【座談会】逹瑯(MUCC)、玲央+晁直(
lynch.)、千秋+SORA(DEZERT)、D'ER
LANGERを語る「“でけえ” “すげえ
” “強え”」

D’ERLANGER主宰イベント<ABSTINENCE'S DOOR>初日、彼らをよく知る3バンド5者による座談会を行なった。Tetsu発案によるこの座談会は“本人の居ないところで好き勝手に語ってくれ”というもの。そして、イベント初日の楽屋に集まってくれたのが、初日出演者からMUCCの逹瑯、DEZERTの千秋とSORA、2日目出演者からlynch.の玲央と晁直だ。もちろん、トリビュートアルバム『D’ERLANGER TRIBUTE ALBUM 〜Stairway to Heaven〜』、イベント<D’ERLANGER presents ABSTINENCE'S DOOR>の両方に参加するなど、D’ERLANGERメンバーからも愛されるアーティストたちである。
それぞれが持つD’ERLANGERエピソードは、記事に出来ない話が多分に含まれていたものの(笑)、筆舌に尽くし難い音楽的な凄味はもとより、メンバーの豊かな人間性が浮き彫りになるなど、オフステージやプライベートに関わり深いメンツだからこそのレアトークばかり。さらには、自身の道をひた走る3バンドならではのシーン論や互いの印象論など、約1時間の座談会は深く濃く、爆笑必至のものとなった。なお、司会進行役を務めたのはTetsu直々の御指名により、逹瑯。<VISUAL JAPAN SUMMIT 2016>でもMCの大役を任された彼のトーク術にもご注目を。
   ◆   ◆   ◆
■晁直くんのドラムに

■Tetsuさんをすげえ感じた──逹瑯(MUCC)
逹瑯:いや、そもそも俺に「司会やってくれ」っていうのもツッコミどころ満載で。だって、一番最後にトリビュートアルバムへの参加が決まりましたからね。Tetsuさん本人に「やっぱりどうしても出してくれ」と直接電話して決定したようなもんだから。
玲央:自分から?
逹瑯:そう、後出しジャンケンみたいに。みんなはどの段階で参加が決まったんですか?
▲逹瑯(MUCC)


晁直:うちは最初に連絡をもらったのが今年の2月ですね。「トリビュートの企画があるから」ってさらっと言われて、「あ、マジすか」と(笑)。
逹瑯:たしか玲央さんだったかな? 「受けるのも断るのも勇気が要る」って話してたの(笑)。
玲央:受けたら受けたで、錚々たるメンツが並ぶんだろうなっていう。
逹瑯:ってことは、まだ参加アーティストが決定していない段階だ。
玲央:そう。オムニバス形式のアルバムって、いろんなアーティストの音源が1枚に入るわけだから、比較されるじゃないですか。そこで世間の評価とか見え方も変わってくると思うんで、それなりのものをしっかりと出さないといけない。そういう部分で受けるにも勇気が要るし、断ったらその後の人間関係が……っていう部分で(笑)。
逹瑯:わかります(笑)。ちなみにトリビュートへの参加ってlynch.としては初ですか?
晁直:そう、初ですね。
【〜突然、D’ERLANGERのTetsuが乱入「あ、楽屋間違えた!? あれ?ここじゃなかったっけ、俺の楽屋」と言って嵐のように立ち去る〜】
逹瑯:あぁ、今からD’ERLANGERのリハですね。その前に様子を観に来てくれたという(笑)。で、DEZERTも初トリビュート参加でしょ?
SORA:いや、昔hideさんのトリビュートアルバム(※2013年リリース『hide TRIBUTE III-Visual SPIRITS-』)に。
逹瑯:嘘、マジで?
千秋:はい。ヴィジュアル系の若手が参加してもいいみたいなhideさんのトリビュートの時にちょっと。でも、そのあとで「一生トリビュートはしねえ」って言ってたもんね。
SORA:うん。
玲央:なんで?
千秋:なんか微妙だったんですよ。根本的に人様の、それもhideさんもD’ERLANGERも大好きなアーティストさんなので、そういう人の曲をやるっていうのはやっぱりプレッシャーがありますし。
玲央:ああ、さっき僕が言ったのと、たぶん同じ気持ちなんですよ。
逹瑯:でも、大好きだからこそやりたくなるじゃない?
千秋:その気持ちもあるし……でも生半可じゃできない。
▲Tetsu(D'ERLANGER)乱入時のPHOTO


逹瑯:大好きなアーティストのトリビュートに自分が参加しないってなったときに、なんかモヤモヤが残るじゃん。そのトリビュートアルバムに収録されてる他のアーティストのカバーを聴いたりしたらさ。で、今回のトリビュートアルバムは通して聴いたら全部よかったんだよね。晁直くんのドラムにすげえTetsuさんを感じた。「XXX for YOU」のスネアの独特なグルーヴに“Tetsuさん味”が。
玲央:そうそう! ドラム録りの後で、「これにギターをかぶせて」ってデータが送られてきたんですよ。それを聴いて、「え!? ほとんどTetsuさんのドラムじゃん! 寄せてるでしょ?」って思った。すげえ器用だなって。
晁直:もう真似するところはとことん真似しました。
逹瑯:あの曲を聴いてうちらが感じたのは、“TetsuさんとかD’ERLANGERのメンバーが聴いて嬉しかっただろうな”ってことで。結構、時間かけたんですか?
玲央:いや、強行スケジュールだったよね。2ヵ月間のツアー(<lynch. TOUR'17「THE SINNER STRIKES BACK」> ※6月9日のCLUB CITTA'を皮切りに8月11日の日比谷野外大音楽堂まで全27公演)がスタートするときくらいに正式オファーをいただいたんだけど、そのツアー終わる前までに音源データを納品しなきゃいけなかったんで。ツアー中のオフ3日間をフルに使いつつ、スタジオ入ってレコーディングもして、みたいな(笑)。
逹瑯:MUCCが今回のトリビュートに参加できたのはlynch.のおかげなんだよね。7月中旬ぐらいに「やっぱり出たい! まだ間に合いますか?」って、Tetsuさんに直接電話したら、「ちょっともんでみる」と。で、lynch.のレコーディングスケジュールが結構ギリギリで、葉月の歌録りが8月中旬じゃないとダメだったらしく。「逆に言うと、そこまでに音源があれば」ってOKをもらったから。MUCCもlynch.と同じ時期に同じようなツアーを廻ってたんだけど、調整して。lynch.のおかげで間に合いました。ありがたかった(笑)。
玲央:僕ら、ツアーの2ヵ月間は家に帰れなかったもんね。ツアー中盤の関東公演の先頭にドラム録りをくっつけたんだけど、1週間あるはずのインターバルが晁直だけ全部吹っ飛んで。
逹瑯:それでそんな不機嫌な顔になっちゃったんだ(笑)。
晁直:この顔はいつも。
玲央:あははは。「俺だけ帰れねえ!」って怒ってた(笑)。
逹瑯:その結果、ドラムに勢い詰まってよかったんじゃないですか?
晁直:まあ(笑)。
玲央:ギターはツアー中に録るしかなかったので、青森のホテルで一生懸命弾きました(笑)。
逹瑯:すごいなぁ。DEZERTの参加曲「MOON AND THE MEMORIES」はどうやって決めたの?
千秋:「D’ERLANGERさんのトリビュートの話があるけど、何やる?」ってSORAくんから言われて、「じゃああの曲で」って1秒ぐらいで。
逹瑯:1秒? 即決?
千秋:そうですね。<D’ER≠gari feat.DEZERT>のときに歌った曲なんですよ。
逹瑯:アレンジって誰がするの?
千秋:全員でやったんですけど、初めてあんなアレンジに。レコーディングではドラムも直さなかったし、ギターもいつもだったら俺がチャチャ入れたりするんですけど、出てきたもののままで。
逹瑯:なんで今回は煮詰めなかったの?
千秋:人の曲だから。
逹瑯:どうでもよかったのか(笑)?
千秋:違いますよ(笑)! 変に時間かけてもいいものにならねぇなと思って。錚々たるメンツっていうのは僕も予想してたので、アレンジに凝ったりするんじゃなくて普通にやろうっていう。あざーっす!って感じだけで、もう比べられるとか何も考えなかったです(笑)。
逹瑯:うちらも比べられるっていうことはあんまり考えてなかったっちゅうか。そう考える人も多いと思うんですけど、“最後にねじ込んでもらって申し訳ない”っていう気持ちだったから。もう、ほんとにメンバーさんに喜んでもらおうっていうことだけだった。
■“強い”っていうのが

■とにかく当てはまる──玲央(lynch.)
──実は、その逹瑯さんの直電がTetsuさんの印象に強く残っているようで、「逹瑯はトリビュートに熱かった。座談会の司会は逹瑯で」ってTetsuさん直々の御指名だったという。
逹瑯:そうなんだ。ただ、オレはD’ERLANGERの復活前って通ってないんだよね。だからトリビュート参加曲も復活後から選んだし。でね、今回のトリビュートアルバムを通して聴くと、1曲目のSE(UNDER THE PRETENSE Remixed by YOW-ROW)あるじゃないですか。あのメインのリフって、トリビュートアルバムのラストに収録されたDIR EN GREYの「EASY MAKE,EASY MARK」のギターソロの中でもちょっと使われてるじゃない?
玲央:アルバム『LA VIE EN ROSE』のオープニングSE(「UNDER THE PRETENSE」)のメロですよね。
逹瑯:なるほどね。両方の曲であのフレーズが使われてて、“ここ好きだな”って聴いてたんですよ。で、全曲リピートで聴いてたんだけど、2周目の頭のSEで、同じフレーズが出てくるでしょ。だから、頭とケツがリンクされててループ感がある。“なんだこのアルバムは、トリビュートなのにすごい”って感じてたんだよね。ところが、メンバーさんに聞いてみたら、「曲聴かないで曲順決めた」って。「入稿スケジュール的に間に合わないから、曲が上がってくる前に曲順を決めなきゃなんなかった。だから曲目だけで曲順を決めた」って。
玲央:へぇ~。それがたまたまオープニングとエンディングでリンクしてたってことは、たしかにすごいね。
▲玲央(lynch.)


逹瑯:D’ERLANGERって、そういうすごいところしかないもんな。D’ERLANGERのメンバーさんとはプライベートで関わりを持ってたりします?
玲央:Tetsuさんと晁直は“ドラム会”とかでいろいろ。DEZERTとD’ERLANGERは一緒にツアー廻ってましたよね。
逹瑯:どうだった?どうだった? <D’ER≠gari feat.DEZERT>は?
玲央:なんか嬉しそう(笑)。
千秋:「千秋は会ったら絶対ボコボコにされるから、会わないほうがいい」みたいなことを何年か前から誰からともなく言われていたんですよ。
逹瑯:ボコボコって、誰に?誰に(笑)?
千秋:あ、ボコボコって暴力的なのじゃなくて(笑)、シメられるみたいなことですよ。でも、実際はそんなことなかったです(笑)。
逹瑯:なんだー。初めてD’ERLANGERと一緒になったのは?
千秋:イベント<COMMUNE Vol.1>で、同じ年に<D’ER≠gari feat.DEZERT>で東名阪ツアーを一緒に。その大阪で「「MOON AND THE MEMORIES」をカバーして」って言われて、初めてこの曲を知ったんですよ、僕は。もちろん名前とか「LA VIE EN ROSE」は知ってたし、好きだったんですけど、一緒にツアーを廻った時も“D’ERLANGERっていうバンド、どんな感じやろな?”って普通にステージ袖で観てたっていう、そういう感じだったんで。
逹瑯:じゃあ、ツアーのときはそんなにメンバーさんと絡んだり遊んだりもしなかったんだ?
千秋:遊ぶって、どうやって遊ぶんですか?
逹瑯:kyoさんを誘うんだよ。
千秋:どうやって誘うんですか?……僕、受け身だから(笑)。
逹瑯:「kyoさん、飲みに行きましょう」って昼まで連れ回せばいいんだよ(笑)。kyoさんがたぶん最初はいちばん遊びやすいんじゃないの? Tetsuさんも若い子から誘われるの大好きだよね? SORAは今では飲みに行ったりしてるんだよね。
SORA:そうですね。僕も一緒のツアーでは普通に“やべえな”と思いながらリハとか観てましたけど。
千秋:何がやべえかわかんなかったくらい、やばかったんですよ。
▲晁直(lynch.)


逹瑯:うん、でかいよね。オレの中のD’ERLANGER像なんですけど、3つの言葉でD’ERLANGERを述べろって設問があれば、“でけえ” “すげえ” “強え”っていう(笑)。
一同:はははははは!
玲央:“強い”っていうのがとにかく当てはまる。
逹瑯:全部振り切ってるから何が強いって、音も強いし、インパクトも強いし、全部フルスイングだからすごいよね。晁直くんはTetsuさん大好きでしょ?
晁直:好きですよ。
逹瑯:俺も大好き、Tetsuさんのドラムが。あの人のことが好きなドラマーってたくさんいるけど、勢いばっかりフィーチャーする人が多いよね。でも、それだけじゃないじゃん。繊細なところはすげえ繊細だしさ。
晁直:勢いの中に繊細さがあって。繊細なことをやってるんだけど、その繊細なこともパワフルなんですよ(笑)。
逹瑯:そうそう、確かに(笑)。たとえばセッションで、Tetsuさんのドラムで歌わせてもらうとめっちゃ気持ちいいんだけど、なんせTetsuさんの生音がデカいから、他の楽器の音もデカくなる(笑)。だから、ここでずっと歌ってるkyoさんは大変だなって思う。
晁直:明日のトリビュートライブでセッションをやるんですよ。そのリハの音源をもらって聴いたんですけど、最初から最後まで点だらけ。つまりアタックのカタマリなんですよね(笑)。
■なるほど。でけえな

■失うものが(笑)──千秋(DEZERT)
逹瑯:lynch.は、これまでD’ERLANGERと一緒のライヴって?
晁直:2回ですね。特に打ち上げとかはなかったんじゃないかな。
逹瑯:じゃあ、普通にどっかで飲んだりとかしたことあるのは晁直くんだけ?
晁直:そうかも。あと誰かの誕生日会にメンバーのみなさんが来て、みたいな状況だったら何回かありますけど。
玲央:僕は、個人的にはサッカー関係者の繋がりで瀧川さん(CIPHER)と名古屋でご一緒したことがあって。
逹瑯:ミュージシャンの集まりでない時の瀧川さんってどんな感じなんですか(笑)?
玲央:すごく優しかったです。その日も、場の雰囲気的にすごく楽しかったですし、帰りにご飯をご馳走になって。先日対談して、「ああ、もう9年ぶりか」って、その時のことをけっこう覚えててくださって。
逹瑯:玲央さんはD’ERLANGERを通ってたんだね?
玲央:再結成前からだから、27年ぐらい前から。初めて知ったのは『BASILISK』を出したぐらいの頃で。
▲千秋(DEZERT)


逹瑯:復活前はアルバム2枚でしたっけ? それだけでの語り継がれ具合っていうか、伝説具合はあの時代感ならではっていうか。今、そういうのないですよね。DEZERTは今までアルバム何枚出た?
千秋:2枚です。
逹瑯:あ、今、解散すれば伝説になる。
千秋:勘弁してください(笑)。
逹瑯:今!今(笑)! アルバム2枚でしょ? うちらはもう伝説になる瞬間逃がしちゃったから。
玲央:それで18年後に再結成。
晁直:その間に3つぐらいバンドを。
千秋:なるほど。でけえな、失うものが(笑)。
逹瑯:でも、今の自分の状況と照らし合わせて考えるとさ、その時のD’ERLANGERの状況ってすごくない?
玲央:うん。しかもインディーズで1枚、メジャーで1枚ですからね。
逹瑯:夢があった時代だな。ところで、DEZERTとlynch.はほとんど絡みないんでしょ?
千秋:ご挨拶をさせていただいたことがあります。
玲央:2回イベントでご一緒してますね。
逹瑯:lynch.的には千秋のこと、あんまり好きじゃないでしょ?
玲央:あははは(笑)! そういう話がどんどん広まってるよね。
逹瑯:玲央さんは、ほら、厳しいから(笑)。この無法者(※千秋を指さして)は特に、ね。
玲央:周りが、そういう印象操作を勝手に固めて広めたでしょ。これはひょっとして、SORAくんとか気にしてないかな?と。だとしたらよくないなと思って、ツアー先の会場のスケジュール表に翌日公演がDEZERTって書いてあったから、差し入れを置いてったもんね、自分から言うのもあれだけど(笑)。
SORA:すいません(笑)。いただきました、レッドブルを。
逹瑯:SORAは気にするんですけど、千秋はたぶん気にしてないです。
千秋:いえいえ、もうガブ飲みしました、レッドブル。
玲央:その後、わざわざスタッフさんからお電話いただいて、「代わりたいって言うんで」ってSORAくんが電話に出てくれて。
逹瑯:SORAは先輩にかわいがられるタイプなんですよ、きっちりしてるから。これ(※SORAを指さして)がいなかったらもうDEZERT、終わってるんですから。
玲央:それ、すごいわかる。
一同:はははははは(笑)。
▲SORA(DEZERT)


玲央:でも今日の話を聞いて、逹瑯くんが千秋くんのこと、好きなんだろうなーってこともすごくよくわかった。
逹瑯:千秋っすか? まぁ普通っすね。最近こういう感じ、いないじゃないですか。みんな真面目っちゅうか。千秋も真面目なんだけど、なんか変な感じっちゅうか。
玲央:うん。トリビュートの音源を聴いて、歌だけですごく勝負してるから、たぶん根は真面目なんだろうなって。
千秋:ありがとうございます。
玲央:自分たちからの発信なのか、周りなのかわからないけど、破天荒な印象操作をされてるんだろうなって。
逹瑯:アホなこともすごくするから、煙たがられるっていうか、そこばっかりクローズアップされるんじゃないですかね。でも、たぶんこいつが作った鍋とか灰汁だらけだと思いますよ。
千秋:オレ、めっちゃ灰汁取りますよ(笑)。
玲央:でも、褒めすぎるとDEZERTにとってマイナスプロモーションになるといけないから、あんまり褒めないほうがいいのかなって思いつつ(笑)。
逹瑯:葉月もそんな感じじゃないですか?
玲央:それを言うなら逹瑯くんもそうですよ。だって僕、最初に聞いてた印象は、すごく良くなかったよ。
逹瑯:どんな話ですか(笑)!?
玲央:僕が知り合ったのってけっこう最近でしょ、2010年とか。僕がバンドを休んでる時にMUCCがバーンとシーンに出てきて、とんとんとメジャーデビューしていく感じだったから、すれ違いだったんですよね。で、僕、よくMERRYのガラくんと遊んでて。
逹瑯:あいつは僕のことを悪く言いますからねー。
玲央:ガラくんと遊んでる時にすごく携帯が鳴ったんだけど、「逹瑯だ。出ないでいいや。今、玲央さんいるし」って。ずーっと鳴り続けるの。
逹瑯:出るまでね。
玲央:そう。で、「いい加減出たら?」って言うとガラくんが電話に出るでしょ。「もしもし。何の用?(←ガラ)」「なんで電話に出ねえんだよ!(←逹瑯)」、で、電話が終了するっていう(笑)。
一同:あはははは!
玲央:「すごい子と付き合ってるんだね、君は」って言って。「いや~、でも逹瑯、かわいいところあるんですよ」って、けっこう上から言ってましたよ(笑)。
逹瑯:あいつね、バンドでいうと後輩なんですけどね、年齢が1個上だからな(笑)。
玲央:その印象がすごくあったんですよね。その後、年末のイベント<Over The Edge>の楽屋で逹瑯くんと始めて挨拶した時に、「俺、ケンカ強いっすよ」って突然言ってきたんですよ。「俺、噛む力、けっこうあるんで」って(笑)。
逹瑯:なんでケンカで噛むんだ?って(笑)。
玲央:そのことを情報として僕に伝えてきて、何の発展があるんだよ?って。
逹瑯:たぶん笑いが欲しかったんでしょうね。
玲央:僕は「お、おお」って言うしかないですよね(笑)。
■うちらみたいなクソガキにも全力で牙をむいてくれる

■ある意味、優しい先輩だと思う──逹瑯(MUCC)
逹瑯:千秋は最近の若いシーンを知ってると思うんだけど、その世代にめちゃくちゃなヤツとかいないでしょ?
千秋:いないですね。
逹瑯:だから千秋が怖がられてるんじゃないの? 後輩から。
千秋:そうかもしれないですけど、でももう10代の若い子がそこまでいないというか。
逹瑯:ああ、若手の高齢化ね(笑)。
千秋:はい。10代の子も時々いるんですけど、頭おかしいんですよ、俺からしたら。「初めてローディーとして行かせていただきます」とか言っても、結局来ない、とかあるもんね。
SORA:そうですね。
千秋:さすがに、俺でも行くわ!みたいな。
逹瑯:千秋は最近、やっとちゃんとしてきたと思うけどね。
千秋:え? 僕らの話に戻りますか?
▲逹瑯(MUCC)、玲央+晁直(lynch.)、千秋+SORA(DEZERT)


──ははは(笑)。そろそろ逹瑯さんがD’ERLANGERのリハに合流する時間となりまして。D’ERLANGER兄さんにひと言ずつメッセージをいただけますでしょうか。
逹瑯:D’ERLANGERのメンバーってホンットに負けず嫌いだから、うちらみたいなクソガキに対しても全力で牙をむいてきてくれるという、ある意味優しい先輩だと思うんですよ。手を抜かないっちゅうか。そういう姿勢を見せてもらえてるって勉強になるし、これからもずっと突っ張っていって、そういう姿を見せ続けてもらいたいと思います。
玲央:僕、初めて買ったギターがCIPHERさんモデルだったりするぐらい、すごく憧れなんですけど、年月が経ってもカッコいいままで。ああいう歳の重ね方が、自分にとっての理想像だったりもするんです。これからも全力で追っかけるので、全力で突っ走っていってほしいなと思います。やっぱり存在感というか、CIPHERさんがステージでギターを弾いていれば、もうそれで成立するっていうぐらいのものがありますからね。基本的に攻めてますよね。その姿勢っていうのが同じ男として憧れるので。
晁直:メンバーさんを知ったのはCRAZEからなんですけど、D’ERLANGERになってもずっと交流させてもらいつつ、音源を聴いたりライヴ観たり、プライベートもご一緒したりして。個人的には、憧れる人とか尊敬する人ってあんまりいないんでけど、これから活動していく先にD’ERLANGERのメンバーさんみたいな感じでずっと攻められたらいいなって。ドラマーとしては、Tetsuさんはキットも独特だし、あの独特なキットを叩ききれる人ってそういないと思う。我が道を突き進めてる唯一のドラマーだと僕は思ってます。
SORA:さっき逹瑯さんもおっしゃってたんですけど、僕らなんか絶対D’ERLANGERから見たらクソガキにも程があるぐらいだと思うんですよね。そんな僕らに対しても、一緒にツアー廻った時とか、ホントにフルスイングできてくれてて。それがすごいありがたくて。それに、玲央さんもおっしゃってましたけど、常に攻めてるというか、攻撃的なバンドですよね。だから、このシーンにいないといけない存在だと思います。僕は普段、Tetsuさんにすごく面倒をみてもらってるので、そういう意志を継いで音楽をやって、バンドをやりたいって思う人を増やせるようになれれば。そうなるのが目標かなというのをD’ERLANGERを見て、より強く思いました。
千秋:僕は、D’ERLANGERと出会っていいことしかなかったんです。僕自身は、D’ERLANGERを通ってないんですけど、マジで好きになろうと思ったんですよ。っていうのは、D’ERLANGERって完全にバイオグラフィなんです。例えば、僕はthe GazettE世代で、the GazettEはLUNA SEAが好きだったりするわけでしょ。音楽って、そういうふうにバイオグラフィを追っていくものだと思ってて。でもね、僕らの世代のお客さんってたぶんそれを追わないんですよ。俺が何が好きだったとか、そういうものを。
玲央:ああ、わかるな、それ。
千秋:僕のなかでD’ERLANGERはバンドとして大御所っていうか、象徴っていうか。今日のトリビュートライブだって、僕らからしたらヒーローのHYDEさんがkyoさんに憧れてたんだ、なるほど、じゃあ絶対すごいんだ!みたいな感じを受けているんです。で、そういう印象で聴くと、またひと味変わってくる。今日のお客さんにしてもそうで。僕はDEZERTでけっこう汚い声を使ったりする曲が多いんですけど、「MOON AND THE MEMORIES」ではあえて一切使わなかった。その意図をわかってくれてるファンがひとりでもいれば、それを周りに伝えてくれるだろうし、そこから僕らの音楽や、D’ERLANGERの音楽にも、もっと深く触れていくわけじゃないですか。だから、いいきっかけにしかならない。ただただ今は感謝です。だから、すげぇままいってほしい。で、俺らもなんかすげえヤツになりたいなって思う。
玲央:千秋くんは数年後、ここ(逹瑯席)に座ってるんだろうなって(笑)。
千秋:いやいやいやいや(笑)。
──なるほど。というわけで、逹瑯さんはリハのために退出されましたが、MUCCのトリビュートアルバム(MUCC20周年記念トリビュート盤 ※発売日等の詳細未発表)にもlynch.とDEZERTは参加してますよね?
千秋:はい。もうレコーディングは終わりました。
玲央:実は僕らもレコーディングは終わっていて。D’ERLANGERのトリビュートと合わせてツアー中に録っちゃったんです。
──最後に、その楽曲の内容を予感させるようなキーワードをいただけますか?
千秋:すげえ雑です。
一同:はははははは(笑)!
──lynch.は?
晁直:たぶん……たぶんっていうか本家よりいいです(笑)。
一同:はははははは(笑)!
──ありがとうございました!
司会◎逹瑯(MUCC) 構成・文◎梶原靖夫(BARKS)

撮影◎土田 紘
■トリビュートアルバム『D'ERLANGER TRIBUTE ALBUM ~Stairway to Heaven~』


2017年9月13日(水)発売

WPCL-12767 ¥3,000円(本体)+税

01.UNDER THE PRETENSE Remixed by YOW-ROW

02.LA VIE EN ROSE / HYDE

03.SADISTIC EMOTION / 清春

04.AFTER IMAGE / ACID ANDROID

05.DARLIN' / Psycho le Cemu

06.XXX for YOU / lynch.

07.dummy blue / Angelo

08.LULLABY / INORAN×TERU×HISASHI×ピエール中野×ERY

09.SO... / MERRY

10.an aphrodisiac / Justy-Nasty

11.1999-Shyboy story- / THE SLUT BANKS

12.Dance naked,Under the moonlight. / Rayflower

13.CRAZY4YOU / MUCC

14.MOON AND THE MEMORIES / DEZERT

15.EASY MAKE,EASY MARK / DIR EN GREY
■<D’ERLANGER 秋TOUR「J’aime La Vie deux TOUR 2017」>


09月30日(土)京都FAN J open/17:30 start/18:30

(問)キョードーインフォメーション 0570-200-888

10月01日(日)浜松窓枠 open/16:30 start/17:00

(問)サンデーフォークプロモーション静岡 054-284-9999

10月07日(土)高知X-pt open/17:30 start/18:00

(問)DUKE高知 088-822-4488

10月08日(日)高松MONSTER open/16:30 start/17:00

(問)DUKE高松 087-822-2520

10月14日(土)金沢EIGHT HALL open/17:30 start/18:00

(問)FOB金沢 076-232-2424

10月15日(日)長野CLUB JUNK BOX open/16:30 start/17:00

(問)FOB新潟 025-229-5000

10月21日(土)郡山CLUB #9 open/17:30 start/18:00

(問)ニュース・プロモーション 022-266-7555

10月22日(日)柏PALOOZA open/16:30 start/17:00

(問)HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999

10月28日(土)福岡DRUM Be-1 open/17:30 start/18:00

(問)GreeN Music 092-714-0230

10月29日(日)岡山YEBISU YA PRO open/16:30 start/17:00

(問)夢番地岡山 086-231-3531

11月03日(金・祝)仙台darwin open/16:30 start/17:00

(問)ニュース・プロモーション 022-266-7555

11月05日(日)札幌cube garden open/16:30 start/17:00

(問)WESS 011-614-9999

11月11日(土)umeda TRAD open/17:30 start/18:00

(問)キョードーインフォメーション 0570-200-888

11月12日(日)名古屋Electric Lady Land open/16:30 start/17:00

(問)サンデーフォークプロモーション 052-320-9100

11月23日(木・祝)赤坂BLITZ open/16:00 start/17:00

(問)HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999

▼チケット

・オールスタンディング 前売:¥6,000(税込) / 当日:¥6,500(税込) ※ドリンク代別

<プレミアムシート> ※KIDS BLUE先行のみ / 札幌・赤坂公演のみ ¥10,000(税込) プレミアムグッズ付 / ドリンク代別

※未就学児童入場不可/小学生は要保護者同伴・有料

一般発売:2017年9月2日(土)~

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