【ライヴレポ】DISH//が野音ライヴで
雨にも負けないパフォーマンスを披露
!伝説の1日は今後に向けた大きな足
跡に

5人組ダンスロックバンドのDISH//が、17日に東京・日比谷野外大音楽堂にて『日比谷野外大音楽堂公演17’秋「MUSIC BOIN!!」』を開催。台風18号の接近でぎりぎりまで開催が危ぶまれながらも、3000人を超えるスラッシャー(ファンの総称)が集結し、5人は降りしきる雨をものともせずに約2時間半、前24曲を披露。心動かす熱演を見せた。
幕開けは、12日放送回にメンバーが本人役で出演し話題となったドラマ『僕たちがやりました』(フジテレビ系)の主題歌「僕たちがやりました」。DISH//を完全覚醒させたバンド感たっぷりなナンバーはライヴにとてもよく映えて、北村匠海が「いくよ!」と声をかけたサビの<生きろ!>という力強いメッセージが、雨の中で痛烈に響く。
小林龍二のバッチバチなベーススラップからなだれ込んだ「Shall We Dance????」では、矢部昌暉が笑顔で言う<Shall We Dance??>に大歓声が上がり、バンドグルーヴがうねる「FREAK SHOW」では、客席から早くも大合唱が。雨に打たれながらもへこたれないどころか熱を増していくDISH//もスラッシャーも、なんてロックなんだ。
「サイショの恋~モテたくて~」では、後ろのDJ台から前へ出てきた橘柊生が、「もっとこいよ!」とスラッシャーを煽りつつ泉大智と笑顔を交わしたり、昌暉の前に立ちはだかってダンス&頭をクシャクシャしたり、龍二の真横ゼロ距離で歌ったり、通りすがりに匠海の肩をポンポンしたり。メンバー同士の楽しげなコミュニケーションに、雨が降っていたってテンションが上がってしまうではないか。
大智の疾走感あるドラムビートが牽引、「もっとこいよ、てめーら!」と叫んだ「FLAME」では、昌暉のギターソロで匠海と龍二がドラム台に足をかけて昂ったり、柊生がDJ台で高くジャンプしたり。スラッシャーが重ねるたくましい歌声にしても、エモすぎる。
「みんなシャンプー持ってきた?」なんて柊生が冗談を言いつつ、「雨の中来てくれてありがとうございます、愛されているなって感じます」と頭を下げる5人。「今日野外でライヴをやっているのは俺たちくらい。極力濡れないようにって言われたけど……」と言う匠海に、「関係ねぇや、さんざん濡れていこう!」と柊生が続け、「6年目でこんな雨の中でライヴをするのは初めてだよね」と問いかける龍二に、「こんな雨の中だけど楽しんでいこうぜ」と笑顔の昌暉、大智。びしょ濡れのステージは滑りやすく、演奏もダンスもこなす彼らにとって危険も緊張感も増しているはずだが、そんな状況さえも楽しんで、楽しませようとするその表情は、実に頼もしい。
「HIGH VOLTAGE DANCER」では匠海のヘッドセットマイクが故障するというハプニングが起きたが、すかさず大声で歌うスラッシャー。「It's alright」では緊急対応で匠海がスタンドマイクで歌う一方、踊れない匠海の分も躍動する昌暉と龍二。メンバー同士、メンバーとスラッシャーは、深い絆で結ばれていることを改めて痛感させられたりもした。
大智のパワフルなドラムソロから、タイトル通りみんながジャンプした「JUMPer」へ。「ザ・ティッシュ~とまらない青春 食欲編~」では、メンバー5人がステージを降りて客席通路で歌うと、スラッシャーは大興奮。
ステージに戻り5人がダンスした「KLAP」、柊生DJ&龍二&昌暉のセッションと盛り上げ、「愛の導火線」では柊生の動きに合わせてスラッシャーが右に左に大移動する場面も。
スラッシャーが大きくコール&クラップした「皿に走れ!!!!」。ダンサーの持つ虹色のフラッグが揺れた「虹のカケラ」。匠海の爪弾くアコースティックギターはじめ、丁寧な音の紡ぎと優しい歌声にグっときた「モノクロ」。しなやかなダンスで5人が大人びた表情を見せた「Loop.」。5人で歌った、大智加入前のDISH//が初めて作詞・作曲した「また明日。」。バレエダンサーとのコラボレーションがドラマをますます盛り上げた「暮れゆく空の彼方に」。柊生の奏でる鍵盤、匠海の渾身のアカペラから、心を掴まれてしまった「猫」。変幻自在のパフォーマンスを見せながら、雨空を彩るように、DISH//の色鮮やかな歌と奏でがどこまでも届いていく。
さらには、アグレッシブに振り切った「Newフェイス」、タオル回しにコール&レスポンスに限界突破した「東京VIBRATION」と、天井知らずの高揚は雨にも決して負けなかった。
強まる雨足にもめげずスラッシャーが「おかわり」コールを繰り返していると、なんとDISH//が再登場。「最初に4人で武道館に立てたのは、「武道館に立ちたい」っていう言霊が導いてくれたからだと思っていて。大智を迎えて5人になった今、言霊を信じて、DISH//は神奈川・横浜スタジアムという夢を目指しています。そんな俺たち5人の想いが、ここにいるみんな、来られなかったみんなにも届くように歌います」。匠そんな海の言葉から、「コトダマ」へ。彼らの強い想いは、どんな困難だって乗り越えていけるはずだ。
「ボロボロになりながらふがいないところも見せちゃったけど、やれて良かったです。伝説のライヴになったんじゃないでしょうか。DISH//が今後成長していく上で、大きな足跡になったと思います」と最後に匠海が挨拶し、凛々しい表情を見せた5人。横浜スタジアムへ向け、次の大きな一歩は5組のプロデューサーがプロデュースするという、2018年元旦の東京・日本武道館公演。表現欲求に突き動かされる彼らの進化は、まだまだ加速していく。
写真/白石史丈、文/杉江優花

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