人気邦ロックアーティスト10選 201
0年以降結成の新参を紹介

PELICAN FANCLUB

ペリカンファンクラブは2012年に結成された4ピースバンド。
BUMP OF CHICKENやRADWINPSと若い世代に希望や夢を与えるバンドは思わず口ずさんでしまうような音楽で、心が真っ直ぐ伝わってくる歌が特徴的。そんな立ち位置を次世代で担うのは注目のバンド、PELICAN FANCLUB
ボーカル・ギター、エンドウアンリの澄んだ透明感あるボーカルが乗せるのは人を思う優しい気持ちと励まし、それを加速させる爽やかなロックチューンなサウンドに思春期真っ盛りの人たちの心にダイレクトに刺さると今話題を呼んでいます。先日発売した「Home Electronics [ PELICAN FANCLUB ]」では、持ち味の疾走感とキャッチーさで勝負に出た”Night Diver”をはじめ、彼らの今を全身全霊でぶつけた作品が並んでいます。
聴きやすいメロディにうっとりとするほど綺麗なボーカルはリスナーに寄り添うように体に馴染む優しい音楽です。PVでは、上記のような音楽と共に某ファッションブランドが衣装提供したオシャレな仕上がり、ファッションとも精通したバンドで今後の活躍の幅広さにも期待できます。
今作では自分自身というよりも、人を思って作った曲が並ぶとのこと。リスナーがイメージしやすい、身近に感じやすい曲を考えて歌っているとのこともあり、誰もが感じる不安や焦りをほぐしてくれるような歌詞が散りばめられており、まさに「人を救う作品」となっています。ティーンエイジャーの憧れかつ代表的アーティストになるであろうPELICAN FANCLUBをこの作品でいっぱい感じてみてください。

Suchmos

サチモスは2013年に活動を開始した6人組のロックバンドです。
恐らく世間が初めてサチモスの楽曲を聴いたのは”STAY TUNE”でしょう。車のCMで話題になったこの曲は、お洒落でセンスの良さにかつての渋谷系アーティストをイメージさせるほど印象的ではなかったでしょうか。
2017年1月にリリースされたスタジオアルバムとなる2ndアルバム「THE KIDS [ Suchmos ]」は、全体的にスタイリッシュでクールな楽曲が多く、ファンキーなベース、スムースなドラム、リズミカルなギター、ポップセンスの良いキーボード、R&Bで甘く艶のあるヴォーカルが心地よく響くアーバンソウルテイストな作品に仕上がっており、誰にでもおすすめできる名盤です。
音楽性はブラックミュージックのリズムを音楽的センスの良さでロックやポップスに落とし込んでおり、Maroon5やJamiroquaiと共通項があるように聴こえます。しかし、Suchmosのサウンドはそれらに加えて日本のリスナーを意識した”Japan Edition”といった印象です。個人的にはよりグルーヴィーでお洒落なサウンドでも良かったように思います。例えば、カッティングするギター、動きまわるベースライン、ローズピアノの音色、オーディエンスを魅了するソウルフルなヴォーカルをお洒落のイムズだと考えています。
つまり、「グルーヴィー」×「ソウルフル」=サウンド(音響)がお洒落なイメージに仕上がります。
音の雰囲気からいえばブリティッシュソウル、アシッドジャズになりますが、1970、1980年代ダンスクラシックスのような古い楽曲の良さを取り入れた音楽は色褪せることがないので、普遍性を追究した作品を期待したいです。

DYGL

ディグローは2013年東京都にて結成されたオルタナティブロック・インディーロックバンド。
2017年にリリースした1stフルアルバム「Say Goodbye to Memory Den [ DYGL ]」は、2000年代初頭から巻き起こったガレージリバイバル、ロックンロールリバイバルから影響を受けたようなプリミティブなロックサウンドが印象的な作品に仕上がっており、非常におすすめ。
ここ数年、日本のミュージックシーンでは4つ打ちで踊れるようなダンスロックがブームになっている傾向がある中で、ある意味でプリミティブなロックサウンド自体が特殊になっていると捉えられますが、重要な点は彼らのリバイバル的な音楽性をいかに商業的な成功に結びつけられるか、ではないでしょうか。
リバイバル戦略には、
A.過去を忠実に再現し、旧来のファンの懐古心に訴求するタイプ
B.新しいファンに新鮮なサプライズを与えるため、あえて古い意匠を利用して取り込むタイプ
の2つがあります。旧来のターゲットを狙うリバイバルは、過去に獲得したファンという安全パイは存在するものの、市場としての広がりは弱く一時的な盛り上がりに終わってしまいます。 例えば、8曲目”Let It Out”はヴォーカル、ギター、ベース、ドラムで構成されているシンプルなバ ンドサウンドですが、音質はブラッシュアップされてサウンドの輪郭が明確になり、奥行が生まれ、無駄な音を削ぎ落とした結果、純度の高いロックサウンドに仕上げています。あえてシンプルに聴こえるように、そのためにとても計算されたアレンジを施しています。
ただ、新規顧客を獲得するためのリバイバルはターゲット層が異なるために、過去のどの部分を切り取り、彼らのどの部分をアップデートするかのバランス感覚と現在の市場を見極める審美眼をプロデューサーは持っていないとビジネスは成功しないとも捉えられます。リバイバルをどのように武器にするか、今後が非常に楽しみなバンドです。

ヤバイTシャツ屋さん

ヤバイTシャツ屋さんは2013年に結成された3ピースロックバンドです。
関西においては、もうじわじわを人気がでているヤバイTシャツやさん。今、もしこのバンドを知っているのなら、おそらく10代後半から20代前半くらいの若者ではないかと推測します。名前からして「ヤバイ」。本当にちょっと「ヤバイ」です。このバンドは男子大学生二人がその友達の女子に声をかけ結成された、男女混合型の3ピースバンドです。
このバンドの魅力は、なんといってもその歌詞の中の「あるある感」そのもの。よくもここまで書けたものだと納得してしまいます。例えば、大学生の実体を歌った”ウェイウェイ大学生”という曲があります。この曲、まさに今の大学生の生態そのもの。しかし彼らのすごいところは、軽快でポップなリズムに合わせた手軽な曲調だけではありません。歌詞の中に必ずどこか斜め目線の皮肉った文言が書かれています。そして、今のリスナーである若者は、そんな今どきの若者の中の一人なのだという認識の中で曲が展開されるのです。
動画などが配信されているので、見ていただければ理解できるかと思いますが、彼らは実に等身大に映っています。高い服も着ていなければ、髪の毛も雑で、おそらく電車に乗っていても誰も気が付かないような出で立ち。しかし、彼らが評価されている場所は別にあります。それは、とにかくすべてが自然体に自分たちらしさを追求するのみに全力をかけている所にあるでしょう。実際、関西圏で人気が出始めているのは、関西の地域に住む彼らの目線から発信しているので、地域や大学名などが出ても関東圏に住んでいる人たちには少し届かないかもしれません。しかし、最近ではめっきり東京での仕事も増え東京での暮らしもいくらか経験したことによって、また新しい彼らから見た東京の図を見られることを楽しみにしたいです。
おすすめしたいアルバムは最新アルバム「パイナップルせんぱい [ ヤバイTシャツ屋さん ]」。

yahyel

ヤイエルは2015年に東京で結成されたバンドです。
最近では国内外問わずライブ活動を活発に行っているyahyel。同じく最近話題のD.A.N.とのライブも成功させています。フルアルバムはまだ1枚しかリリースされておらず、全10曲の「Flesh and Blood [ yahyel ]」というアルバムです。
全体感としてはクラブ系のロックといった雰囲気ですが、他の音楽とは明らかに印象が違います。要因としては、なんといってもヴォーカルの池貝峻の声の迫力でしょう。低音から高音へのシフトが鳥肌が立つほど秀逸、本当に同一人物が歌っているの?と疑いたくなるような、そのくらい不思議な感覚にもなります。
アルバムでは、1曲目の”KILL ME”から透き通る声と高音に心を奪われることでしょう。全曲通して聞いていても飽きない内容ですが、もし初めてyahyelを聞くのであれば、おすすめしたいのは4曲目の”JOSEPH”、6曲目の”THE FLARE”、7曲目の”BLACK SATIN”。この3曲を聴けば、yahyelの特徴や雰囲気が伝わるのではないでしょうか。
そしてもし可能ならば、是非ライブを見て頂きたい。アルバムのジャケットのからも伺えますが映像に関しても独特な表現で、不思議な世界に引き込まれます。ライブでは、PV監督も務めているVJの山田健人の世界観がスクリーンに映し出されます。音楽と映像の一体化、新しい体験となるでしょう。まずはFLESH AND BLOODを聴き、言葉では表現できないyahyelの音を体感してみてください。

左右

左右は2010年に結成されたロックバンドです。
左右は横浜の男女ツーピースバンド。二人だけでギター、ベース、ドラム、ボーカルを担当していますが、きちんとバンドとして成立しています。男女がバンドを組んでいるとなれば、日常的に男女混合で盛り上がっているような華やかな人物を思い浮かべますが、彼らは二人ともとても真面目そうな印象。しかし、そんな真面目そうで大人しそうな容姿からは想像がつかないほど、その音楽は音楽と呼ぶには反抗的、歌詞もその見た目からは想像がつかないほど、世の中に対しての鬱屈した感情が溜まっているようです。
そんな彼らのアルバム「左右/スカムレフト スカムライト」は、ポップな黄色ににっこり笑顔のイラストが描かれた可愛らしいデザインですが、この鬱屈や不満が笑顔でパッケージされていると思うと、彼らが普段、様々なものに対し様々な想いを抱いているかがわかります。ライブはまるで、気まずさを体感するインスタレーションのようで、笑顔で盛り上がるなどとは程遠く、度々MCで発言される「楽しい思い出を作りましょう」という言葉がその気まずさを増幅させます。
しかし、彼らのホームページには「ロックバンドのライブへ行ったことがないというかたへ」というページがあり、ライブハウスへの行き方を丁寧に教えてくれています。これにはもう困惑です。親しみやすさのない尖った音楽ですが、彼らの生きづらさを体現したようなライブをぜひ観てもらいたいバンド、左右です。

鳴ル銅鑼

ナルドラは2013年に結成されたロックバンド。映画「愛のむきだし」のワンシーンからとったです。
どれだけ思っても気持ちが届かずに耐え忍び、時には相手のため身を引くいじらしさ、あるときには追い込まれ自暴自棄になった狂気をまるで本物の乙女であるかのように歌い上げるボーカル。艶っぽく、悲痛で、引きずり込まれるような声に同性でも惚れてしまうのではないでしょうか。本物の女性のような現実味がなく一種のフィクションであるからこそ、怒り、哀しみでさえ絵になり、価値になります。
そんなボーカルに埋もれることなく、小粋に、時には激しく主張し縦横無尽に駆け回るギター、ジャジーに妖艶な妖しさを醸し出すベース。そして抜群の安定感と包容力でそれぞれの主張が強い楽器をまとめ上げるドラムが合わさり、曲の輪郭をぼやけさせずに絶妙な音の足し算をされています。曲の見せ場やメリハリのつけ方が上手く、鮮明に脳内に残ります。
おすすめしたいアルバムは1stフルアルバム「極彩色 [ 鳴ル銅鑼 ]」。良曲ぞろいなので、聴く人によって推し曲が変わると思いますが、楽曲の個人的なおすすめは”夢浮橋”です。
”夢浮橋”は源氏物語の末尾の宇治十帖の最終帖の名前です。主人公が光源氏から、浮舟、薫、匂宮へと変わり、二人の男性が向ける好意に揺れ動くヒロイン浮舟。自殺未遂をするほど思い悩み、最終的に二人を振り切り、出家し姿を消します。
そこからタイトルを取っているのでしょうが、浮舟の迷いがこの曲に表現されていているようでいたたまれなくなります。
そのような物悲しい曲ばかりでなく、「極彩色」というアルバムタイトルを裏切らず、”四季彩”という曲では希望に満ちた未来に向けて走り出す人への応援歌のようで、「もう立てないと 嘆く君はいつだって美しい」というフレーズには励まされ、前を向けた事がある経験があるファンも多いはず。
今後、鳴ル銅鑼が描く感情から目が離せません。

SIX LOUNGE

シックスラウンジは2012年に結成されたロックンロールバンド。
次に紹介するバンドはは大分県出身のSIX LOUNGE。20歳ほどの3人編成のバンドですが、抜群の演奏力で一度聴いた人の印象に強く残ります。
特徴は、躍動感のあるメロディーラインと心地良いほど伸びのある声。ボーカルのユウモリさんの声はライブハウスならマイクがいらないのではないかと思う程大きく、ドストレートにリスナーに届いてきます。しかし一方、じっくり歌詞カードを読んでみると、実はくすぐったいくらいのクサいセリフが並んでいます。聴いてるだけではロマンチックな歌詞に気づくことができないのは恐らく、メロディーが魅力的で音に酔いしれてしまい、歌詞に意識を向けきれないからではないかと思うほど。
SIX LOUNGEは、もうすでにSIX LOUNGEでしか許されない音楽を見つけ、鳴らしています。ライブ中は3人が向き合うことは少ないものの、それぞれがガムシャラに音を鳴らしていいます。様子を確認しなくても呼吸がぴったり合っていることにも驚きます。今でも十分な演奏力と魅了する音楽ですが、個人的にはバラードや昭和の歌謡曲あたりの楽曲も軽々と自分たちのものにしてしまうのではないかと思います。そのくらい大きな可能性を描ける今大注目のインディーズロックバンドです。余談ですが、地元の大分県にある某CDショップでは、特設コーナーが長期的に作られていました。きっと、メジャーデビューも近いはず。
おすすめしたいアルバムは2016年3月23日に発売された1stフルアルバム「東雲 [ SIX LOUNGE ]」。1stアルバムにして既にハイクオリティ。SIX LOUNGEの凄さを感じることができると思います。曲数も12曲とたっぷり収録されているので、文句なしのおすすめアルバムです!

The Cheserasera

ザ・ケセラセラは2009年に結成された3ピースロックバンドです。
昨今、特徴的なバンド名や変わった歌詞・変わったビジュアル・変わった曲構成、そんなバンドが多く目立つ世の中になってきました。
そんな中でひたむきに「音楽」と向かい合うThe Cheseraseraをまずはおすすめしたいと思います。
ボーカル・ギターを担当する宍戸翼のハスキーな声とひかえめだけど印象的なギター、耳に残るベースをなぞる西田裕作、情熱的で個性的なリズムで支えるドラム・美代一貴のスリーピースバンド。リズム隊の二人はクリープハイプのボーカル尾崎世界観とバンドを組んでいた過去もあったりと、背景も興味深いです。The Cheseraseraの一番の強みは、どこか懐かしく切ないメロディラインだと思います。
最新のフルアルバム「dry blues [ The Cheserasera ]」収録の”Bluse Driver”では、一昔前のロックバンドを彷彿とさせるセンチメンタルなイントロが鳴っています。
歌詞はほとんどボーカルの宍戸翼が書いているのですが、表現力がとても豊か、独りよがりでも他人任せでもない独自の視点から描かれています。書き物としての魅力も十分にあり、ぜひ歌詞カードを追いながら聴きたい楽曲ばかりです。また、メロディラインに歌詞がすっぽりと収まっており耳心地が良く、聴いていて飽きが来ません。
ネクストブレイクと言われ続けるThe Cheseraseraが本当にブレイクしてしまう前に、音源を聴いて、ライブに来てみてはいかがでしょうか。
絶対にあなたの頭に、心に残る音楽がそこにはあると思います。


永原真夏

SEBASTIAN Xのボーカルとして活躍していた永原真夏のソロプロジェクトです。
現在は永原真夏+SUPER GOOD BANDとして名を連ねて活動しています。
愛らしいベビーフェイスからは想像もつかないようなパワフルな歌声は、初めて聴いた人を余すことなく魅了します。高く明るい彼女の声を聴けば、たとえ深く沈んだ夜でも自然と笑顔がこぼれるような、キラキラとした感情で胸がいっぱいになるでしょう。
永原真夏+SUPER GOOD BANDは、メンバーがそれぞれ多様な音楽をバックグラウンドに持っていることで、音楽の幅がとても広いです。
さらに彼女の書く歌詞はとても独創的、「星」「花」「動物」「食べ物」、そんなワードがたくさん登場します。言葉の羅列がとても綺麗で、歌詞をただ眺めているだけでもポロっと涙が出たり、優しい気持ちになれたりすることができます。
そんな永原真夏のおすすめしたいアルバムは「オーロラの国 [ 永原真夏 ]」。
1曲目に収録された、アルバムタイトルでもある”オーロラの国”は、まさに永原真夏の真骨頂といった雰囲気。国境も人種も性別もみんな飛び越えて、「私はいつでもあなたの味方でいるよ」。そんな印象を与えてくれます。
歌うために生まれてきたような、そんな永原真夏の音楽に触れてみてはいかがでしょうか。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
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