「Asia Fashion Collection」NYへ進
んだ3ブランドを発表

バンタンとパルコが主催する、アジアの若手デザイナーを発掘・インキュベートするプロジェクト「Asia Fashion Collection(以下AFC)」が10月15日(日)、東京・恵比寿のEBiS303で開催された。 
このランウェイショーは、ニューヨーク・ファッションウィーク(以下NYFW)に参加する日本代表デザイナーを決める国内最終予選でもあり、国内の参加デザイナーたちにとっては、夢へのチャンスを掴むための二つとないステージでもある。そんなスターダムステージに挑んだのは、計7ブランド。さらに、各国の予選ですでにNY参加が決定している韓国、台湾、香港の3ブランドをゲストに迎え、全10ブランドによるランウェイショーとなった。
 
700人に上る観客が見守る中、日本からアジアのファッション業界を担う若きデザイナーたちのオリジナルコレクションが代わる代わる登場した。
感情的な部分を繊細に汲み取り、少女性を残しながらも攻めるところはとことん攻めた「Fumiku」をスタートに、代わる代わるショーを彩るオリジナルコレクションたち。
 
“誰かが何かをするための服”をテーマに、すべてのルックに一貫したストーリーを感じさせた「YYUYY」、人の感情や街の景色など、五感で感じ取るものからのインスピレーションを見事に形にした「epi a la mode」。
「TSUYOSHI YAO」は、少女性を軸にしながらも、そこに付き纏う大人への憧れもデザインに昇華させた。旅をすることで得る経験やその時間の流れ、そして変化や成長という物語性も表現した「KENICHI」、常識にとらわれない装飾やパターンで、日常における旅のような楽しさと発見を追求した「Rier」、そして、都会の中に自然を感じさせることをテーマに、カラーパワーを駆使し、大胆かつ繊細にコレクションを彩った「AH」。
この7ブランドから、久保田雅也(株式会社ビームス 第1事業本部 BEAMS1部 ウィメンズ課 統括ディレクター)をはじめ、ファッション業界の第一線で活躍する審査員5名による審査により、NYFWへの切符を得たのは以下の3ブランドだ。
『Fumiku (フミク)』デザイナー林史佳(バンタンデザイン研究所 X-SEED)
『AH (エーエイチ)』デザイナー和中碧・HYOWON LEE(バンタンデザイン研究所)
『épi á la mode』デザイナー堤美穂 (デザイン研究所 X-SEED)
想いを乗せたコレクションで、観るものの心を強く動かした3ブランド。
涙ながらに、受賞の喜びと創作の苦労を語ってくれた彼女たちの想いを届けたい。
「言葉や文字で伝えられないショーの中で、自分の想いが込めた分だけしっかり伝わったことが嬉しい。本当に苦しいことの方が多い創作でした。ファーのアイテムはプレゼンの直前まで、ずっと納得できる最終型が定まらなくて…。」と苦労を語ってくれた『épi á la mode』堤さん。
最後の最後まで悩み抜いたアイテムには、「NYへ行けるかはこれ次第」と腹をくくって、とことん向き合ったという。来るNYFWに対しては、「コレクションを全部真っ白な服にしても伝わるくらいのデザイン性を突き詰めて、ブランドの厚みをより追求していきたいです」と意気込みを語った。
大胆かつ繊細な刺繍のドレスが目を奪った『AH』の2人は、涙ぐんで話すプレゼンの様子から、気持ちの高まりが垣間見られた。
「制約の多い中、すごくいい刺繍や絵を描いてくださった業者さんの想いを背負っていたコレクションだった」と、創作を振り返った和中さん。個人相手にはなかなか生地から作ってもらえることが少ない中、京都の刺繍屋さんが二つ返事で引き受けてくれたのだという。「やりとりしているFAXに、“NYへ行くぞ”ってエールを書いてくれたり、最後まで気にかけてくださった。この出会いがなかったら、とてもじゃないけどできなかった」と声を詰まらせた。
和中さんと2年前に同じクラスになり、志を共にすることを決めたというHYOWON LEEさんは、晴れ姿を韓国の家族に届けられたことを喜んだ。「二十歳の時に韓国から日本に留学して、今回初めて韓国の家族が見に来てくれました。私がやっていることをこういう形で家族に見せられて、本当に良かった」
今後の展望については、「韓国でも名前を知らせられるようなブランドにしたいです」と話した。
「2人でやるからにはとことん上を目指していきたいと思えた。コミュニケーションをとって、ぶつかり合っても諦めないこと。同じ方向を向いてさえいれば、絶対繋がっていられると思う」国籍を超えたタッグで賞を勝ち取った2人は、その強みとやりがいでインタビューを締めくくった。
今回のショーへの挑戦の以前と以降で、服作りやファッションそのものを改めて見つめ直したという『Fumiku』林さん。
「私は、ものづくりはすごく好きですが、撮影やショーをやりたいって気持ちはそこまで強く持っていませんでした。でも、実際に自分の服をまとったモデルさんたちがランウェイを歩いてくれるってこんなに嬉しいことだったんだと感じました」と、感動を語った。「服は、人が着てこそ完成されるもの。改めて服の本質に目を向けられたいいコレクションでした。個性的なディテールを考えるのは得意ですが、アイテムアイテムで見てしまう癖があるので、もっと全体を見て物語性を追求していきたいです」と今後の課題にも目を向けた。
アジア各国の若手デザイナーたちがしのぎを削り、代表デザイナーとしてニューヨーク・ファッションウィークでのランウェイデビューを目指すAFC。
次世代を担う計り知れない若き才能と、限界のない表現のパワーを痛感した全てのコレクションに激励を伝えたい。ニューヨークでさらなる飛躍を見せるであろう受賞デザイナーたちの第一歩を祝し、そして、参加デザイナー全てに、大きな期待とエールをこめて。

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