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Sugiurumn、6年ぶりのオリジナルアル
バム『May The House Be With You』
完成報告&全曲解説

世界で活躍する日本人DJ・プロデューサーSugiurumn(スギウラム)の6年ぶりとなるオリジナルアルバム『May The House Be With You』の7月リリースが決定した。
作品には、日高央(THE STARBEMS)、曽我辺恵一、畠山美由紀、Kram from Spiderbait、沖野俊太郎(Venus Peter)、ヤマジヒデカズ(dip)、日暮愛葉(SEAGULL SCREAM KISS HER KISS HER/LOVES.)、BEZ from Happy Mondays、吉村潤(ex.WINO)、Tomomi Ukumoriら10組が参加。また、彼がライフワークとしているクラブでのプレイ用に、ゆかり有るアーティストのREMIXも多数作成中。

畠山とコラボした収録曲「Lovely feat. 畠山美由紀 」は7月3日、アルバムは7月17日に先行配信予定。今夏はリリースツアーを開催し、またフジロックをはじめとした大型フェスへの出演も決定している。国内外でハウス・テクノシーンを騒然とさせてくれること間違い無しの、彼の新しいサウンドを見逃すな。

Sugiurumn コメント

こんにちは。Sugiurumnです。この度ワーナーミュージックより、6年振りにオリジナルアルバムをリリースすることになりました。前作はavexからリリースの"What Time Is Summer Of Love?(2007)"ですので、マジで6年振りです。その間、ボーカルトラックを集めたベスト盤、"Do You Remember That Night?(2010)"や、10周年として以前MIDIからリリースした曲をReconstructionした"Midi In Midi Out(2010)"、IbizaのPachaのMix CD"Live At Pacha(2007)(2008)"等ありましたが、オリジナルアルバムは6年振りです。

6年前はiPhoneもなかったし、制作で使ってたコンピューターはG4で、使ってたSoftもDigital Performerでした。アイディアがなかったり、曲が作れなかったりしたことは人生で一度もないです。いつでもアイディアがあるし、曲作りも早いです。じゃあなんで、こんなに間が空いてしまったのか。音楽メディアがCDからダウンロードに移行しはじめたり、クラブシーンもコマーシャルなものとシリアスなものとの2極化が進んでいって、メジャーレーベルからCDがリリースする意味っていうのが、会社もクリエイターもお互い難しくなっていったんだと思います。俺自身もDJとしては、よりTechnoに傾倒していってボーカルものをかける機会もめっきり減っていきました。これは俺や日本に限ったことじゃなくて、この2極化は世界的にそうだと思います。

にもかかわらず、今回のアルバムは初めて全曲ボーカルトラックです。トラックもずっとバンドのときから一緒にやってきたKeybordの高野勲くんと、ギターの平泉光司くんとエンジニアの柏井日向さんっていう10年以上一緒にやってるメンバーで今回も一緒に作りました。毎回、作品を作るときは今度こそ完璧なのを作って最後の作品にしようと取り組んできました。ところが作り終わるとすぐにまた新しいアイディアが閃いて、発売前には興味の対象が変わってしまうのです。それを繰り返してここまで来ています。でも今回、長い間出せなかったし、Sugiurumnのメジャーから出るアルバムはもしかしたらこれが最後かもしれない。そう感じながら作った作品なんで、DJで自分がかけることを前提に今回は作っていません。ただいい音楽、好きな音楽、自分の中にずっとある音楽と向き合って作ったアルバムです。これが自分のずっとやってきたセルアウトじゃないポップなものの集大成で、当然最高傑作だし、当然全曲踊れます。

レコード会社もMIDI→CROWN→avex→ワーナーミュージックと4社目で、さすらいのJリーガー、流浪のクリエイターって感じで肝は座っています。このアルバムをたくさんの人が気に入ってくれたら嬉しいし、そうなったらすぐにまた新しいアルバムを作ります(最後じゃないんかい)!!俺がElectric Glass BalloonっていうBandで初めてCDを出したのが1992年。あれから20年以上も音楽やってる。当時は技術もないのに志だけはいつも異常に高かったから、思ったようなものを作れたことは一回もなかった。届かない歯痒さみたいなのがあって、自分に対しても常に悔しかった。誤解を受けるかもしれないけど、20年以上やってきて、今は粘土を捏ねるように音楽がつくれるようになった。気持ちや想いみたいなものを音に込められるようになった。だから本当に今は音楽を作るのが楽しくて仕方がないんだ。今回のアルバムでElectric GlassBalloonのギタリストだった筒井くんも参加してる。筒井くんとはバンド解散以来、10年以上ぶりにあったんだけど、お互い成長してて嬉しかった。

ここ2年くらいは今まで一番多く曲を作っていて、リリースしてない曲が何十曲もある。それがBASS WORKS RECORDINGSを始めたきっかけだったんだけど、実際レーベルをはじめて、また違うことが面白くなってきてしまったって感じです。今はトラックダウンからマスタリングまでひとりで出来るようになって、今回、改めてバンドみたいに誰かと一緒に作ることの面白さを再認識しました。先行シングル「Lovely feat. 畠山美由紀 」配信は7月3日、アルバムCDリリースは、7月24日、先行配信、iTunesバンドルは一週間前、7月17日。よろしくです!!

Sugiurumn 『May The House Be With
You』全曲解説

01. 「Lovely feat. 畠山美由紀」
今でもみんなが聴いてくれている"Star Baby(2004)"をリリースしたのはもう10年も前で、あのころはDeep Dishの"Say Hello(2005)"やX-Press2の"Lazy(2002)"とか、素晴らしいボーカルトラックがシリアスなダンスシーンにバンバン投下されてました。当時、日本ではメジャーからリリースしてるボーカルトラックは、まだニューヨークっぽいのが主流で、ヨーロッパ的なのは少なかった。昔のオーキー(Paul Oakenfold)みたいなトラックって日本にないなあと思って作ったのを覚えています。あの曲は自分にとっても特別な曲で、AxwellがRemixしてくれて、スペインで1位にもなったし、Ibizaで乗ったTAXIでもかかってたんだよ。Star Babyを歌っている畠山美由紀さんが、今回また10年振りに歌ってくれたんだ。この曲は7月3日に先行シングルとして配信します。The SmithsみたいなHouseって面白いと思って作りました。情熱的な曲です。Wolfgang Gartnerとかでも歌ってるKellie Allenが歌詞を書いてくれました。畠山さんのボーカル、本当に素晴らしいんで楽しみにしていてください!!

02. 「Black Shadow feat. Kram」
オーストラリアの大親友、Kramが歌っています。彼はSpiderbaitってバンドをやっていて、オーストラリアでは国民的なロックバンドなんだ。以前にも"Boogie Nights(2005)"と"Don't Sleep(2007)"って曲を歌ってもらってるんだけど、いつも激しい曲ばかりだったから今回は違う感じでやってもらった。彼がNick Caveのトリビュートツアーの後に、そのノリで歌詞もその場で書きながら歌ってくれた。オーストラリアで録音してきたんだ。旅費は自腹ね。悲しくて深くて美しい曲。Kramも歌い終わったあと泣いてた。こんな曲、昔は作れなかった。

03. 「Soul To Sell feat. 沖野俊太郎」
Venus Peterの沖野くんが歌ってます。Venus Peterは当時、俺ら(Electric Glass Balloon)が勝手にライバル視してたんだけど、沖野くんとギターの石田さんとはJesus And Mary Chainのコピーバンドをやったりしてた。沖野くんのボーカルは本当にセクシーです。沖野くんと一緒にストーンズみたいな曲をやりたかった。

04. 「Stepping On A Flower feat. ヤマジカズヒデ」
ギターヒロー、dipのヤマジさんがギターとボーカルをやってくれました。ヤマジさんはmy bloody valentineよりもずっと前からあんな感じの音楽をやっていて、俺が高校生のときからカリスマで今回もギター録り、ワンテイクなんだけど、本当に凄かった!!

05. 「Disco Cat feat. 日暮愛葉」
彼女も僕がバンドをやっていたとき、SEAGULL SCREAMING KISS HER KISS HERっていうカッコイイバンドをやっていて、今回の歌詞もボーカルも本当にカッコイイ!! ボーカルが素晴らしくて、トラックをもう一回、ゼロから作り直した。今回のアルバムのコンセプトは"What Time Is Summer Of Love?"の日本版を作ろうと思って始めたんだ。俺がバンドやってたときから今まで音楽を続けてるひとと一緒に音楽を作りたかった。ほとんどのひとが辞めちゃったけど、今も続けてるひとはみんな本物になってるって思ったし、実際一緒に作業してそう感じて、みんな人間的にも素晴らしく成長してて本当になんか感動したし、リスペクト。

06. 「New Home feat. 曽我部恵一」
曽我部にはなんか縁があって、彼のバンド、サニーデイサービスが元々同じレコード会社で、Electric Glass Balloonのドラムだった晴茂が加入したり、再結成前の最後のアルバムを一緒に作ったり、彼のソロアルバムも何曲か一緒に作ったりした。今までのSugiurumnのアルバムでも"Weekend(2000)"と"Electrify My Love(2004)"って曲で歌ってくれてます。The Nationalみたいな音楽を作ってみたかった。

07. 「Manchester Strikes Back feat. Bez」
Happy MondaysのBEZが参加してる。Featuring Bezってたぶん世界で初めてだと思う。Bezに初めて会ったのは何年か前にHaciendaのPartyでPeter Hookと一緒に来日したときにホテルまで会いに行ったんだ。もうほとんど誰と会っても緊張することなんてないんだけど、そのときPeter HookとBezに会ったときは本当に緊張して自分にビックリした。彼らは俺にとって本物のヒーローだから、当時の自分に戻っちゃうんだ。一緒になんかやるなんて信じられなかった。まあ冷静に考えると今もだけど。Bezは本当に音楽好きだし、本当にカッコイイんだよ。あんな生き方誰も出来ない永遠のヒーローです。しかも今はもうマブダチ。

08. 「May The House Be With You feat. 吉村潤」
吉村くんはWINOってバンドを当時やってて解散ライブのときも、なんか俺も極まっちゃってステージに上がって客を煽って、楽屋に行ってもう1回アンコールをやってもらったりした。彼とも縁があって彼のソロアルバムも何曲か一緒に作ったり、一緒にサッカーチームをやったりしてた。Madchester版 Stardustって感じ。

09. 「Silver Rain feat. 日高央」
BEAT CRUSADERSをやっていた日高くんがボーカルをやっています。日高くんはSugiurumnでも"Galaxy(2005)"って曲で一緒にやったんだ。凄くしっくりきて、また一緒にやりたいって思ってたから実現して嬉しいんだ。日高くんも本当に声がカッコイイ。メチャセクシー!!

10.「 Long Long Journey feat. Tomomi Ukumori」
Ukumoriさんは今回、唯一バンドのときには知らなかった人なんだけど、縁があって、Born Slippyのカバー(2008)や、ベスト盤に収録した"That Night(2010)"って曲で一緒にやってる。こないだリリースした彼女のソロアルバムも一緒に作ったんだ。素晴らしいシンガーです。俺の世界で一番好きな曲は、The Cureの"Close To Me"って曲なんだけど、なんで好きかっていうと、この曲はなんか悲しいような、楽しいような、寂しいような、懐かしいような、なんとも言えないような気持ちになる。なんか人生ってこんな感じだったみたいな。そんな人生で最後に聴く曲を作ってみようと思って作りました。なんか映画アメリカンビューティーで最後、Kevin Spaceyが空をビュンビュン飛びまくるみたいなイメージ。

Sugiurumn 2013. 05. 30.

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