Sherry、ギガマウス、RUVISHが1日限定で復活。さらに、えんそくDear Loving、ミニーを褒め称える会(慎一郎[Vo],TφRU[G],リウ[B],K[Dr])、ADAPTER。、Dacco、慎一郎&杏太といったBadeggBoxと親交のあるバンドやアーティストが集結して、レーベル5周年を祝福した。
“お祝い駆けつけステージ”が設けられたフロア上手とメインステージとが交互に展開された約6時間は、熱演に継ぐ熱演が披露されて場内を飽きさせることがない。また、この日はBadeggBox代表のミネムラ“Miney”アキノリ(The Benjamin / THE BEETHOVEN)の誕生日ということもあり、会場は終始お祝いモードに包まれた。
▲THE BEETHOVEN


「<Bible-想像する未来はいつも楽しい->へようこそ! 今日は最高の1日にしようね!」──マコト (Vo)
こう高らかに告げたトップバッターはTHE BEETHOVENだ。「L・S・L・G」の重厚かつダンサブルなサウンドが場内を支配し、次々と繰り出される躍動感あふれる激しいサウンドと、耳に絡み付くような色気のあるマコトの歌声が観る者の心と体を解放していく。そんなTHE BEETHOVENのどこかレトロ感漂う妖しく魅惑的な世界に観客たちは酔いしれた。
▲コントラリエ


「短い時間ですが僕らのできることを精一杯やりたいと思います」──ぼん。 (Vo)
“お祝い駆けつけステージ”へ最初に登場したのはコントラリエ。12月20日発売のBadeggBox所属第1弾シングル「雪椿-ユキツバキ-」、The Benjaminメンバーの前身バンド花少年バディーズの「乙女桜」の2曲をアコースティックバージョンで披露するなど、初々しくも熱のこもった演奏と歌で聴かせた。
▲Dear Loving


Dear Lovingは胸をくすぐるポップなロックチューン「今世紀最大限のラブソング」でライブをスタート。“グリコサイン”で観客とひとつになる「グリコ」や、The Benjaminの「バスタオル」のカバーなどを熱演して場内を温める。
「何より今日一緒に祝えたことが嬉しいし、またこうやって一緒にステージで歌える未来を描いて頑張っていきたいと思います」──MASA(Vo)
リスナーの心に寄り添うようなサウンドと歌声でハートフルな空間を作り上げた。
▲慎一郎&杏太


慎一郎&杏太はThe Benjaminからツブク“Mashoe”マサトシをゲストベーシストに招いてステージを展開した。
「残念ながら我々は明るい曲がありません。少し暗い歌詞ですが、祝う気持ちはたくさんあります!」と笑いを誘って演奏されたのは「バースデイ」、花少年バディーズの楽曲より「落陽」。シンプルながらも温かなアコースティックサウンドと共に、少し影のある伸びやかな歌声で丁寧に歌い上げた。
▲RUVISH


大きな歓声とデスボイスで迎えられたのがRUVISHだ。「俺たちがRUVISHだー!! ぶち上がるぜ、東京―!!」と威勢よく煽り、「ININITY」から激しいロックサウンドで一気に熱を高めた。
「(1年8ヶ月での1日復活は)カッコいい/カッコ悪いあるけど、一番お世話になった人たちに何か恩返ししたいなっていう気持ち、それだけっす!」──レオン(Vo)
幾度となく笑顔でアイコンタクトを取りながら伸び伸びと演奏。久々のファンとの空間が楽しくて仕方ない様子だった。
▲えんそく


お祝いの気持ち全開で登場したえんそくは熱狂する観客にこう語った。
「わかるよ、キミたちの気持ち。みんなの幸せパワーを受けながら俺も絶対的ハピネスを感じてる」──ぶう(Vo)
Mineyがアレンジを手掛けた「流星雨」では、Mineyがキーボードとコーラスで参加し初共演。メンバー全員楽器を置いて横一列になって踊る「狂い時計のネジ巻きマキナ」では、ぶうの誘いに渋りながらも曲が始まった途端、センターで踊り始めるMineyに観客たちは大爆笑だった。
TЯicKY


スペシャルシークレットゲストとして登場したのは、謎の“とりん星”出身アーティストTЯicKYだ。「ちゃお!」と元気に挨拶し、ニューシングル「バナナの皮を捨てるな」を披露。
その間奏では「ミネムラさんからOKをもらいました!」とバナナをフロアに投げ、観客たちのハートを狙い撃ち(!?)する場面も。TЯicKYならではの一人エンターテイメントでお祝いした。
▲ギガマウス


ギガマウスは活動休止から半年ぶりの1日復活。
「新宿―! ギガマウスがやってきたぞー! 今日はBadeggBox5周年、派手に祝ってやろうぜー!!」──ライ(Dr)
BadeggBox所属第一弾シングル「GIGA SPEAKER」から凄まじい勢いを持って飛ばしていく。当時とは違い、同期モノは一切ナシ。とはいえ音の薄さを一切感じさせることなく、むしろ3ピースバンドとは思えない圧倒的なパワーと熱いパフォーマンスでギガ級のカッコ良さを観せた。
▲Dacco


続いての“お祝い駆けつけステージ”はDacco。ノーメイクにサングラスでステージに現れたLidaだが、その訳は“ものもらい”ではなく、Lida曰く「恋わずらい」なのだとか(笑)。
しばし漫才のようなテンポの良い掛け合いトークを繰り広げた後、歌いながらフィットネス並みの振り付けを観客と一緒に元気に踊って盛り上げた。
▲the Sherry


約3年ぶりの一日復活を果たしたthe Sherryは、黒を基調とした衣装に身を包み、シックで大人っぽさを醸して登場。KØU(Vo)が深々と一礼してライブをスタートした。
「ただいま、the Sherryです」とKØUが挨拶すると「おかえり!」の声が客席から飛び交う。大きな声援と嬉しさを全身で表現するファンの姿に、自然と笑みがこぼれ、一日復活に至ったこの奇跡を心から楽しむメンバーだった。明るい未来を歌ったthe Sherryの音楽は今も光り輝いたまま観客たちの心に届けられた。
▲ミニーを褒め称える会


慎一郎(Vo)&リウ(B)、TφRU(G)&K(Dr)、それぞれ花少年バディーズ時代の衣装を着て登場した“ミニーを褒め称える会”。選曲はもちろん花少年バディーズの楽曲だ。
ウスイ“Tacky”タクマがメインボーカルの「ブシドーマン」では武士の格好をしたTacky本人が、「未来へと」ではMineyがギターを持って登場して盛り上げた。ラストの「バナナ」では大小のバナナのぬいぐるみが飛び交い、当時のライブ定番の光景のまま演奏された。
▲ADAPTER。


神奈川県横浜市が生んだテクノ番長ADAPTER。は、「さあ皆さんはりきっていきましょ〜か〜! ハイッ!」と呼びかけ、ピコピコ・テクノ・サウンドとヴォコーダーヴォイスに合わせて観客が一斉に踊り出す。
曲中、福助。が「ハイ、どうぞ!」と掛け声で扇動し、観客たちは手を挙げたり飛び跳ねたり手拍子したり……会場がダンスフロアと化した。
▲怪人二十面奏


赤いペンライトがフロア一面に揺らめく中、颯爽と登場したのは怪人二十面奏だ。「愛増悪」の演奏が始まった途端、体を激しく揺さぶる観客にフロアが震え、昭和レトロ感漂う音世界へと一瞬にしていざなった。
「(所属して)1年半。素晴らしいレーベルなのはもちろん、ミネムラアキノリに魅せられた人間がこれだけいるっていうことです。最高にハッピーな空間にしようぜ!」とマコト。哀愁を抱いた躍動する甘美な世界観の中で観客は恍惚とした表情で踊り狂った。
▲The Benjamin


トリを飾ったのはThe Benjamin。TackyとMashoeの2人がステージに登場した後、シンフォニックの壮大なSEが流れ、神々しい雰囲気の中、ステージに現れたのはMineyだった。
結成以来、60年代のブリティッシュビートのポップでキャッチーなサウンドを根底に、世代を超えて支持を得る普遍的な音楽を生み出してきたThe Benjamin。この日もまた、良質な曲と歌と演奏で観る者の心と身体を躍らせるスタイルで、会場にいるすべての人をハピネスな空気に包み込み笑顔いっぱいにした。
▲セッション


アンコールは出演者たちが再登場し、5年前のこの日にリリースした「Bible」(花少年バディーズ / 1stアルバム『Bible』収録)を大セッション。“未来へ!未来へ! 二人で!”と幸せな未来を思い描き願う気持ちが綴られたこの曲を、各バンドのボーカリストたちが順番に紡いでいった。
「これからもみんなで楽しい未来を描いていきましょう!!」──Miney
と力強く言い放ち、最後はMineyの胴上げでイベントは終了した。
“想像する未来はいつも楽しい”──今、世の中は子供も大人も夢や希望を描けなくなっている。人生を楽しく生きるのも幸せになるのも自分次第。楽しい未来への鍵はいつでも自ら開けられるはずだ。それを証明するかのように、たくさんの笑顔に溢れたのが<Bible-想像する未来はいつも楽しい->だ。これからもBadeggBoxは音楽の持つ無限の可能性を信じて楽しい未来を想像、ファンと共に創造していくことだろう。
取材・文◎牧野りえ

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