F-BLOOD 久々ツアー初日に魅せた兄
弟ならではの深い絆とプロフェッショ
ナルなステージ
80年代に圧倒的な人気を誇った伝説のバンド、チェッカーズ。ロックやバンドを一躍メインストリートに押し上げた立役者の中軸として存在感を放ってきた藤井フミヤと藤井尚之の兄弟が、1997年に結成したのがF-BLOODだ。20周年を迎えた彼らは9年ぶりとなるアルバム「POP’ N’ ROLL」をリリースし、新作を携えた全国ツアーを開催。ここでは9月17日にZepp DiverCity(TOKYO)で行なわれたツアー初日の模様をリポートする。
尚之がアコースティックギターのチューニングを確かめ、1曲目「BLOOD #1#2」へ。フミヤが柔らかな歌声を響かせ、2フレーズ目からは尚之の歌声が重なる。ぴったりと息の合った美しいハーモニーに、最初から心を鷲掴みにされてしまった。
もちろんフミヤだって負けてない。華麗にステップを踏みながら、歌詞の世界観を身振り手振りを交えて情感豊かに歌い分ける。軽やかにくるくると身を翻しながらも、伸びやかで力強い歌声は決してブレることはない。のちのバラードパート後のMCで「腹筋が痛い」と笑ったが、それだけしっかりと腹式で歌唱している証だ。このライブを通じて、藤井フミヤがいかに類い稀なヴォーカリストであるかも改めて思い知らされた。
最初のMCで、10年近くも待たせてしまったことをファンに詫びつつ、「10年、変わってないよね。(ファンの)みんなもね。まあ、真っ暗だからわからないけど(笑)」と愛あるジョークのパンチを飛ばすフミヤ。すかさずしっかり者の弟・尚之がたしなめると、照れながら「なんか、俺らも初日だし慣れてないんだよ(笑)」と本音をポロリ。
「ゆるい感じで盛り上がって行こう」と誘い、ゴキゲンなロックンロールチューン「You Love Rock'n Roll」へとなだれ込んだ。「Want Chu」などのアップチューンが続き、会場の熱量はますます増してしていくばかりだ。
ライブは終始、新作のアレンジを手がけた大島賢治を始めとする3ピースバンド+藤井兄弟という、ごくシンプルなものだった。だが、プロフェッショナルたちが集まったクオリティの高い、密度濃いパフォーマンスは、それだけで満ち足りた気分にしてくれるのだった。
<放送日>11月24日(金)夜7:00[WOWOWライブ]
収録場所:東京 Zepp DiverCity(TOKYO)
【番組サイト】http://www.wowow.co.jp/f-blood/
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