『Family Song』、溢れ出てくる星野源らしさがとまらない

『Family Song』、溢れ出てくる星野源らしさがとまらない

『Family Song』、溢れ出てくる星野
源らしさがとまらない

「SUN」、「恋」と歌って踊れるダンスミュージックが続いていたが、自身のラジオ番組では「『恋』のカップリング曲『Continues』が次の曲に続いていく曲になる」と言っていた。その言葉通り、「Family Song」は「Continues」のスローでどこか日本らしい雰囲気を引き継ぎ、次に続いていくような温かいソウルミュージックになった。それは前作までのヒットに縛られることなく音楽を生み出し続ける星野源の「やりたい音楽」の幅の広さを感じさせられる。
Family Song 星野源
「Family Song」の中身に注目して聴いてみよう。
イントロから温かく、主題歌に起用されている日本テレビ系ドラマ「過保護のカホコ」では、ハッとさせられるタイミングでかかる。ハッとさせられるけれど、そのあとに続く星野の声、そしてAメロに落ち着くと、ドラマがどんな展開になっていようとどこか安心させられるのである。

そして歌詞で注目したいのは、『出会いに意味などないけれど 血の色形も違うけれど』という部分。
出会いに意味などない。と歌うところは、「意味なんかないさ暮らしがあるだけ」と歌った前作「恋」と同じく、出会うことの運命ではなく、大切な人と一緒にいる日常そのものを大切にしようと語っているようだ。
星野源の楽曲は恋愛の歌であっても家族の歌であっても、なんで好きか、とか、いかに好きか、ということは多くは語らない。
それは、思っていても言わないというよりかはむしろ、好きであることに根拠や説明はいらない。という絶対的なものだから。だからこそ、前作も今作もその夫婦の形は、多様性を含められるのだ。
Family Songの聴きどころ
ソウルミュージックはそもそもアメリカでブルースとゴスペルの系譜を踏んで誕生した音楽ジャンル。ゴスペルはコーラスによって成り立っているが、この「Family Song」でも豪華なコーラス陣による歌声もまたこの曲の聴きどころのひとつ。いつも星野の楽曲でコーラスを担当している石橋英子に加え、これも近年の楽曲にギターで参加している長岡亮介とそのバンド、ペトロールズの3人をコーラスに迎えている。どんなに星野源が大衆的で、人気のある歌手になったとしても、「音楽好き」へのアプローチはかかさない。

「星野源らしさ」という言葉は嫌い、と本人は語っている。彼の作る音楽は多様で毎回いい意味で驚かされ、一概にくくるのは難しいのだが、実はそれこそが「星野源らしさ」であり、その可能性の幅は今後も広がっていくだろう。

「Family Song」は自分が家族を持つようになってから聴くときっと違う印象を受けるのだろう。
将来、この曲がどう自分に響くのか、そして星野源が次はどんな曲を生み出していくのか。安心して待とうと思う。

UtaTen

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