LADYBABYという2人の女神について語
る時が来たようだ

The Idol Formerly Known As LADYBABYという、一風変わった名前のユニットをご存知だろうか。読み方は「じ・あいどる・ふぉーまりー・のうん・あず・れでぃーべいびー」、これを訳すと「かつてレディーベイビーとして知られたアイドル」となる。
メンバーは金子理江(かねこりえ・19)と黒宮れい(くろみやれい・16)の2人(年齢は2017年9月現在)。発足時には3人組のユニットとしてスタートしたLADYBABYも、2人体制になって約1年が経った。そしてこの度、9月27日にメジャー3rdシングルとして『Pinky! Pinky!』をリリースする。
ミーティアは、LADYBABYがどんなユニットなのか、その過去と現在や特徴を改めておさらいしてみることにした。結論からいうと、LADYBABYは唯一無二の存在である。一般的なイメージにおける「アイドル」の枠には収まりきらないLADYBABYには、むしろ「アーティスト」という言葉の方が似合うのではないか。2人のかわいさや美しさだけでなく、音楽性、媚びないスタンス、常に変化し続ける柔軟性などに目を向けると、周囲とは明らかに一線を画していることがわかる。どうやら、LADYBABYという2人の女神について、音楽専門誌やアイドル誌以外のメディアが真剣に語る時が来たようだ。
また、記事の後半部には金子理江と黒宮れいへのインタビューも記載。2人の現在地と未来、そしてファンへの愛が見える貴重なインタビューとなった。

Text_Sotaro Yamada

LADYBABYとは?

(左:黒宮れい 右:金子理江)

LADYBABYは、2015年3月に結成したユニット。元々は国内大手のコスチュームメーカー「クリアストーン」のPRユニットとして誕生した。当時は3人体制であった。
2015年7月にシングルCD『ニッポン饅頭』をリリース。2人の女性ボーカルとデスボイスを組み合わせた「Kawaii-Death(カワイイデス)」が注目を集める。YouTubeに公開されたMVは海外メディアにも注目され、公開1週間で220万回再生を突破(2017年9月末現在では約2190万回再生)。アメリカやドイツなどでの海外ワンマン公演をソールドアウトさせた。2016年4月に東京でもワンマンライブを成功させるが、「充電」を発表し、活動休止に。
(出典:LADYBABYオフィシャルサイト)

2016年8月に金子理江、黒宮れいのダブルセンターによる2人組ユニットとして再始動し、キングレコードからのメジャーデビューを発表。ユニット名を現在のThe Idol Formerly Known As LADYBABYに変更した。このユニット名は、アメリカのミュージシャン、プリンスへのオマージュを思わせる(90年代にプリンスが自身のアーティスト名を発音不可能なシンボルへと変えた際、メディアが暫定的に「the Artist Formerly Known As Prince」と呼んでいた)。
2016年11月、『参拝!御朱印girl☆』でメジャーデビュー。2017年2月には東名阪ワンマンツアーを成功させ、4月には2ndシングル『Pelo』を発表した。

金子理江

どちゃくそアイシテマスよダメカアッソウ

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金子理江は、父が日本人、母がフィリピン人とスペイン人のハーフ。現在19歳(2017年9月現在)。
ハイトーンヴォイスとキレのあるダンスパフォーマンスで 魅了する魅惑の19歳。モデル・グラビアで魅せるクールな佇まい、バラエティなどで見せる無邪気な一面など多様な表情が魅力。映像制作などマルチな才能も発揮。

わがままきいたげる、ヨシヨシさせて

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黒宮れい

(出典:黒宮れいTwitter)

黒宮れいは、ストレートなボーカルで全てを鷲掴みにする16歳(2017年9月現在)。ガールズバンドBRATSでの活動やソロ写真集など多方面の活動で話題に事欠かない。爆発力と毒を併せ持つ10代の代弁者。
(黒宮れい初のフォトブック『0 -rei-』表紙)

では、金子理江と黒宮れいから構成されるLADYBABYの魅力とは何なのか?
たくさんあるが、3つに絞って紹介する。
1つめは、女神としか形容できない美しさ、かわいさ。2つめは、そのポップで毒のある音楽性。そして3つめは、媚びないスタンスと常に変化し続ける柔軟性だ。

魅力1. かわいい。美しい。女神。

見た目に関して強調することは変な先入観を与えてしまうため、できるだけ控えたいと思っているのだが、2人の圧倒的なルックスは無視することができない。言葉は野暮なので写真でどうぞ。

#ゴールデン街 #ladybaby

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本日大阪最終日、明日は名古屋パルコでリリイベです。

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他にもたくさん写真があるので、LADYBABY公式Twitter、公式Instagram、公式Facebookへどうぞ。

魅力2. ポップで毒のある音楽性

(LADYBABYのメジャー2ndシングル『Pelo』MV。まずはこの曲を聴いてください)

圧倒的なルックスに目がいきがちだが、LADYBABYのもっとも大きな魅力は、その音楽の素晴らしさにある。特にメジャーデビューしてからの楽曲群について、硬派な音楽ファンや音楽メディアはもっと注目すべきだろう。

基本的にはヘヴィメタル・ハードコア的な重厚なサウンドを基底にしつつ、ポップで疾走感あるメロディが特徴。時には叙情的な歌詞で感情を揺さぶり、時にはハッピーな曲で気分をあげてくれる。曲によってはラップやシャウトを混ぜたり、地声に近い声で歌うパートを含めるなど、変化に富んだ楽曲構成も目立つ。

また、2人の歌声も魅力。金子理江の、あどけなさと色気の同居する柔らかい歌声。黒宮れいの、意志を感じさせる力強い歌声。この2つの歌声は抜群の相性で、彼女たちの歌声によって曲に命が与えられる。

そしてほぼすべての楽曲に、一度聴けばクセになる毒が含まれている。毒を毒として発信するのではなく、あくまでもポップに、かつ「現在の彼女たち」にとってもっともふさわしいやり方で表現する。それがLADYBABYの音楽だ。
(LADYBABY『LADY BABY BLUE』MV)

こちらは『Pelo』のカップリングに収録された『LADY BABY BLUE』。イントロのギターリフが印象的なオルタナティブ・バンドサウンドな楽曲。
作詞作曲を、2人のことをもっともよく知るシンガーソングライターの大森靖子が担当している。さらにMVは金子理江が監督・編集をつとめ、撮影は2人のスマートフォンによるもの。
1曲を通して、そこはかとない悲しみのような雰囲気が通奏低音のように響いているのも良い。

そしてこちらは『Pelo』に収録されたもうひとつの曲、『Easter Bunny』。
(LADYBABY『Easter Bunny』MV)

こちらは一変して、ポップでハッピーで踊れる曲。ライブで盛り上がりそうだ。振り付けも楽しいのでMVは必見。かわいさにフォーカスした上でデスボイスも入っているなど、インディーズ時代からの路線をうまく引き継いだ曲と言えるかもしれない。
この曲は一見すると超楽しい曲だが、MVの舞台が団地であったり、歌詞にも意味深な部分があるなど、深読みしようと思えばいくらでも深読みできそうな曲。一筋縄ではいかないのがLADYBABYなのだ。

「想い出話は飽きた 私もこの星も 生き残りたいんだ」と力強く宣言した『Pelo』。
大森靖子の力を借りて「殺されては美しく成ってきたわ」と語った『LADY BABY BLUE』。
そして「破壊なくして創造もない 殻を破り また生まれ変わる」と歌った『Easter Bunny』。
これら3曲で構成された2ndシングルは明らかに楽曲としてのクオリティが高く、音楽ユニットとしてLADYBABYはひとつ上のステージにたどり着いた感がある。今後どんな楽曲を生み出していくのか注目だ。

魅力3. 媚びないスタンス、変わり続け
る柔軟性

もうひとつの魅力は、良い意味でまったく媚びることのない2人のスタンスと、一方で、常に自分たちを更新し続けるような、変わり続ける柔軟性である。その意味で、LADYBABYはアイドルというよりはむしろ「アーティスト」と呼ぶにふさわしいアティテュードを備えている。

その実態を探るため、次のページでは、LADYBABYの金子理江と黒宮れいにインタビューを行った。
主に新曲『Pinky! Pinky!』について聞いたが、結果的に、「LADYBABYという生き方」についてのインタビューになったように思う。
インタビュー後半部分では、ファンが悶絶死しそうな発言も飛び出すなど、「媚びないスタンス、変わり続ける柔軟性」の根底には「愛」があることもわかった。

次のページは、LADYBABY『Pinky! Pinky!』インタビュー!

LADYBABYという2人の女神について語る時が来たようだはミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。

ミーティア

「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。

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