【山人音楽祭クイックレポ】THA BLU
E HERB 「言葉がお前らの脳みそのな
かでモッシュする」1DJ1MCに込めた魂

山人音楽祭2017 【赤城ステージ】 THA BLUE HERB
早くも今年の『山人音楽祭』も折り返し点。赤城ステージにから容赦なく言葉の連射攻撃を浴びせかけたのは、G-FREAK FACTORYと同じ時代を共に歩き、今年結成20周年を迎えたTHA BLUE HERBだ。
「言葉がお前らの脳みそのなかでモッシュするという、俺らのライブ、突き詰めていったらそれだけなので、最後までよろしくお願いします」。
ILL-BOSSTINOとDJ DYEの1DJ1MCによるステージは、どこまでが即興なのか、あるいは予定調和なのかという境目を曖昧にして進んでいった。「WORD…LIVE」から始まったステージ。ストロングなトラックのうえを矢継ぎ早に投げかけられる言葉には、“山人音楽祭”や盟友・茂木洋晃の名もあった。いまこの瞬間だけの言葉が赤城ステージに刻まれていく。
THA BLUE HERB
今年4年ぶりの新作CDとして発表された『愛別 EP』に収録の「ALL I DO」。そこには20年におよぶTHA BLUE HERBの活動のなかで、変わったもの、変わらないもの、ヒップホップ・アーティストとしての意思を主張する言葉があった。「時代は変わる」では、茂木と同じように、かつて20年前に音楽に大きな夢を見た10-FEETのTAKUMAの名前も出して、今日この場所で同じステージに立てる喜びを口にする。そして、最後に「次はあなたが時代を変えろー!」と叫んだILL-BOSSTINO。ステージを真っ赤に染めて、激しく明滅する光のなかで投げられた咆哮が、私たちの明日への闘争心を掻き立てる。
THA BLUE HERB
“掴んだ手を放すな”と訴えかける「未来は俺等の手の中」、そして、「ALL I DO」と同じように、20年を迎えた感慨を言葉にした「20 YEAS, PASSION & PAIN」。THA BLUE HERBが止まることなく継ぎ足してくる膨大な言葉の情報量は、頭と心で思考することを決してやめさせてくれない。脳内でモッシュする。最初にそう宣言したILL-BOSSTINOの予言どおり、激しく動いていなくても、なぜか心臓が激しく脈打つのがわかる。ラストナンバーは「AND AGAIN」だった。“何をやってくるじゃなくて、何をやっていないかだよ”。何度も繰り返されるメッセージには、マイク1本に魂を込めて闘い続けるILL-BOSSTINOの生き様が滲み出ていた。「山人バンザーイ! ありがとう、ピース!」。そう言って、幕を閉じたTHA BLUE HERB。いよいよ『山人音楽祭』は後半戦へと突入する。

取材・文=秦理絵 撮影=HayachiN
THA BLUE HERB
セットリスト
山人音楽祭2017 【赤城ステージ】 THA BLUE HERB
1. WORD…LIVE
2. ALL I DO
3. 時代は変わる
4. STILL STANDING IN THE BOG(MIX)
5. RIGHT ON
6. 未来は俺等の手の中
7. 20 YEARS, PASSION & PAIN
8. AND AGAIN
9. OUTRO

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