パーティーは自分が楽しむ! 「泡パ
®」でおなじみアフロマンスにインタ
ビュー【前編】
これまで「泡パ®」や「マグロハウス」、そして「Burning Japan」など、既存の枠組みに捕われないパーティーを開催し、人気を博すアフロマンス。
その源になっているのは、“楽しさ”の追求。それはお客さんだけでなく、自分も楽しめるものを求めているというのだが、そこには様々な考えがあるようで……。冒頭の“素人だから”という言葉を含め、彼なりの哲学がたくさんある模様。
今回は稀代のパーティークリエイターの、パーティーに対する思いをたっぷりと聞いてみた。これからパーティーをやろう、やりたいと思っている人は必見です!
なにゆえパーティークリエイターに?
アフロマンス:「アラサー世代の音楽好きは、一度は洗礼を受けたと思うんですが、大学生の頃に見た『Big Beach Boutique』のライブ映像のハッピーな感じに完全にヤラれました。ただ、僕自身はそんなハッピーなイベントばかりやっていたかと言えば、そうでもなく……凝り性かつ飽き性なので、DJはやりつつも、映像をつくったり、ライターみたいなこともやったり、表現にもいろいろな手法があることを学びました」
Fatboy Slim: Big Beach Bootique 5 (DVD Taster)
アフロマンス:「音楽はずっと好きで、音楽をみんなで楽しむためにもっといいやり方があるんじゃないか、そう思ってトライ&エラーをしている中で、今みたいな形になっていった感じです。もともとみんなを集め、場を作ることが得意だったんですよ。音楽も好きだけど、僕よりもヤバいプレイヤーを散々見ていたので、当時は音楽と違うものを混ぜながらやっていこうと思ったんでしょうね」
アフロマンスのアイディアの源とは?
アフロマンス:「ネットで見て面白そうだからやりたいと思ったものもあるし、会話中にアイディアが生まれることもある。そういったものをストックしておいて、チャンスがあったらやる。“とにかくコレがやりたいからやる!”というよりは、ストックの中からタイミングで、ヒトやコトとうまくマッチングして形にしていることが多いです」
——アイディアだけでなく、タイミングが重要なんですね。
アフロマンス:「本音を言えば早く出したいんですけど、やはりいい機会に恵まれないとアイディアも活きないので。なかには2年ぐらい寝かせているものもあります(笑)。あと、アイディアに関してはいろいろな人と会って話すことが大事ですね。よく思うことなんですが、ジャンルが違う人と繋がっていない人って多い。僕はディープなところも、キャッチーなところも色々行くようにしてます。パーティーという意味では両方アリで、味付けが違う。どちらも面白さがあるんです。そういうところに発見があったりします。音楽でも、ダンスミュージック以外にアイドルやアニソン界隈とも交流して、そこで聞いた話をいつもの場にミックスしていくと面白いことができたりする。それこそ学生と話しているだけでも知らないことはいっぱいあって…… “いーしゃ”って知ってます?」
——知らないです……。
アフロマンス:「彼らは“いい写真”のことを“いーしゃ”って言うんですよ。そういった発見も面白いし、色々な人とコミュニケートしていると組み合わせたら面白そうなことってたくさんあるんです。実は交わってないところを繋ぐだけでも新しいアイディアになったり。パーティーも遊びに行かないと良さがわからない。だから違うジャンルとつながってないのは、もったいないなって思ってて」
マグロハウスはお寿司のCMから生まれた
!?
アフロマンス:「そうですね、行ったことはないですけど(笑)。“アレ、ヤバいよ”みたいな話を聞いて、見たら確かにヤバそうだなと思って。そのときも何がポイントだったかと言えば、ハッピーだったんですよ」
——ハッピーじゃないと面白いことはできない?
アフロマンス:「何事も楽しい方がいいじゃないですか。もちろん計画しているときにはしっかり考えますけど、その瞬間は楽しさ重視です」
——先日開催され大盛況だった「マグロハウス」も同じで楽しさ重視?
アフロマンス:「あれはもともとお寿司のCMがハウスのミュージックビデオっぽいって思ったのが発端ですね。寿司ネタが出てくる感じ、魚介のキレイな感じとハウスが合うと思って(笑)」
——それもまた意外ですが、これまで手掛けてきたイベントの中で一番印象に残っているものは?
アフロマンス:「『Burning Japan』ですかね。本当にたくさんの発見がありました。『泡パ®』にしてもそうなんですが、僕は自分が素人だからやれたと思うんです。もしも僕が『Burning Man』のフリークだったらやってなかったと思います。本物を見てしまうと“やるのは無理!”って思ってしまう。たとえば、中国雑技団とか、イビサなんかもきっとそうですね。でも、そういうことをみんな求めていて。すごい楽しいのはわかっているけど、無理と思って誰もやらない。『泡パ®』がまさにそうだったと思います」
Burning Japan 2014
アフロマンス:「世界のどこかでやっていることは、現実にできることなんですよ。すごいクオリティの本物を見ることで圧倒され、やるのは不可能なことだと錯覚してしまうんですが、僕は幸運にも見ていなかった。だから、自分の頭で考えて、できることからやり始めたんです。そこから今は、『泡パ®』にはイビサからAmnesiaのDJが毎年来てくれるようになって、彼らから『イビサでもDJしろよ』と話をもらったりする。とにかくまずはやってみないとダメで。実際にやることで結果として日本独自のものができたりもする。『Burning Japan』がそうで、海外の『Burning Man』ネットワークから面白いって言われているんですけど、なぜかと言えば日本独自のガラパゴス的な発展を遂げているから。日本人が得意な繊細なプロダクトが多かったりして、海外からは本場とは違った意味でスゴいねって言われたりしてます」
▽理想のパーティーは割り勘?”パーティー”に対しての思いや日本のパーティーシーンの未来など、続きは後編で!
続きをみる
PARTY CHANNEL(パーティーチャンネル)
おしゃれでパーティー好きな人のためのWEBメディア。
EDM、クラブ、フェスの最新情報からアーティスト・DJのインタビュー、イベントのレポート、パーティーシーンを彩る流行りのファッションやアイテムなど様々な情報を分かりやすくお届け。