GLIM SPANKYインタビュー 最新作『BIZARRE CARNIVAL』で2人は「好き」と「時代」にどのように対峙したのか

    満を持して、と言っていいだろう。自らがいま鳴らすべきであると信じる音に対してより深く、より大胆にアプローチが成された作品だ。2ndアルバムまでを「GLIM SPANYはロックをやるバンドだ」という自己紹介と位置づけていたという2人が、それを達成した今放つ3枚目のフルアルバム『BIZARRE CARNIVAL』は、ミニアルバム『I STAND ALONE』から引き続き、趣味全開。作品全体を怪しげで魅惑的なサイケデリアが彩り、ジャンルとしてのロックの多彩さとその歴史、本質的な魅力をあらためて我々に突きつけるような作品となっている。かといって、(毎回そうだが)決して懐古趣味に終始するわけでも、アンダーグラウンドに寄り過ぎるわけでもないあたりがこの人たちの鋭敏なセンスの表れ。言い換えればそれは、自らの鳴らしたい音と“今”という時代との付き合い方、立ち位置の妙でもある。今回は、その辺りを軸に訊いてみた。
    ——1年ぶりのフルアルバムですけど、間にミニアルバムを挟んでいたせいか「もうフルアルバムか!」という印象でした。
    松尾レミ(Vo/Gt):ですよね(笑)。
    亀本寛貴(Gt):我ながら出すペースは早いですね。でも、人によっては「創作にはペースってものがあるんだよ」「そんなに早く出せないよ」っていうケースもあると思うんですけど、自分の作った曲をメジャーでリリースしてもらえるって、ミュージシャンとしてとてもありがたいことで。
    松尾:ぶっちゃけ曲を書くのがキツイこともありますけど、でも「やろう!」って思えるのはそこです。だって、自分の書いた曲についてこうやって話す場があるだけで楽しいですもん。
    ——どんなに自信作が生まれてもそれを世に出せない人の方が多いですからね。
    松尾:そう、そうなんですよ。その点、今回はできた曲を片っ端から全部入れられましたから。いつもそうなんですけど(笑)。
    ——普段、曲のストックとかってあまり無いんですか。
    松尾:もう、まったく無いです。
    亀本:デビュー前に作った曲で未発表のものは数曲あるんですけど、全部ドヨーンとした暗い曲ばっかりなので、まとめて出すわけにもいかなくて少しずつアルバムに入れていってる状態です。
    松尾:今回でいうと「Velvet Theater」がそうです。基本的にわたしは1曲作るのに精一杯で、それをストックに回す余裕を今まで味わっていないので。できた曲は全部入れるっていうスタンスでやり続けてますね。
    ——ということは、GLIM SPANKYの作品は基本的に、その時点で2人の最新モードが反映された曲たちばかりで構成されているわけですよね。今回はこれまで以上に音楽的に深く踏み込んだ印象のあるアルバムですけど、スタートラインはどんなところからだったんでしょうか。
    松尾:やっぱり前作の『I STAND ALONE』がキーになっていて。『I STAND ALONE』を作ったときには(今作の)7曲目の「Sonntag」とかは既にレコーディング済みだったし、並行して作っていたというか、ミニアルバムからアルバムまでが一つの作品という感覚です。それと最初からタイアップのついた曲は無かったので、今の気分で作ろうと思った2曲目(「BIZARRE CARNIVAL」)や3曲目(「The Trip」)はもうわたしの趣味全開の曲なんですけど——
    ——ですね。
    松尾:(笑)。これができたことによって、いろんな意味のサイケデリック感——シタールが入ったエキゾチックな感じもあれば、ふわっとフォーキーで摩訶不思議な感じとか、いろんなサイケ感を入れられたので、そこを軸に「もうちょっとキャッチーな曲を入れよう」「こういうノリがほしい」とか、2人からネタがちょっとずつ出てきて、自然な流れで全体像が見えてきましたね。
    GLIM SPANKY 撮影=風間大洋
    ——全体的な空気としては前作のサイケデリック路線が踏襲されてますよね。
    松尾:はい。元々サイケミュージックを聴くのは個人的趣味だし、これが一番わたしのナチュラルな顔かなと思っていて。とはいってもマニアックな世界なので、例えば邦楽が大好きでフェスしか行ったことがない女の子に、いきなりこれを聴かせたとしても、すぐには飲みこめないですよね。だから、わたしの好きなサイケ感を出しつつもちゃんと名刺代わりになる作品を作ろうというのが1枚目と2枚目のフルアルバムだったんですけど。そこで自己紹介は終わったので、もう一歩奥に踏み入れる曲があってもいいんじゃないかな?という思いが、『I STAND ALONE』をリリースしてからより明確に膨らんできたんです。
    ——それが自然とできるタイミングであり、やってもいいタイミングだったと。
    亀本:そう思いますね。
    松尾:そこで一応、二人の間で現代におけるサイケ感をもう一度ちゃんとアピールしようという意思統一はあったんですけど、その中で具体的にどんな曲を作るべきなのかを最初から細かく分かっていたわけではないというか。それはもう気分に任せました。
    亀本:最初は「次はこういう曲を作ろう」とか決めてからやってたんですけど……レミさんが結局、それを無視して2曲目とか3曲目を作ってきたんだよね?
    松尾:そうそう。もうやりたい放題やってました(笑)。
    ——「BIZARRE CARNIVAL」なんて、もろに『マジカル・ミステリー・ツアー』あたりのビートルズ的な音ですからね。
    亀本:本当にほぼ『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』『マジカル・ミステリー・ツアー』期のビートルズのオマージュに近いです。
    松尾:以前、ユニバーサルから出たビートルズのカバーアルバム(『「Hello, Goodbye」』/2016年)に1曲参加させてもらって「サージェント・ペパーズ~」をカバーした経験から、こういう世界観に対する自分たちなりの答えができあがったので、それを自分たちの音楽にもちゃんと昇華したい、ちゃんと作品として出したかったんです。
    ——それが今の自分たちが鳴らしたい音なんだ、ということだと思うんですけど、それと同時に“2017年に鳴るべき音かどうか?”という意識はありました?
    松尾:2017年に限ったことではないかもしれないですけど、現代ってすごくたくさんのメディアや遊びがあふれていて、現実から逃避する術がいろいろあって。でもそれってロックでもできることじゃないですか。そこから希望をもらって、新たに前向きに生きられたりとか、リラックスできたり、自分をブラッシュアップできるものでもあるよっていうことのアピールが、私たちにとって今するべき表現なんじゃないかっていう思いがあったんです。
    今回はわかりやすく“サイケデリック”っていう言葉で表してますけど、ロックって総じてそういうもので。いくら仕事で疲れていたとしてもライブに行けばハイになれるし、そういう心の拠り所になれるのがロックの大きな魅力だから、わたしたちがこういう表現をすることによって、ロックのかっこよさや「こんな世界にも連れて行けるよ」っていうことを改めて歌いたかったんです。
    亀本:でも、「2017年の最新の音にしたい」みたいなことはあまり考えてないかもしれない。何故今の時代にこれをやるのか?ってことは、あまり考えてもしょうがないというか、好きだからやっているだけなんですよ。結局、かっこいいものは時代とか関係なくかっこいい。じゃあ2017年的な新しい音ってなんだよ?って考えたときに、今フェスでヘッドライナーをやるバンドの音が最新というわけでもないじゃないですか。海外のシーンを見ても、やっぱり過去にあった素晴らしい音楽をそれぞれの解釈でうまくアレンジして美味しい料理を出すっていうことをしていて。ロックってそういうものだと思うから、自分たちの音楽を作るときもあまり……いや、まったくそこは考えてないですね。
    GLIM SPANKY 撮影=風間大洋
    ——アレンジの中で音色を決めるときとか、無意識的かもしれないけど「これはダサいな」っていう選択肢を排除していって、だんだんとイケてると思える方向に進んでいくと思うんですけど、その判断基準もやっぱり過去にあったかっこいい音、好きな音をどう解釈するのか?っていう料理の仕方ですか。
    亀本:その通りだと思います。それは理屈とかではなく感覚的に「これはダサいからやめとこう」であったりとか。
    ——ただ、その今の「ダサい/かっこいい」と、例えば2~3年前の亀ちゃんの基準とでは違いますよね?
    亀本:めちゃめちゃ違うと思います。最近は、普通だったら「ダサい」で片付けてしまうものをもう一回考えてみることもするようになりましたし。色々な音楽を聴いた蓄積がどんどん溜まっていく中で変わってきて、かっこいいと思っていたものがダサいと感じるようになることもあれば、その逆もあって。それはその人の音楽の歴史とか、音楽シーンとの関わり方によって、どんどん変わっていくものだと思うので、流行り廃りとかよりは、僕のパーソナルな感覚なのかなっていう気はします。
    ——そういう意味では、2017年現在の2人のセンスや感覚が作品には反映されているはずで。でもことさら今のシーン、周囲の状況を意識することはなく作っていったということですね。
    松尾:うん、シーンのことは考えてないです。歌詞も考えるときには、現代において自分がいま音楽で伝えたいことは何なのか?っていう、答えは持っているんですけど。
    ——レミさんの言うところの「いま」って、時代性ってことですよね?
    松尾:そういうことです。時代性は考えますけど、シーンのことは考えていない。
    亀本:そうそう。だから最先端の音みたいなことはガン無視してる。
    松尾:時代性を反映させた自分の主張は考えてるけど、これが最新の音だからやるべきだとかは、全く考えていないっていう(笑)。
    ——わかります。……ところでお2人は今年のフジロックいきました?
    2人:行きました!
    ——フジでもキャット・フィッシュ・アンド・ザ・ボトルメンとか、レモン・ツイッグスのようなロック色の強いバンドが良いライブをしていた一方で、2017年的な音という評価をされるようなアクト——The xxとかアヴァランチーズみたいな、わかりやすくロックしてるわけではないアーティストの方が大きいステージで、お客さんが入るという現状があって。
    亀本:そう、フジ“ロック”なのにヘッドライナーも全然ギターロックじゃないですしね。
    松尾:本当だよね。
    ——そういう時代背景もある中で、そのことも分かっている2人が2017年に作ったのはこういうアルバムだった。なので、そのあたりの思惑を知りたくてこんな質問をしてるんですけど。
    松尾:ああ、なるほど! ……まぁ、普通にこういうロックが好きだからなぁ(笑)。
    亀本:そうだねぇ。そこはどうしようもないからね。
    松尾:テンプルズやレモン・ツイッグスにしても、彼らの表現は昔からあるロックの王道ですけど、それが今注目されているわけで。結局はその曲、そのアーティストがかっこよければ関係無いのかなって思うんですよ。何が流行っているかとか、HIP-HOPがアメリカでキてて日本でもストリートファッションが流行ったからといって、そういう音楽を取り入れようとかは、全くない。本当にやりたければやるのかもしれないですけど。
    亀本:うん。好きだったらね、いいんだけど。
    松尾:かっこいいと思うけど、別にそこに迎合はしないなっていうのが、今のわたしたちです。
    GLIM SPANKY 撮影=風間大洋
    ——この作品を聴いた上で、その答えは色々腑に落ちますね。もう少し中身についても触れていきたいんですが、まず作詞に関してはどうでしたか?
    亀本:めっちゃ悩んでたよね?
    松尾:うーん、常に悩んでるからな(笑)。でも2、3曲目あたりはすごく楽しんで書いたし、6曲め7曲めとかも好き勝手書けて。
    亀本:どれが大変だった?
    松尾:1曲目と8曲目……元気いい曲が大変で(苦笑)。こういうタイプの曲って、本当に心の底から思って魂を振り絞った歌詞じゃないと、格好がつかないなっていう思いが自分の中にあって。だから、それぐらいまで自分を追い詰めて、何が伝えたいかが明確になってから書けるんですけど、それまでの“追い詰め期”が辛いというか、そのテーマを自分の中から見つけだすまでの時間が結構長かったなぁと。
    ——4曲めの「吹き抜く風のように」はどうでした? リード曲ですけど、「宗教」とか「戦争」っていう刺激的なワードをサビで歌っているのはどんな背景があったのか気になって。
    松尾:これはある出来事がありまして、今年の春に祖父が他界したんですけど、自分にとっては家族が他界するのが初めての経験で。わたしは、普通にお坊さんを呼んでお経をあげてもらって、お墓を建てて——っていうことを想像して行ったら、どうやらウチは完全に無宗教らしくて、お葬式もやりません、お別れ会みたいな感じでやるよって言われて。
    自分は日本で育ってきた中で、知らない間に仏教的な習慣が身についていたから、完全な無宗教って何?ってなってしまったんです。お別れ会もすごく自由で、わたしもライブしたりとかで、その最中は特に何も感じなかったんですけど、いざ祖父がお骨になったときにはやっぱり手を合わせたりしちゃうんですよね。でも、それって仏教のやり方で。じゃあ、無宗教だったらわたしはどうしたらいいんだろうと。
    亀本:まず魂はどこにあるんだろう?みたいな概念の話にもなるもんね。
    松尾:そう。それが結構ショックだったんですよね。でも、心の拠り所は絶対どこかにあると思うんですよ。別にそれは普段宗教を信じているか/いないかっていうことよりも、そういうタイミングで自分を納得させられる何かがあるかどうかっていうことで、それが無いことがすごく不安だったし、「じゃあ、おじいちゃんは何処に行っちゃったんだろう」「何になったんだろう」ということを思って。そのときにちゃんと自分自身を持っていないといけないなと感じたんです。そのことをそのまま歌詞にしたので、<どこにもない 縛られるものなどない>、わたしには宗教もないし、戦争もやらないから、吹き抜く風のように自由なんだけど、その代わり、より自分をちゃんと持っていなければいけないっていう歌詞になりました。
    ——なるほど。そして、サウンド面の感想としては、音と音の隙間をこれまで以上に意識しているのかなと思ったんです。足し算引き算の具合が絶妙というか。
    松尾:結構、そこはこだわったよね?
    亀本:今まではなんというか……これまでのGLIM SPANKYの状況を考えると、初めて曲が流れたときに他の曲と違いすぎないことが武器になってたと思うんですね。全く名前が知られていない状況で、他と違わなく聴けるっていうことがまだ必要なポジションだったんですよ。なので、「怒りをくれよ」も「褒めろよ」も音楽的に自分たちの好きな方向性でありながら、あえて今ポピュラーとされている他の曲と並んでも大丈夫な音にしていこうと。
    ——違和感を感じさせすぎないように。
    亀本:一緒に流れたときに「わたしはこっちが好き」って選べる状況にしようと意図的に考えてました。で、それが結果的にほぼ達成されたときに、次のステップに行くにはまわりと全然違うことをして存在をより際立たせていくことが必要だと思ったので、今作からは全く考え方を変えていて。別に(隙間が)埋まっていなくても良しっていう判断をするようにはなりました。
    松尾:以前は、ラジオとかで流れたときのことを考えて、わたしたちも音の迫力とかの部分をちゃんと出していかないといけないって思っていて。
    亀本:僕らが初めてビートルズとかを聴いたときに「音がボヤけて聴きづらい」って思った感覚と同じように受け取られたとしたら、そんなことだけで弾かれてしまうのが損だから。
    松尾:これまではそういう思いもあったんですけど、もう“GLIM SPANKYはロックをやるバンドである”っていう自己紹介が終わったので、より深いところへ。もっと違いを出していこうっていう部分を突き詰めていったのが今回のアルバムですね。
    ——写真でいうコントラストとか彩度を意図的に上げて高精細にしていたわけですよね、これまでは。
    松尾:ああー、そうそう! ちゃんとハッキリ見える綺麗な写真に。もちろん歪さはありながらも、みんなが写真を見たときにできる限りちゃんと「綺麗な写真だな」って思ってもらえる解像度にしていたところを、今度はそこに入る粒子の粗さとか、フィルムの質感みたいなもの——自分たちが本来持っていたものにどんどん近づけてきている途中みたいな。
    亀本:そこでいえば、より毛穴の奥の奥まで見えるくらい解像度を上げていって突破するのか、そことは違うベクトルで勝負するのかっていう分かれ道は自分の中にもあったんですけど、元々の僕が「画質粗々くん」だから(笑)、そこを頑張って上げていくより、強みで勝負しないとダメだろうと思ったんです。毛穴の奥まで見えるようにするには、元が粗すぎる(笑)。
    松尾:そうそう。
    ——この機種には向いてないな、と(笑)。
    亀本:(笑)。だとしたら完全に違うベクトルで、「全然違うものですよ」って勝負したほうが差別化になるし、この先10年、20年でバンドが地位を確立して世界に出ていくためには良いことだと思ったんです。
    松尾:だからこそ、より自然体な音楽ができるようになりました。そこがリラックスして制作できた要因でもあるし、わたしはこのアルバム、すごく大好きですね。
    亀本:だからといって、よりマスに届く大衆的な音をやらなくてもいいやとは一切思っていなくて。こういう音楽であってもどこか大衆に届くようなものを目指していきたいんですけど。
    松尾:こうやって少しずつ知ってくれる人が増えている状況、音楽をリリースできる立場にある中で、より音楽的な部分を増やしていって、それをメジャーのバンドとして世間に提示することが、今後の日本の音楽シーンにとって大事なことなんじゃないかって、すごく思っていて。この業界において今そういう挑戦をできることがGLIM SPANKYの強みなんじゃないかとも思うんです。もちろん、みんなに届けたいし、いろんな人に聴いてほしいのは大前提の上で、新たなロックの引き出しをちゃんと日本に植え付けたい。画質が綺麗なものも良いけど、全然違う方向性のものも同じくらい大事だよっていう風に見せたくて、こういうバランスになりました。
    GLIM SPANKY 撮影=風間大洋
    ——さっきも出ましたけど、そのアプローチを続けることが差別化、独自性にも繋がりますからね。
    松尾:そうですね。自分が一音楽リスナーとして思うことですけど、メジャーになってどんどん綺麗になりすぎちゃって「機械でやってるんじゃないの?」っていうサウンドになっていく音楽もあれば、逆にメジャーに絶望して「地下でいいや」ってマニアックすぎる方向にいくバンドもいる中で、わたしたちはそのどちらでもないと思っていて。すごく大衆的な面も持ちつつ、ちゃんとバックボーンを持って深いところまでちゃんと表現できる……全てを兼ね備えた表現は必ずできるはずだって信じているので、そこを挑戦し続けてます。
    亀本:そういう意味では、やっぱり強力な一曲っていうのは必要だから、今作でいう「美しい棘」みたいな曲を常に作り続けていく必要性はあると思う。……たとえばエレファントカシマシとか斉藤和義さんのライブを観て感じたんですけど、強力な曲がありさえすれば、たとえ自分たちの趣味全開であろうが演奏がヤンチャであろうが、あまり関係なくて。いい曲でさえあればちゃんと届くんですよ。だから僕らはこういうアルバムを作っても、「ちょっと毛穴の奥まで見える作品にはセールス的に及ばないだろうな」みたいな感覚にはなってないよね?
    松尾:うん。逆にこういうのが王道だぜって出ていけるような業界にするというか、そこにずっと挑戦していますね。
    ——これまでのインタビューで話してくれたことと、根本は変わっていないんですけど、それがより音にも反映されて、いよいよ焦点が絞れてきている気がします。
    松尾:ありがとうございます!
    ——ライブについても少し。ちなみに今回、使用している楽器の数って結構多いですよね?
    亀本:実際はそこまで多くはないんですけど、ギターだけでやってない感は一番出てると思いますね。
    ——使う音の制約を外したということですか?
    亀本:元々そんなに制約は設けてないんですよ。単純に僕が使いこなせるようになっているという。日に日に。
    松尾:パソコンをね。
    亀本:そう。一曲目とかもクラップとキックは打ち込みで入れていて、そういうこともだんだん覚えてきましたね。
    松尾:たとえばコンガとか、そういう大地を感じさせる音とロックの融合——ローリング・ストーンズもそうだし、ベックみたいにああいうHIP-HOPみたいなノリの中にアフリカンな要素があるのもすごくイケてるなっていう感覚があったので、亀がコンガを打ち込んできたときに「これこれ!」って。あとは「白昼夢」ではゴミ箱とかソファの脚を叩いた音を録音して入れたりしたし、色々と遊びました。
    ——そういう色んな音が入ってるから、ライブでどうするのかな?って思ったんですけど、考えてみたらそもそも2人編成だから、いつもいるメンバーに1人増えても2人増えても大丈夫なんですよね、GLIMは。
    松尾:そうなんですよ。
    亀本:足してる楽器がピアノやストリングスだったら生でちゃんと弾いてもらわないとダメな感じですけど、(今作は)大体がショボいシンセとかなので(笑)、場合によっては同期で全然大丈夫……というか替えが効くので。そこはあえてそうしてます。「BIZARRE CARNIVAL」のメロトロンなんかはちゃんとライブでも生で再現したいですけど。
    松尾:コンガの人がいてもいいかなと思いますしね。そういう意味では今作はライブでの再現に楽しみが大きいです。
    ——ツアーも控えてますからね。今年は全体の公演数も多いですし、前回のファイナル会場だった新木場STUDIO COASTが、今度は2Daysということで。
    松尾:はい。しかもお正月明けてすぐっていう(笑)。去年のコーストは本当にシンプルに映像とかも使わずに表現しましたけど、せっかくアルバムでサイケデリックで幻想的な世界を作れたので、今年はライブでも——
    亀本:何かやりたいよねぇ。
    松尾:うん。もしかしたらゲストを入れるかもしれないし、映像も何か流すかもしれないし、そういうロックでトリップできるステージにしたいなと思ってます。20箇所全部で再現できるかはわからないですけど、やっぱり大きい会場ではやれたらいいなって。これから考えていくところです。
    亀本:自分は家から出るのが苦手なので、これだけ長いツアーは大丈夫かな?と不安にも思いつつですけど(笑)、良いライブができるようにがんばります! ……こんな雑魚そうな感じで大丈夫?
    松尾:雑魚そうなところはカットしておいてください(笑)。

    取材・文・撮影=風間大洋
    GLIM SPANKY 撮影=風間大洋
    イベント情報
    3rdフルアルバム『BIZARRE CARNIVAL』

    9月13日(水)発売

    『BIZARRE CARNIVAL』

    【初回限定盤(CD+DVD)】¥3,700+税
    TYCT-69116 CD+DVD
    *CDは11曲収録
    ≪CD≫
    1. THE WALL
    2. BIZARRE CARNIVAL
    3. The Trip
    4. 吹き抜く風のように
    5. Velvet Theater
    6. END ROLL
    7. Sonntag
    8.ビートニクス(映画『DCスーパーヒーローズ vs 鷹の爪団』主題歌)
    9. 美しい棘
    10. 白昼夢
    11. アイスタンドアローン
    ≪DVD≫「GLIM SPANKY 野音ライブ 2017」
    (2017.06.04 日比谷野外大音楽堂)約60分収録予定
    【通常盤(CD)】¥2,700+税
    TYCT-60107 CDのみ
    *初回限定盤CDと同じ内容
    iTunes
    ダウンロードURL:http://po.st/it_glim_bc
    レコチョク
    ダウンロードURL:http://po.st/reco_glim_fuki
    mora
    ダウンロードURL:http://po.st/mora_glim_fuki
    ツアー情報
    全国ツアー『BIZARRE CARNIVAL Tour 2017-2018』
    10/14(土) 長野県 長野 CLUB JUNK BOX  開場17:30 開演18:00
    10/15(日) 長野県 松本 ALECX 開場17:30  開演18:00
    10/20(金) 熊本県 熊本 B.9 V1 開場18:15  開演19:00
    10/22(日) 福岡県 福岡 DRUM LOGOS  開場17:00 開演18:00
    10/28(土) 北海道 札幌 PENNY LANE24 開場17:30 開演18:00
    11/3(金・祝) 京都府 京都 磔磔 開場17:30 開演18:00
    11/5(日) 広島県 広島 CLUB QUATTRO 開場17:15 開演18:00
    11/11(土) 石川県 金沢 EIGHT HALL 開場17:30 開演18:00
    11/12(日) 新潟県 新潟 studio NEXS  開場17:30 開演18:00
    11/17(金) 宮城県 仙台 Rensa 開場18:15 開演19:00
    11/18(土) 福島県 郡山 HIPSHOT JAPAN 開場17:30 開演18:00
    11/23(木・祝)大阪府 大阪 なんばHatch 開場17:00 開演18:00
    11/25(土) 岡山県 岡山 YEBISU YA PRO 開場17:30 開演18:00
    11/26(日) 島根県 松江 B1 開場17:30  開演18:00
    12/2(土) 高知県 高知 X-pt. 開場17:30  開演18:00
    12/3(日) 香川県 高松 DIME 開場17:30  開演18:00
    12/9(土) 静岡県 清水 SOUND SHOWER ark  開場17:15 開演18:00
    12/10(日) 愛知県 名古屋 DIAMOND HALL 開場17:00 開演18:00
    【2018年】
    1/5(金) 東京都 新木場 STUDIO COAST 開場18:00 開演19:00
    1/6(土) 東京都 新木場 STUDIO COAST 開場17:00 開演18:00
     

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