L→R KOUICHI(Dr&Cho)、TAKUMA(Vo&Gu)、NAOKI(Ba&Vo)

L→R KOUICHI(Dr&Cho)、TAKUMA(Vo&Gu)、NAOKI(Ba&Vo)

【10-FEET インタビュー】
“これで最後やぞ!”と信じ込ませて
制作に取り組んだ

「アンテナラスト」に感じた
新しい10-FEETの始まり

レコーディングはどうでした? 楽しかったですか?

NAOKI
いや、苦しかったです(笑)。ひとつの曲に対してのアプローチやったり、曲を膨らませていくのにどう自分を出していったらいいのか試行錯誤する時間も多かったし。「1 size FITS ALL」は頭の中に浮かんだベースラインがすぐかたちになったりしたんですけど、ずっとテンポの速い曲をやってきたので、「ウミガラスとアザラシ」とかテンポが遅い曲になると、そこからの広がりを見せるパターンも増えて、今までやってこなかった表現方法を出していかなきゃいけなかったんで。“どれがええんやろう?”って判断に苦しんだり。
KOUICHI
「ウミガラスとアザラシ」とかは待てないんですよ、体が(笑)。速いのに慣れてるから耐えるのに必死でした。今までで一番遅いテンポやと思うんで、ほんま大変でしたね。

5年振りのアルバムでやりたいこともあったのでは?

KOUICHI
ここまで出したシングル3枚でやれたこともあったし、アルバムで“これをやろう!”とか具体的なものはなかったですね。あと、4年振りに出した「アンテナラスト」で、過去のシングルではリード曲にしなかったであろう曲をリード曲にして、みんなに受け入れてもらったことで“新しい10-FEETの始まり”みたいな気がちょっとして。実際「アンテナラスト」以降、曲の作り方とか出したい曲とかも変わったと思います。
NAOKI
“久しぶりの新曲だから10-FEETらしい、激しいアッパーな曲がいいんじゃないか?”とか、意見も割れたんですけどね。約4年の期間が空いての新曲ってところで、勝負したい気持ちもどこかにあったし。「太陽4号」(2017年7月発表の17thシングル「太陽の月」収録曲)もですけど、ああいうテンポ感でシングル切ったのはあまりなかったし。「太陽4号」は緊張感のある曲やし、僕自身も今までやったことのないタイプの曲だったから挑戦やったし。そこからアルバム制作に臨んだ時、自分の中で新しいことをしなきゃという気持ちはあって…“こういう曲やったら、こういうフレーズだよね”ってところから、さらにもうひと掘りしたところでフレーズを探しながら作業を進めることができましたね。

そう考えるとシングルの存在って大きかったですね。

NAOKI
そうですね。僕らにとっての新しい部分も出せて、それを受け入れてもらえたのが、すごく大きかったと思います。「太陽4号」は未だにライヴでやる時に緊張しますからね。
KOUICHI
緊張する、雰囲気もあるし。
NAOKI
僕ら、突っ走ってなんぼのところがあるんで、KOUICHIが言ってたみたいに、前に出たい気持ちを我慢してます(笑)。

わはは。「Fin」というアルバムタイトル曲もありますが、今回アルバムに“Fin”というタイトルを付けた理由は?

TAKUMA
“ヒレ”と“ラスト”という両方の意味が入っていて…“ラスト”の意味だったら正確にはピリオドが付くんですけど。今回、自分が思い描いてる素晴らしい作品を作るには、これが最後と思わないと作れないなと思ってて。“これが最後やぞ!”って何カ月も前から役作りするくらいの感覚で自分に言い聞かせて制作に取り組んだんです。今までも毎回、最後くらいの気持ちでやってきたけど、“これが最後”と自分が信じてしまうくらいにならないと、思い描いてる作品にならないなと思ってたんです。なので、毎日毎日自分に言い聞かせて作りました。でも、“これが最後なん?”という意識で聴くんじゃなくて、より良い環境で、より良い気持ちで聴いてほしいという気持ちもあるので、アートワークではヒレのほうの“Fin”を出したりして。

そういう気持ちで作ってはいるけど、実際にこれで最後って話ではないですからね。

TAKUMA
ヒレっていうのは進むにも方向転換するにも重要やし、スキューバとかシュノーケリングをする時に足にフィンを着けるとめっちゃ潜れるし、スピードが出るんですよね。でも、自分で漕がないとフィンの意味はなくて。それと同じで、背中を押してくれる音楽があっても自分の力で動こうとしないとその音楽も意味をなさない。でも、自分で動きさえすれば、それはすごい追い風になってくれる。僕自身もそういう音楽に支えられてきましたからね。そういう力のあるものがひとつ生まれたらいいなという気持ちをタイトルに込めました。

歳を重ねると“これが最後やぞ”ってのが、よりリアルに迫ってくるところはありません? そこで“何が残せるんだろうか?”というところで、TAKUMAくんの歌詞には“今だから見える人生観”が散りばめられていると思いますし。

TAKUMA
そこはいい歳したおじさんでも、グッときたり、ジーンとすることが今もあるわけで。そこから生まれる、おじさんのブルースな感じで(笑)。でも、“みんな、いろいろあるよね”とか言いながら、それを共感できる仲間と飲んでる時の気持ちって、過剰に気にしたり落ち込んだり、過剰に意識してしまう思春期の頃の謎の気持ちにも似ているというか。おじさんになるとそういうことが経験値でカバーできるし、感動したり喜んだりしなくなって、へっちゃらになっていくんですけど、そういう気持ちもあるっちゃあるんですよね。ただ若い頃と違って、そういうのを俯瞰で見ることもできる。同世代がグッとくる曲を作れるのは、ある意味普通やと思うんです。だから、それを同世代だけやなくて、いろんな世代の性格が違う人に同じくらい伝えられたらすごい作品やなと思うし。そこで伝わった内容っていうのは、間違ってても構わないんですよ。どんなかたちでも刺さったり伝わったりしたら、それでいい。今自分が伝えようとしていることが、若い頃の自分に伝えることができたらすごいなと思いますね。同世代だけでなくいろんな人に伝わったり、面白いと思ってもらえたりしたら素敵やなって。

その子たちが5年後、10年後に聴いて、全然違う聴こえ方がしてくることもきっとあるでしょうし。

TAKUMA
音楽って不思議で、聴くタイミングで聴こえ方が全然違ってきますもんね。だから、“メロディーやリズムがいいな”でも何でも良くて、どんな理由であれ引っ掛かってくれたら、何年後かにもう一度聴いてもらえるチャンスも巡ってくると思うんです。『Fin』の曲たちがいろんな人に、いろんな聴こえ方がするアルバムになったのであれば、そういう経験をしてきたリスナーとしても嬉しいと思います。

取材:フジジュン
撮影:Cover & Artist Photo アミタマリ
Live Photo みやざきまゆみ

アルバム『Fin』2017年11月1日発売 BADASS/EMI Records
    • 【完全生産限定盤(DVD+グッズ付)】
    • UPCH-29268 ¥4,500(税抜)
    • ※10-FEET 20周年記念パスケース付
    • 【初回生産限定盤(DVD付)】
    • UPCH-29265 ¥3,500(税抜)
    • 【通常盤】
    • UPCH-20462 ¥2,600(税抜)

『10-FEET "Fin" TOUR 2017-2018』

10/31(火) 京都・KBS ホール
11/06(月) 茨城・水戸LIGHT HOUSE
11/08(水) 栃木・宇都宮HEAVEN'S ROCK
11/10(金) 山梨・甲府CONVICTION
11/12(日) 長野・松本SOUND HALL a.C
11/14(火) 長野・CLUB JUNK BOX
11/16(木) 群馬・高崎club FLEEZ
12/02(土) 山口・周南RISING HALL
12/04(月) 島根・松江AZTiC canova
12/06(水) 鳥取・米子AZTiC laughs
12/08(金) 岡山・CRAZYMAMA KINGDOM
12/10(日) 兵庫・神戸太陽と虎
12/12(火) 滋賀・大津B-FLAT
12/14(木) 奈良・NEVER LAND
12/16(土) 和歌山・SHELTER
12/18(月) 京都・MUSE
[ 2018年 ]
1/06(土) 香川・高松festhalle
1/12(金) 広島・BLUE LIVE
1/17(水) 福岡・DRUM LOGOS
1/22(月) 新潟・LOTS
1/27(土) 北海道・Zepp Sapporo
2/01(木) 東京・豊洲PIT
2/08(木) 大阪・Zepp Osaka Bayside
2/13(火) 愛知・Zepp Nagoya
2/18(日) 宮城・仙台PIT
2/22(木) 東京・Zepp Tokyo
3/01(木) 埼玉・さいたま新都心HEAVEN'S ROCK
3/03(土) 埼玉・熊谷HEAVEN'S ROCK
3/05(月) 千葉・LOOK
3/07(水) 神奈川・横浜F.A.D
3/09(金) 静岡・SOUND SHOWER ark
3/11(日) 静岡・浜松 窓枠
3/19(月) 三重・松阪M'AXA
3/21(水) 岐阜・club-G
3/23(金) 福井・響のホール
3/25(日) 富山・MAIRO
3/27(火) 石川・金沢EIGHT HALL
4/04(水) 北海道・苫小牧ELLCUBE
4/06(金) 北海道・帯広MEGA STONE
4/08(日) 北海道・釧路NAVANA DANCE STUDIO
4/10(火) 北海道・北見ONION HOLL
4/12(木) 北海道・旭川CASINO DRIVE
4/14(土) 北海道・函館club COCOA
4/20(金) 長崎・DRUM Be-7
4/22(日) 熊本・B.9 V1
4/24(火) 佐賀・GEILS
4/26(木) 大分・DRUM Be-0
4/28(土) 宮崎・WEATHER KING
4/30(月) 鹿児島・CAPARVO HALL
5/07(月) 山形・MUSIC 昭和 SESSION
5/09(水) 山形・酒田MUSIC FACTORY
5/11(金) 秋田・CLUB SWINDLE
5/13(日) 青森・Quarter
5/15(火) 岩手・盛岡Club Change WAVE
5/17(木) 福島・郡山CLUB #9
5/19(土) 福島・いわきclub SONIC
5/25(金) 愛媛・松山W STUDIO RED
5/27(日) 高知・CARAVAN SARY
5/29(火) 徳島・club GRINDHOUSE
6/09(土) 沖縄・宜野湾HUMAN STAGE
6/11(月) 沖縄・桜坂セントラル

10-FEET プロフィール

テン・フィート:1997年に京都で結成。現在も拠点を京都に置いて活動中。シンプルな3ピースという形態ながら、メロコアというジャンルではすでに括ることのできないその音楽性は、ロック、パンク、ヘヴィメタル、レゲエ、ヒップホップ、ギターポップ等のジャンルを10-FEET 流に取り入れて幅広い独自のものを確立、ロックシーンで確かな存在感を示している。また、年間約100 本近い精力的なライヴ活動も、その迫力満載のライヴパフォーマンス、人間味あふれる深いメッセージが込められた歌詞やMC、笑顔を誘い出すキャラクターで常に話題を振り撒き、エンターテイナー性あふれるその活動スタイルを徹底している。また、2007年から自身で主催する野外フェス『京都大作戦』(2007年は台風の接近のため中止)も大成功におさめている。10-FEET オフィシャルHP

L→R KOUICHI(Dr&Cho)、TAKUMA(Vo&Gu)、NAOKI(Ba&Vo) 撮影:アミタマリ
L→R KOUICHI(Dr&Cho)、TAKUMA(Vo&Gu)、NAOKI(Ba&Vo) 撮影:アミタマリ
撮影:みやざきまゆみ
TAKUMA(Vo&Gu) 撮影:みやざきまゆみ
NAOKI(Ba&Vo) 撮影:みやざきまゆみ
KOUICHI(Dr&Cho) 撮影:みやざきまゆみ

OKMusic編集部

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