SuGが全力であがき続けた10年間は、まさにオーダーメイドのgr8 story(great story)だった

SuGが全力であがき続けた10年間は、まさにオーダーメイドのgr8 story(great story)だった

SuGが全力であがき続けた10年間は、
まさにオーダーメイドのgr8 story(
great story)だった

SuGは2007年結成、2010年メジャーデビューの5人組ヴィジュアル系ロックバンド。「Heavy Positive Rock」をコンセプトに、常に前向きでポジティブな楽曲を数多く発表してきた。
彼らの楽曲に、ボーカル武瑠の紡ぐ歌詞に、救われた、元気をもらったという人は数え切れない。もちろん私もその一人だ。
どんな時でも常に前向きな姿勢を崩さなかった彼らが、結成10周年を迎えた矢先に発表したのはバンドの無期限活動休止だった。断腸の思いでの決断だったということはメンバーのコメントからも察しがついた。
活動休止前最後の楽曲 AGAKU
武道館公演でも1曲目に披露され、惜しくも活動休止前最後の楽曲となってしまった「AGAKU」に、彼らが傷だらけになりながらも必死で、全力で駆け抜けてきた10年間の軌跡と、そして活動休止を決断せざるを得なかったその苦悩が、痛々しくもストレートな言葉で綴られている。
「AGAKU」の歌詞の中に一つ気に掛かる箇所があった。
僕らSuGが傷だらけになりながらも、常に前を向いて全力で駆け抜けてきた10年間のバンドストーリーは、喜劇?それとも悲劇なのだろうか?
彼らの武道館公演を見終わった後、公演中盤でも演奏されたメジャーデビューシングル「gr8 story」の歌詞が、ふと頭をよぎった。

メジャーデビューシングルは、どのバンド、アーティストにとっても重要な楽曲。決意表明や想いが強く込められているものだ。
記念すべきメジャーデビューシングル
SuGは記念すべきメジャーデビューシングルに、ファンへ向けての熱いメッセージと共に、「俺たちはこういうバンドになりたいんだ」と信念を綴っていた。
ゼロからのスタート 、俺たちは死ぬ気で突っ走っていくだけ
SuGとしてバンド活動できるこの限られた時間の中で、俺たちはどこまでいけるだろうか?
目の前のことから逃げたくなることもあるけど、ただ信じて
俺たちが守るべきたった一つだけの夢(SuGというバンド)を
「自分らしく」、自分が想像もしていなかった偉大なる人生を
何にも縛られず、自分の殻をぶち破って、さぁ自由に描いていくんだ
それこそが俺たちとみんなで作り上げる、オーダーメイドのgr8 storyになるんだから!、と。
SuGの10年間は「AGAKU」の歌詞にあったような喜劇でも悲劇でもなく、SuGのメンバーと彼らの楽曲を愛したファンと共に作り上げた、まさしくオーダーメイドの「gr8 story(great story)」だったのではないかと、武道館で多くのファンの愛と笑顔と涙で溢れた素晴らしい光景を見て、そう思わずにいられなかった。
SuGが活動休止前最後に武道館公演に挑んだ理由、それは自分たちSuGと共にgr8 storyを紡いできてくれたファンに、10年間の感謝の気持ちを込めて、武道館でのこの素晴らしい景色を共に分かち合いたかったからに違いない。
アンコールのMCで、抱えきれないほどのたくさんの感情を背負ってステージに立っていた5人の想いが溢れ出した。
涙で顔をぐしゃぐしゃにしながらファンへ感謝を伝えたドラムのshinpei、SuGでやりたいことは全部やり切ったと語ったギターのyuji、SuGというバンド名は守り続けると決意を伝えたベースのchiyu、腹が立つほど悔しいと本音を語ったリーダーでギターのmasato、涙ながらにバンドの真実と葛藤、そしてファンへ夢を持つよう語ったボーカルの武瑠。
ステージを去る時の彼らの涙と笑顔が脳裏に焼き付いて離れない。
どんな時も前を向いて必死に全力であがき続けてきたバンド、SuG。
彼らが積み重ねてきた10年間に多くの共感が集まって、武道館のあの素晴らしい景色が生み出されたのだと思う。
ヴィジュアル系に新しいジャンルが誕生した
活動休止や解散といった知らせを耳にする度、一言では言い表せないこの寂しくも切ない感情は、何度経験しても決して慣れることができない。
彼らを初めて見た時、個性的で派手で斬新なそのファッションと、思いきりポジティブでポップな楽曲に、当時の私はヴィジュアル系に新しいジャンルが誕生したと思った。

青春時代の痛みや息苦しさ、大人になりきれない葛藤やトラウマ、そして矛盾だらけの世の中に生きづらい社会。弱くてもいい、いつかきっと乗り越えられるから、下ばっかり向いてないで、しっかり前向いて歩いていけよ、と寄り添いながらも力強いメッセージに溢れたSuGの楽曲は、いじめや自殺と言ったニュースが絶えない今の時代に、必要な音楽、バンドだったのではないかと思う。
活動休止は悔やまれてならないが、彼らの残した楽曲は多くのファンがこれからもずっとずっと大事に温め続けていってくれるに違いない。

アーティスト

UtaTen

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