【ライヴレポ】SUPER★DRAGONが自身
最大級のキャパでツアー完走!成長し
続ける9人の若き昇り龍

ヘヴィロックを基軸にHIP-HOPやクラブミュージックも取り込んだ独自の音楽性で魅せる9人組ダンス&ボーカルグループ・SUPER★DRAGONが、5thワンマンツアーを18日に東京・豊洲PITで、27日に大阪・Zepp Osaka Baysideで開催。彼ら史上最大級のキャパシティで『MYSTIC BOOK』——すなわち“神秘の書物”なるタイトルを掲げ、時空を超えた物語仕立てのライヴを展開しながら東京では結成2周年イベントの開催、大阪では3rdシングルのリリースも発表して、若き昇り龍の勢いを示した。
7月に発売した2ndシングル「ワチャ-ガチャ!」はTBS系アニメ『トミカハイパーレスキュー ドライブヘッド〜機動救急警察〜』の主題歌に起用され、オリコンウィークリーチャートでも5位を獲得。要注目ティーンエイジャーたちのステージは“書き込んだ願いが必ず叶うという夢の本”に、オーディエンスの想いを代弁してひとりの年老いた外国人男性が“SUPER★DRAGONに会いたい”と書き込む映像で幕を開けた。その願いに応えるべく、仲間同士の絆を熱く歌うロックチューン「BROTHERHOOD」で登場した彼らが放ったのは、洸希のカミソリのように鋭いヒューマンビートボックスに、ジャンや和哉の挑発的なラップ。攻撃力の高いヘヴィサウンドをベースに、それはメロディックで抜けの良い毅&彪馬の歌唱と相まって、フロアを拳とペンライトが入り乱れるカオスへと変化させる。
加えて「ZEN-SHIN-ZEN-REI」では東京で楽と壮吾が、大阪では洸希と毅がソロダンスをキメて観る者の五感を刺激。こうしてそれぞれが得意分野を駆使して、十代とは思えない高いスキルを融合させていくのがSUPER★DRAGONの最大の魅力であり、驚くべきはダンスの切れ味も気合漲るオーラも、東京公演から大阪公演までのわずか9日間でも着実にレベルアップしていたこと。MCでも颯の「盛り上がらないとつまみ出すぞ!」という持ちギャグをアレンジして、セクシー担当の彪馬は「盛り上がらないと連れて帰るぞ」と囁き、武士キャラの和哉は「盛り上がらないと切り捨てるぞ!」と言い捨てるなど、それぞれの個性を露にするのも頼もしい。
その後も歌舞伎の動きと音を取り入れた「BIG DIPPER」、ボルテージが上がり切ったところで玲於がメンバーを発射台に大ジャンプする「Mada’ Mada’」、ジャンの先導でファンとのコール&レスポンスを繰り広げる「BAD BOY」など、ヘヴィロックにHIP-HOPのみならず、様々な要素を取り入れた新感覚のミクスチャーサウンドに会場は熱狂。9人という大所帯を活かして、年長組のファイヤードラゴンと年少組のサンダードラゴンという2チーム編成に分かれてのステージも今年は数多く行ってきただけに、それぞれのレベルアップも著しく、9人が一体となってのフォーメーションダンスもダイナミズム満点だ。
中盤からの芝居パートでも、初挑戦のパフォーマンスが満載。“夢の本”を発見した9人が自分たちのため、ファンのためになることをやるべく“今まで見た事ないメンバーでライヴをする!! ”と書き込んで現れたのは、なんとファイヤードラゴンとサンダードラゴンをシャッフルしてのRAPチーム&EDMパリピユニットだ。前者で玲於、颯、洸希、和哉がそれぞれ自分で書いたラップをマシンガンのように放てば、後者では「ここはラスベガスだ!」と叫んでレーザーを操るDJジャンを背に毅、壮吾、彪馬、楽が電飾付きのシューズでスポーティに踊ってみせる。さらに、ファイヤードラゴンの面々が”サンダーでアカペラ”と書けば、サンダードラゴンの5人でファイヤードラゴンの持ち曲「MIKAZUKI」をアカペラ合唱。洸希のボイパも交えた美しいハーモニーに、場内からはどよめきと拍手喝采が湧いた。
そして最年少の楽が“ファイヤーで和太鼓”と書き込むと、なんと舞台には4つの和太鼓が!法被姿のファイヤードラゴン4人が横一列に並んで、勇ましい掛け声と共に力強く大太鼓を打ち鳴らし、その鬼神のように鋭い眼差しがモニターに大映しになるたび歓声が起こる。双方共に2公演目の大阪ではさらに完成度が上がっていたのは言うまでもなく、これまで見たことのない彼らの新たな一面と成長に驚かされるが、反面、そこに差し込まれるリハーサル映像ではジャンいわく「まるで動物園」のように和気藹々とじゃれ合う9人の姿が。アドリブをふんだんに交えた自然体の芝居パートといい、そこで露わになるそれぞれのキャラクターといい、メンバー間の空気感の良さもまた、彼らの進化の大きなエネルギー源であるに違いない。
物語の半ばでは階段から落ちたジャンに、なんと玲於がマウストゥマウスの人工呼吸をするくだりまで!そんなコミカルな場面を交えればこそ、SUPER★DRAGONならではのドープな一面も際立ってくる。ジャンのラップで攻め切り、ゲームコントローラーを手にしてのダンスでバーチャルとリアルの狭間を表現するEDMチューン「Mr.GAME」は、「ワチャ-ガチャ!」収録の新曲にもかかわらずイントロが鳴った瞬間から大歓声。続いて仮面をつけてのオープニングが途方もなくクールな「hide-and-seek」も含め、9人が目まぐるしくソロダンスを繋ぐパフォーマンスは圧巻だ。また、大阪公演では客席に下りてのパフォーマンスも随所に盛り込まれ、「ワチャ-ガチャ!」では間近で踊るメンバーにファンも大興奮。
さらに、バイクをモチーフにしたダンスが楽しいサンダードラゴンの人気曲「リマカブロ!」で彪馬のボーカルと洸希&和哉で掛け合うビートボックスがパンチ力抜群に炸裂すれば、ファイヤードラゴンによるライトフィートを融合した新曲「Get Lite!」では颯を中心にハットを使ったトリッキーな動きでも魅せる。ファイヤー対サンダーの対決感を全面に押し出して高揚感を煽る「Pendulum Beat!」を挟み、毅&彪馬の情感のこもったアカペラで始まった「KITTO→ZETTAI」では壮吾を先頭に千手観音を模したダンスからジャンと和哉がラップをリレー。そこに飛び込んでくる再会を約束するリリックに、オーディエンスの胸は熱くなるばかりだ。
ポップからハード、そして感動的な誓いへとドラマティックに展開して、しかし、ここでエンディングとはいかないところがSUPER★DRAGONというもの。最後に「+IKUZE+」でタオルを振り回すフロアを、ファイヤーチームとサンダーチームに分けて声出し対決させれば、アンコールのトークも絶好調。大阪で感極まった毅が「今、夢のような景色が広がっています。SUPER★DRAGONはメンバー9人で結婚しているようなもの」と話して、ジャンが「結婚するなら新婚旅行より新婚ショッピングがいい」と繋げた「SHOPPING TIME」では、ショッピングバッグから駄菓子を雨あられと投げ込み!ちなみに最近は“イケメン鉄オタ中学生”としてもテレビ出演している壮吾は、駄菓子ではなく吊り革を取り出していた(笑)。
ラストのダンスチューン「PAYAPAYA」でも大いに騒ぎ、大阪では颯と和哉が拳法と殺陣で闘い始めたり、それを受けて毅が「わけわかめー」と歌い変えたりと柔軟にパフォーマンス。そうしてメンバーが心からライヴを楽しんでいる様子はオーディエンスにも伝わって、大きな充実感をもたらしていた。一方、東京のMCでは集まったファンに対してそれぞれが真摯な感謝を述べ、彪馬は「今、ここにいるみなさん、来られなかった方、まだ出会っていない方、みんなを次のステージへ連れていきたい」と、ジャンは「世界に通用するSUPER★DRAGONというジャンルを確立したい」と頼もしく宣言。若さゆえの自由さと野望に、若さに似合わぬ思慮と覚悟——そのアンバランスこそが今のSUPER★DRAGONの魅力であり、エンドロールでは映像中の老人は実は60年後のジャンだったというネタばらしに会場中が湧いた。
彼らのネクストステージは10月9日の結成2周年記念イベント『DRA FES 2017〜2nd Anniversary〜』と、来年1月にリリースされる3rdシングル。未来のジャンから贈られた“夢を叶えられるのは、その夢に向かって努力することができる者だけ”というメッセージを、きっと今後の活動を通じてSUPER★DRAGON自身が証明してくれるはずだ。
写真/笹森健一(東京公演)、牧野孝彦(大阪公演)、文/清水素子

ランキングBOX

“気になる人の気になるランキング”をテーマに、様々な分野の著名人へ直撃した「MY BEST3」を紹介!オリジナルのランキングインタビュー記事をはじめグルメなどのトレンド情報やエンタメなどのストレートニュースなども毎日配信中です。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着