SCANDAL、深まる絆を感じさせたステ
ージ 47都道府県ツアー完走

自身初となる全国47都道府県53公演を完走したSCANDAL
 4人組ロックバンドのSCANDALが7月17日に、東京・豊洲PITでワンマンツアー『SCANDAL TOUR 2017「SCANDALの47都道府県ツアー」』のファイナル公演をおこなった。2月にリリースされたBEST ALBUM『SCANDAL』を引っさげて、3月11日の熊本 B.9 V1を皮切りに、自身初の全国47都道府県53公演を廻るというもの。この日、「FREEDOM FIGHTERS」や「DOLL」などアンコール含め全17曲を熱演。さらに10月6日から東名阪ツーマンライブの開催を発表した。

全国のパワーを吸収して帰ってきました

 超満員の豊洲PIT。4カ月間で53公演をおこなってきた彼女たちのファイナルを見届けようと、多くのオーディエンスが豊洲に集結した。定刻を少々過ぎたところで、暗転すると元気よく4人がステージに登場。会場は大歓声に包まれた。オープニングナンバーは「SCANDAL BABY」で1曲目から破竹の盛り上がりを見せた。
 そして、立て続けにキラーチューン「瞬間センチメンタル」と序盤だというのに既にテンション感マックスで突っ走って行く。「EVERYBODY SAY YEAH!」ではHARUNA(Vo、Gt)が「そんな小さい声じゃファイナル迎えられないんですけど!」と煽ると、オーディエンスもその声に奮起するかのように、掛け声のボリュームもレベルアップ。
 「全国のパワーを吸収して帰ってきました! ウチらめちゃくちゃ気合い入ってますから」とHARUNAが意気込みを投げかけ、ビートに合わせフロアから振られた腕が美しくそよいだ「夜明けの流星群」、イントロでのフロントマン3人によるリズミックなステップが楽曲に躍動感をプラスする「少女S」。RINA(Dr、Vo)のドラムをきっかけに、各々の個性をぶつけるソロ回しで高揚感を煽って行く。
 「Flashback No.5」では激しい曲調に合わせ、ステージを大きく使いパフォーマンスするTOMOMI(Ba、Vo)の姿。さらにこの時期にピッタリのナンバー「テイクミーアウト」へと流れ込む。気合の入れすぎで、MAMI(Gt、Vo)が転倒するというアクシデントもあったが、そんなことはお構いなしのハイテンションで、ステージ上もフロアも、お祭り騒ぎのような盛り上がりを見せた。
 MCではこのツアーの思い出をメンバーが語った。MAMIは仙台公演でおこなわれた自身の誕生日お祝いサプライズでの話しを、HARUNAは岩手でわんこそばを100杯完食したこと、RINAは京都で舞妓の格好で記念写真を撮った思い出を、TOMOMIは沖縄公演で初めて雨が降らなかった、“雨女返上”の話で和ませた。
 ここから、しっとりとしたセクションへ流れていく。TOMOMIがメインボーカルを務める「ビターチョコレート」、2月にリリースされたBEST ALBUM『SCANDAL』に収録され、冬をテーマに書かれた新曲「HELLO」を叙情的に響かせると、オーディエンスもじっくりとその歌と音に耳を傾け聴き入っている様子を見せる。そして、徐々にテンションを上げるかのように、程よいテンポ感の4つ打ちサウンドが心地よい「Sisters」に突入。いつもはアコギがスパイスとなる楽曲だが、HARUNAはテレキャスターで演奏。ちょっとした変化だが趣の違う「Sisters」を届けた。

みんなの背中を押していける場所を作っ
ていきたい

 このツアーを再び振り返るHARUNA。「ツアーはなかなか家に帰れない時もあって、正直しんどいなと思ったこともあった。でも、みんなと会ってる時間が最高すぎて、ライブもツアーもやめられないよね。この瞬間が大好きだからバンドを続けてるんだと思う」とツアーで感じた想いを話す。
 さらに続けて「ツアーは今日で終わるけど、まだまだ旅を続けます。どうなるかわからないけど、行けるところまで行きたい。みんなに辛いことがあっても、こうやって帰ってこれる、背中を押してあげられる場所を作っていきたい。これからもずっと私たちに付いてきてください」と決意を述べ、“今の自分達が作るキラーチューン”で自由をテーマとした「FREEDOM FIGHTERS」を披露。高揚感を煽りまくるラウドなサウンドに、SCANDALにしか出せないグルーヴでフロアを席巻していった。
 そして、BEST ALBUMの投票でも2位を獲得したMAMIがメインボーカルを取る「声」へ。HARUNAやTOMOMIともまた違ったエッセンスのボーカルで、バンドのカラフルさを味あわせてくれた。「会わないつもりの、元気でね」に続き、「今夜はまだまだ終わらせないぞ!」とHARUNAが投げかけ、盛り上がり必至のナンバー「太陽スキャンダラス」。本編ラストはSCANDALのメジャーデビュー曲「DOLL」へ。フロアはタオルを掲げ臨戦態勢。サビでは熱風をかき回すようにタオルを激しく回すオーディエンス。ボルテージは最高潮のなか本編は終了した。
 アンコールに応え、Tシャツに着替えたメンバーが再びステージに。「これだけの人が待っててくれる、迎えてくれるというのが本当に嬉しかったです」と想いを述べ、ドライブ感あふれる演奏が活力を与えてくれるナンバー「Image」を届けた。畳み掛けるように「LOVE SURVIVE」と、全国53公演を駆け抜けてきたバンドの絆と底力を感じさせたライブの幕を閉じた。
 最後、記念撮影をおこなおうとシャッターが押されるタイミングで暗転。スクリーンにここまでの記念撮影の写真が映し出され、「完走おめでとう」のサプライズメッセージが投影された。HARUNAはそのサプライズに「何か泣けてきた...」と感動を隠せない様子。「こんなに達成感があるのは、みんなの応援のおかげです」と感謝を告げ、47都道府県、53公演を廻ったツアーの幕を閉じた。
 
(取材=村上順一)

セットリスト

SCANDAL TOUR 2017「SCANDALの47都道府県ツアー」
7月17日 東京・豊洲PIT
01.SCANDAL BABY
02.瞬間センチメンタル
03.EVERYBODY SAY YEAH!
04.夜明けの流星群
05.少女S
06.Flashback No.5
07.テイクミーアウト
08.ビターチョコレート
09.HELLO
10.Sisters
11.FREEDOM FIGHTERS
12.声
13.会わないつもりの、元気でね
14.太陽スキャンダラス
15.DOLL
ENCORE
EN1.Image
EN2.LOVE SURVIVE

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