7!! ベストアルバムで振り返る13年。
音楽は記憶の引き出し
Photography_西田香織
Text_真貝聡
Edit_金井悟
エンドロールで自分たちの名前が出た時は鳥肌が立ちました
MICHIRU : あっという間でしたね。(机に並んでいるCDを指して)こうやって見返してみると、出したな〜って思いますもん。
――そもそもデビューは7年目ですが、バンドの結成は14年目ですよね。
NANAE : こんなに続くなんて、まったく思ってなかったです。
MICHIRU : 元々、バンド自体もライヴを一度やったら終わりにする予定だったので。こんな十何年も一緒にいると思いませんでしたね。
――当時は高校を卒業したら、すぐにメジャーデビューできると思っていたそうですが、実際は7年かかりました。その期間はどうでした?
KEITA : それもあるし、デビューが23歳だったから「これ、普通に進学出来たんじゃね?」みたいな。
――大学や専門学校に行っても間に合ったんじゃないか、と(笑)。
KEITA : ただ、大学を卒業してたらバンド自体は続かなかったかもしれないけど。
NANAE : 違う目標が見つかってたかもしれないけどね。
――デビューした途端に目覚ましい活躍をしましたよね。2011年は『フォーリン・ラブ』、『ラヴァーズ』、『バイバイ』をリリースして、そのどれもが映画やアニメの主題歌に起用されました。
MICHIRU : 『フォーリン・ラブ』が主題歌になった映画(『高校デビュー』)を観に行かせていただいたんですけど、エンドロールで自分たちの名前が出た時は鳥肌が立ちましたね。「これが世に出すってことなんだ」って。
KEITA : 関係者だけの試写会というのが初めての経験だったし、東京もあんまり行ったことなかったから。そこで普段は会えない方々に囲まれて映画を観て、エンドロールで自分たちの曲と名前が出たときは感動しましたね。
――ちなみに『フォーリン・ラブ』をリリースした頃、MAIKOさんがハッピーターンを食べ過ぎて太ったエピソードがありましたね(笑)。
KEITA : 一時期、ブログでハッピーターンが大好きって公表をして。差し入れを貰いすぎて、ちょっと嫌いになりかけたよね(笑)。
NANAE : 「食べきれない」ってね。
――『ラヴァーズ』では、MVを撮るために朝6時から起きて、長時間の撮影という過酷な経験をして(笑)。
MAIKO : めっちゃ時間かかって。
KEITA : ああ、そうだ。
NANAE : すごい、その時にいたかのような記憶力ですね。
――念願のメジャーデビューを果たした1年目は皆さんにとって、どんな年でしたか?
NANAE : 『バイバイ』に関しては、アニメ『君と僕。』が沖縄でやってなくて。第1回目の放送をたまたま東京で観ることができて、MAIKOと2人で夜遅くまで起きて、私たちの曲が流れるオープニングを観て興奮してました。
――2012年には『スウィート・ドライヴ』がリリースされましたね。この年はキマグレンのツアーでオープニングアクトを務めました。
KEITA : ああ、そうだ。アコースティックツアーで俺が初めて、人前でアコギを弾くっていう。これはめっちゃ覚えてる。
MAIKO : めっちゃドキドキだよな。
KEITA : 梅田のライヴハウスだったかな、緊張しすぎてギターのフレーズが「タンタンターン」だったんですけど、震えすぎて「タタタタタタタタタン」って。
――北斗神拳みたい(笑)。
MAIKO : 逆にすごくない!?
KEITA : めっちゃ強くピックを握りしめているのに、落としそうになるくらいプレッシャーを感じてましたね。
MICHIRU : あったねー!
KEITA : 『スウィート・ドライヴ』のジャケットでみんなジャンプしてるのに、MICHIRUだけ腰引けてるじゃないですか。あれ、ぎっくり腰だったんですよ。
――え! 演出じゃないんですか?
MAIKO : 違うんですよ。ただのぎっくり腰(笑)。
MICHIRU : この撮影で初めて腰をやってしまって。
KEITA : 撮影始まる前にやったもんな。
MICHIRU : 「みなさん、トランポリンで撮影するのでリハーサルしてくださーい!」って言われて、跳んだ瞬間にギクって。まだ私服のままだったんですよ。
KEITA : 衣装にすら着替えてないっていう。
――あははは! ちなみにこの年は初の海外ライヴ、初のワンマンライヴも経験しましたね。
NANAE : インドネシアに行ったよね。
MICHIRU : インドネシアは楽しかったね、エネルギーが凄かった。
KEITA : 初ワンマンは原宿のアストロホール。
MICHIRU : 無我夢中すぎて、何を演奏したのか覚えてないな〜。
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の期待と不安を告白」
ミーティア
「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。