yonige「さよならプリズナー」は過去の”愛の牢屋”での日々を彷徨う囚人になってしまった自分への決別宣言

yonige「さよならプリズナー」は過去の”愛の牢屋”での日々を彷徨う囚人になってしまった自分への決別宣言

yonige「さよならプリズナー」は過去
の”愛の牢屋”での日々を彷徨う囚人
になってしまった自分への決別宣言

yonigeのさよならプリズナー

yonigeはなぜそんなにも若い女の子の心を動かすのか。それには牛丸ありさが織り成す歌詞にヒントが隠されていた。yonigeの楽曲の歌詞のほとんどがノンフィクションであり、本人が実際に体験してきた恋愛について赤裸々に書かれ、生々しい感情を歌った歌詞に多くの女子達が共感しているのである。
その中身は、彼氏と喧嘩して投げつけたアボカドの事を歌った曲や、彼氏と別れた後悔を歌った曲など幸せとは思えないエピソードばかり。
また、タイトルに“さよなら”という言葉が使われている曲が多い。オーストラリアと日本のハーフという可愛らしいルックスからは結びつかないような、とても綺麗な恋愛とは言い難い着飾らない失恋ソングだからこそ聴く人の心に突き刺さるのだ。
「さよならプリズナー」は、9月20日にリリースされたメジャー1stアルバム『girls like girls』にも収録されており、過去に付き合った人との日々を歌っている。
このタイトルにも“さよなら”が含まれている。何度も繰り返される“なんでもない”と“なんでもある”というワードに隠された心情を紐解いていこうと思う。
「なんにもない」という歌詞からみえる本音

1番は“なんにもない”ことを綴っている。幾度と無く繰り返される二人の時間は、これと言って特別なものではなく当たり前にあるただの日常であって、些細なことの積み重ねでしか無かった。
そんな当たり前が突然消えた。相手を思うが故についてしまった嘘で大好き人の心に傷をつけてしまった大きなことでも、“なんでもない日”と言い切って強がる姿が眼に浮かぶ。
自分にも嘘をついている事に気づかないフリをして、傷つけてしまった相手にも弱い自分にもさよならを告げているかに思わせながらも、続くサビの部分では「君といた日々が愛おしい」「明日は何か変われているだろうか」と自分がしてしまったことに後悔をしているという本音を覗かせてくる。
「なんでもある」けど心は空っぽ

2番になると“なんでもある”という表現に一変する。『今まで一緒に住んでいたところから、なんでもある不自由の無い家に戻り、顔色ひとつ変えず当たり前だった生活を送り始めた』という風に動向を読み取ってみると、空っぽになった心が浮き彫りになってくる。
忘れようとしても消えることのない相手への思いと償いの気持ち。今更になって許してほしいだなんて思わないけれどこの大きな罪だけはどうにかしたいという願い、反省の意味が歌詞を通して伝わってくる。
真っ直ぐな言葉が心に響くyonigeの音楽

タイトルにもなっている“プリズナー”は、日本語に略すと“囚人”を指す。これを踏まえた上で、プリズナーの意味を知るとこの曲の全体像がはっきりとしてくる。
「牢屋のがまし」の“がまし“は“〜のよう”と言う意味があり、付き合っていた時の事を思い出すと、別れた後の暮らしは、過去の過ちに縛られ、檻に閉じ込められているように生き苦しかったという気持ちを読み解くことができる。
「さよならプリズナー」はそんな辛い経験を歌っているのだ。曲の終盤に向かっていくとその恋愛がトラウマになり、「もう二度と人を好きになれない気がしている」と言っているが、最終的には“次に会う時は他人でいる事が唯一の償いである“というひとつの答えを見つけるのである。
どんなに辛い経験があっても、前向きになろうとしているyonigeの歌の数々は、一見すると煌びやかなものには見えないが、嘘がない真っ直ぐな言葉達がキラキラと輝いている。
誰だって女の子は女優やモデルのような美人になりたいと願っている。あの人には叶わないと口に出しても、その裏では様々な悩みやコンプレックスと戦って努力をし続けている。
そういう頑張る女子を高みの見物で見守るのではなく、同じ目線に立って音楽を鳴らしているyonigeだからこそ、同性からも共感されるのだ。

アーティスト

UtaTen

歌詞検索・音楽情報メディアUtaTen

新着