写真を拡大 テミン『Flame of Love』通常盤(CDのみ)

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【テミン】ソロ2弾リリース! SHIN
eeの末っ子が築いた“テミンという世
界”とは【レビュー】

SHINeeのテミンが7月18日、自身の24歳のバースデーに2ndミニアルバム『Flame of Love』をリリースした。同作で、「テミンという世界」を確立、その世界観を紐解く!

写真を拡大 テミン『Flame of Love』通常盤(CDのみ)テミンは、6月に日本デビュー6周年を迎えたSHINeeの最年少メンバー。ちょうど1年前の2016年7月にミニアルバム『さよならひとり』で、グループから初の日本ソロデビューを果たし、1年ぶりとなる今年7月18日に、2ndミニアルバム『Flame of Love』をリリースした。
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まず、彼のこれまでの歩みをまとめてみよう。
SHINeeの最年少メンバーとして韓国でデビューしたのは、2008年。わずか14歳のときだ。その6年後、2014年8月にグループから先陣を切ってテミンがミニアルバム『ACE』でソロデビューをしたのには、ファンも意表を突かれた。なぜなら、彼はボーカルとしてではなくダンサーとして高く評価されていたメンバーだったからだ。
ミニアルバム『ACE』のリード曲『怪盗(Danger)』のコンセプトは、“女心を盗む怪盗”。ファンから“天使”といわれていた永遠の少年テミンが、“危険な男”に大変身。イアン・イーストウッドが振付したリード曲『怪盗(Danger)』の男性美あふれた華麗なパフォーマンスはもちろんだが、6年間培ってきた歌唱力にもスポットライトが当たった。
確かに、今の韓国音楽界においても、テミンのようなダンスボーカルのソロアーティストはいない。強力なニューカマーの登場は世間を震撼させ、瞬く間にトップに登りつめた。2016年2月には1stアルバム『Press It』をリリース。The Stereotypes、Bruno Marsらが共作したリード曲『Press Your Number』では楽曲、パフォーマンス、ビジュアルすべてがワールドクラスといえるレベルであった。
唯一無二の“テミン”というアーティストの存在
日本でも韓国アルバム『Press It』リリース直後に、突如『Press Your Number』の日本語バージョンが配信のみでリリースされるや、「日本でもソロデビューか?」とファンがザワつきはじめる。SHINee2度目となるドーム公演『SHINee WORLD 2016~D×D×D~』のソロコーナーでは、韓国ソロ曲『One By One~Soldier~Press Your Numberメドレー』を日本語でパフォーマンスし、「……ってことは日本デビュー曲は、韓国楽曲の日本語バージョン?」というファンの予想を裏切るように発表されたのが、日本オリジナル曲『さよならひとり』でのソロ・デビューであった。
★テミン (TAEMIN) - 「さよならひとり」 MUSIC VIDEO (Full Version)をYouTubeで見る
『さよならひとり』のオリエンタルテイストでドラマティックなバラード曲は、韓国での『怪盗(Danger)』『Press Your Number』という洋楽オリエンテッドなダンス曲の真逆をいっていたのが、最初の衝撃。そして、ゲームやアニメの主人公がリアルに存在するような、リアル2.5次元的なテミンのビジュアルと、菅原小春が振り付けた情感あふれる独特なダンスの世界観が相まって、J-POPのソロアーティストカテゴリーに唯一無二の“テミン”というアーティストの存在を刻みこんだ。
そして2017年の7月18日、約1年ぶりにテミンが2ndミニアルバム『Flame of Love』をリリースした。デビュー曲『さよならひとり』の世界観を継承するオリエンタルな曲調には、琴の音色などが用いられおり、歌詞も前作に引き続き、情緒あふれる美しい日本語で悲しい恋の思い出が綴られる。
テミンだからこそ築ける世界
今作で特筆すべきは、この曲が3拍子であることだ。J-POPにおいて3拍子の曲が表題曲になるのは稀なこと。まして、ダンス表現が欠かせないテミンの曲で……、と思ったが、やはり、そこは「僕がやりたいと思っていたことがすべて入っていた」とテミンに言わしめた菅原小春のダンス。見事なまでに楽曲と調和して、3拍子であることが前作以上に楽曲に不思議な印象を与える、そしてその菅原に「ダンサー殺し」と例えられたテミンだからこそ築ける世界が表現される。
★テミン (TAEMIN) - 「Flame of Love」 MUSIC VIDEO (Full Version)をYouTubeで見る
写真を拡大 テミン『Flame of Love』初回限定盤(CD+DVD)ジャケット『Flame of Love』のビジュアルを担当したのは、カメラマンの蜷川実花。赤と青の花が印象的に用いられているジャケット写真に仕立てられた。
一方ミュージックビデオ(MV)では、CGの炎がテミンを包む。これらは『さよならひとり』のMVでも象徴的に用いられていたモチーフ。坐位から始まる菅原小春のコレオ、オリエンタルなサウンドと和風の歌詞、バラードで歌われるドラマティックな悲恋、この2曲には共通点が多い。
5曲入りとなる『Flame of Love』だが、『Do It Baby』のようなアップテンポのダンスチューンや『DOOR』のようなR&Bチューンももちろん良いが、特にボーカリストテミンの力量を感じさせるピアノ1本で聴かせるバラード『いつかここで』、そして、『I'm Crying』のようなJ-POPバラードにおける表現力が秀逸なのがポイント。高く繊細なテミンの声にはバラードがよく似合う。
それがテミンのスタイル
中でも、その歌詞がやけに心に沁みる。(彼女にフラれてしまうという曲が多いのだが、テミンをフル女性などいるのだろうか?)昨年のソロ活動スタートを機に、通訳なしで取材もこなせる日本語力を身に着けたテミンの努力の結実、そして、SHINeeでの6年間の日本活動の成果であるといえるだろう。
写真を拡大 テミン『Flame of Love』FC限定盤 (CD+DVD+B2 Booklet+ランダムトレカ1種封入(全3種)ジャケット日本のソロ曲では、韓国とまた違う世界観を確立したテミン。『Flame of Love』のリリースに先駆け、7月1日、2日に『TAEMIN THE 1st STAGE 日本武道館』というソロでの日本武道館2Days公演を行ったが、やはりテミンの音楽は、パフォーマンスがあって、その世界観が完成する。もはや、それは美学。開催中の『SMTOWN LIVE WORLD TOUR VI IN JAPAN』でも『Flame of Love』を披露しているが、彼のステージが始まるとドームの空気が変わり静寂に包まれる。数万人を一瞬にしてテミンひとりに集中させる力がある。
自分の世界観に強いこだわりを持つ彼は、楽曲のセレクトからライブ演出にまで、自分の意見もはっきり口にするという。以前インタビューした際に「歌いながらパフォーマンスするアーティストとして、自分だけのポジションを確立したい」と言っていたが、まさに、音楽性、パフォーマンス、ビジュアルの三位一体でテミンというアーティストが完成するのだ。
発売日の7月18日は、テミンの誕生日だ。昨年の誕生日は日本デビューイベントを行い、2年連続で誕生日を日本でファンとともに過ごしてくれた。いつもニコニコしてメンバーやファンに愛されるかわいいSHINeeの末っ子は、頼もしき24歳のアーティストに成長した。持って生まれた美しさと、努力で積み上げてきた実力が彼を支える。グループ活動の片手間ではない。SHINeeでも全力、ソロでも全力。それがテミンのスタイル。ソロデビュー、ソロでの日本デビュー、そして初の単独コンサート。次々と夢を叶えていく。「クリアできると、もっと、もっとって思ってしまう。人間って欲深いな……」といっていたテミン。欲張りテミンの次の「欲」をもっと、もっと!

ウレぴあ総研

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