木野花が29年ぶりに挑む、舞台の約束
    事から解き放たれた衝撃作『クラウド
    ナイン』

    登場人物の性と、演じる役者の性がクロス

    バカバカしく赤裸々な性表現に、時間と空間を超えた舞台設定
    大人計画のパワーみなぎる俳優4名+映像・舞台で世間をにぎわす個性派俳優4名による狂宴

    木野花演出『クラウドナイン』が2017年12月、東京芸術劇場シアターイースト(東京都)とOBP円形ホール(大阪府)にて上演される。企画・製作を手掛けるのは、大人計画のマネジメント事務所である「モチロン」だ。
    フェミニズム演劇の旗手として知られる英劇作家キャリル・チャーチルによる戯曲『クラウドナイン』は、1979年にイギリスにて初演後、ニューヨーク、オフブロードウェイでロングラン上演された大ヒットした。木野が本作の演出をするのは、今回で3度目、1988年以来実に29年ぶりとなる。
    1880年ごろのイギリス植民地時代のアフリカに移住した、破天荒な家族を描いた本作は、二幕構成の舞台。この戯曲には2つの斬新な仕掛けがある。ひとつは、登場人物を演じる役者が、一幕と二幕で変わること。しかも役者の性別までもが変わる。家族の妻・ベティを一幕では男優の三浦貴大が、二幕では女優の伊勢志摩が演じ、一人息子・エドワードを一幕では女優の平岩紙が、二幕では男優の髙嶋政宏が演じる……といった具合に。
    もうひとつは、一幕ではヴィクトリア朝時代の家父長制の中で繰り広げられる舞台が、二幕になると100年後の現代ロンドンに時代が飛んでいること。にもかかわらず、登場人物たちは25才しか年を取っていないという、矛盾だらけの摩訶不思議な仕掛けになっている。さらに観客を驚かせる(楽しませる)のは、不倫・同性愛・少年愛……と何でもござれの赤裸々なセリフたち。時も、空間も、性も、あらゆる役割から解き放たれた舞台に見えてくるのは、いつの時代も変わらない人間の愚かさ、情けなさ、そして“愛おしいほどのどうしようもなさ”なのだ。
    <あらすじ>
    イギリスの植民地だった時代のアフリカ。この地を管理するために、本国からやって来たある家族の物語。家長のクライヴ♠(髙嶋政宏)は、国家と常識を重んじる男らしい父親。だけど時折り襲う嵐のような欲望の奴隷。その妻ベティ❤(三浦貴大)は、夫を愛する貞淑な妻であろうとするあまり、夫の友人にも愛情のおすそ分け。一人息子エドワード♠(平岩紙)は、父親に認められる強い男になりたい!と願いつつ、夢中になるのはお人形遊び。“家族が平和であれ”と、全てを見て見ぬふりの祖母のモード❤(宍戸美和公)。そこに隣人の、欲望のままに生きるハガネの女ソンダース夫人❤(伊勢志摩)、一見ワイルドなイケメン探検家ハリー♠(入江雅人)、男を知らない純情な家庭教師エレン❤(石橋けい)、そして、両親をイギリス兵に殺された従順な召使いジョシュア♠(正名僕蔵)が加わり……。理想の自分と現実の自分自身。そのギャップに右往左往しながら暗中模索する、不器用な家族の、バカバカしくも切ない25年間の成長の軌跡。

    ちなみに、「クラウドナイン」とは、真夏の抜けるような青空に浮かぶ積乱雲(入道雲)を表す気象用語が転じて、幸福の絶頂の“ハイ”な気分をさす。2017年、まっしぐら演出家の木野花が、人間味あふれる俳優たちと共に、どんな“ハイ”で破天荒な世界を繰り広げるのか、大いに期待したいところ。
    そんな演出の木野花、クライヴ/エドワード役の髙嶋政宏からコメントが届いたので紹介する。
    木野花(演出)コメント
    この作品は29年前、まだ30代でしたが、とても体力を消耗した事を覚えています。今回演出ではありますが、万全を期して今からジムに通い、体力づくりをしています(笑)出演者の皆に負けないような、パワフルな舞台にするべく気合は十分です。『クラウドナイン』は、構成、台詞、キャスティング、全てにおいて斬新で、何でもありの世界を創り出している、実験的とも言える脚本です。その何でもありに、演出および役者が追いつけるかどうか文字通り、挑戦です。まず何が何でも台本に喰いついて、面白い作品にします!と断言するところから出発しようと思います。冬の空に積乱雲を浮かべる勢いで、引くに引けない、私達のギリギリを観ていただきたい。
    髙嶋政宏(クライヴ/エドワード役)コメント
    オファーを頂けて、本当に嬉しかったです。「大人計画」のモチロンプロデュースと聞いたとき、いつも拝見しているあの人たちに関われるのか!と思い、とても嬉しかったですね。「クラウドナイン」を最初に読んだときは、赤裸々な性表現ばかりが頭に入ってきたのですが、何度も何度も読んでいるうちに、チャーチルさんの創り上げた、構成の見事さに感心しました。「これが分かったら、次はこれも分かるかな~?」と言われているような、緻密な構成です。いやらしい戯曲の書き方ですよね(笑)。今回は、脳みそがパンパンになるほど、大変な稽古になると思います。でも、僕の持論として、稽古や本番中が楽にできて、よい作品になった試しは、一度もないので、きっと今回は素晴らしい作品をお届けできるんじゃないかと思っています。
    公演情報

    モチロンプロデュース『クラウドナイン』
    ■作:キャリル・チャーチル
    ■翻訳:松岡和子
    ■演出:木野 花
    ■出演:髙嶋政宏 伊勢志摩 三浦貴大 正名僕蔵 平岩紙 宍戸美和公 石橋けい 入江雅人
    ■イラスト:五月女ケイ子
    ■プロデューサー:長坂まき子
    ■制作協力:大人計画
    ■企画・製作:(有)モチロン

    <東京公演>
    ■公演日程: 2017年12月1日(金)〜17日(日)
    ■会場:東京芸術劇場 シアターイースト
    ■一般発売:2017年9月30日(土)AM10:00~

    <大阪公演>
    ■公演日程:2017年12月22日(金)〜24日(日)
    ■会場:OBP円形ホール
    ■一般発売:2017年9月30日(土)AM10:00~

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