なぜ今の音楽シーンでヒップホップが覇権を握っているのかが分かった気がする。G-EazyがFワードを連発しながら僕らに伝えたのは、直情的でイノセントなメッセージ。

ラップは「言葉」なのだということを改めて知った。猥雑な言葉、過激な言葉、優しい言葉、強い言葉…。ラップの根源にあるのは、純粋な言語表現なのである。披露された全曲(Good Life除く)に「EXPLICIT(年齢制限)」のマークが付きそうなG-Eazyのライブであったが、それでも僕らは彼の言葉を歓待する。アメリカと日本の違いはあれど、G-Eazyの言葉は僕らの言葉だ。
政治と音楽が完全に分離している日本において、ド級のポリティカル・ラップ『FDT Part 2』をやってくれたのは非常に意義深いと思う。そして日本のオーディエンスもそれに応えていた。スクリーンにデカデカと映し出される「F**k D**al* T*u*p(実際は伏字なし)」の文字に歓声が上がる。芸術が社会を映す鏡のようなものだとすれば、むしろ今の世の中で音楽が政治性を持たないことのほうが問題だ。日本のメインストリームでただ一人気を吐くSKY-HIのファンとしても、今回のG-Eazyのパフォーマンスは痛快であった。
言葉の力はポジティブにも作用する。散々かき回した後に披露された『Good Life』には、映画のカタルシスにも似た爽快さを感じた。

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