L’Arc-en-Ciel yukihiro率いるACID
ANDROID、2017年初ライブレポートが
到着

L’Arc-en-Ciel yukihiroのソロプロジェクト・ACID ANDROID。7月8日に行った、2017年初LIVEとなるCLUB CITTA’公演のライブレポートが到着した。
セットリストに無かった”あの人”に捧げる曲も
yukihiroのソロ・プロジェクト、ACID ANDROIDのライブ【ACID ANDROID LIVE 2017 #1】を見た。
昨年結成15周年を迎えたACID ANDROIDの、2017年初ライブである。
ギターはTHE NOVEMBERSの小林祐介、ドラムは山口大吾(People In The Box)。
ライブは2006年発売のセカンド・アルバム『purification』収録の「daze」からスタートした。
重低音の鳴りが凄い。2階席にいてもなお、全身がビリビリと震えるような振動が全身をマッサージする。
白いヒラヒラとした衣装に身を包んだyukihiroはハンドマイクを掴み、
小刻みにカラダを揺らしながら、エレガントにリズムをとっていく。
青白い照明に細身のシルエットが浮かび上がり、ダークでヘヴィなビートがフロアを震撼させる。
もともとACID ANDROIDのライブはヴォーカルがオフ気味のバランスだが、この日はさらに音量が小さい。
歌を歌として認識できないほどの小ささだったので最初はどうかと思ったが、
ライブが進むにつれ、声が出るようになったのかPAのバランスを調整したのか、その声がしっかりと客席にも届くようになった。
すると、この日のyukihiroが、サウンド全体のアンサンブルと共に、
「歌」を聴かせよう、伝えようとしていることが伝わってきたのである。
ライブの中盤には、まだタイトルがついていない新曲が立て続けに3曲演奏されたが、
いずれもハードでダンサブルというよりは、沈み込むようなダウン・ビートとディープなテクスチャー、
繊細なメロディが印象的な日本語の歌ものだった。
これらの楽曲は来たるニュー・アルバムに収録されるだろうから、その内容を占えるかもしれない。
コンサート中盤までは、抑制の効いたミディアム・テンポのリズムと、端正に組み上げられた重厚なアレンジの楽曲が続く。
ハードでヘヴィだが荒っぽさは全然ない。緻密で端正でバランスがとれた音楽性だが、単調さや無機質な冷たさは感じない。
過去の楽曲はいずれも少しずつアレンジを施され、より客席を煽り盛り上げていくというより、
焦らしに焦らしてエネルギーを溜め込んでいくような構成だ。
珍しく「chill」(『purification』収録)をやって客席を湧かせ、「chaotic equal thing」をはさみ、
定番曲「Let's Dance」で、ライブは一気にアゲアゲ・モードに突入。フロアは火がついたように一気に沸騰する。
立て続けに演奏されるアップ・テンポのダンス・ナンバーの畳みかけるような連打は、
それまでが抑制された内省的とも言えるムードだっただけに、劇的だった。
ステージ真ん中の定位置からほとんど動くことのなかったyukihiroが前に出て、
腰を落として最前列の客と対峙して、客席が湧く。一挙手一投足から目を離さない観客の熱心さが微笑ましい。
そして本編ラスト17曲目に、またもタイトルがついていない、この日4曲目の新曲を演奏。
これもアゲアゲというよりは変則的なリズムとディープに沈み込むようなメロディが印象的な楽曲だ。
歌い終え、3人はステージから去っていく。いつもならここでライブは終了だ。だがアンコールを求める拍手と歓声は止まない。
そして客電もつかない。事前に渡されたセット・リストには記されていなかったが、
これはもしかしてアンコールをやる気か? と思っていたら3人が再び登場。
もの凄い歓声の中、本編よりも少し明るくなったステージで、yukihiroが珍しく喋った。
ボソボソとした声で「今日だけもう1曲やります。踊ってください」というようなことを言う。
喋り始めるタイミングで潮が引くように静かになるファンの勘の良さにも感心したが、
やり始めたのがソフト・バレエの「EGO DANCE」だったからさらに驚いた。
1991年4月発売の4枚目のシングル。作曲は故・森岡賢だ。
かつてACID ANDROIDは森岡をゲストに呼びライブをやったことがあるらしいが、残念ながら僕はそれを見逃している。
森岡の一周忌から一ヶ月後の今日にこの曲をやることは、ソフト・バレエの熱心なファンだったyukihiroには深い意味があるはずだ。
ファンもそれはよく理解していて、この日一番の盛り上がりで応える。この曲をソフト・バレエの3人が揃って演奏することは、もうない。
だからこうやって彼らの歌を歌い継いでいくのは残された者の使命なのだ。こうして最高の盛り上がりと多幸感のまま、ライブは終了した。
この日のお客さんは一人残らず満足して帰途についたに違いない。
この日、10月~11月の『ACID ANDROID LIVE 2017 #2』の開催が発表された。
場所は東京、大阪、そして11年ぶりとなる海外公演(上海、台北)である。
それに合わせニュー・アルバム『GARDEN』の今秋リリースも発表された。
前作『13:day:dream』から約7年。本人の弁によれば、完成は間近であるようだ。期待は高まるばかりである。
(text:小野島大)
『ACID ANDROID LIVE 2017 #1』
2017.07.08(SAT) CLUB CITTA' SET LIST
1 daze
2 imagining noises
3 gamble
4 double dare
5 unsaid
6 new song #1
7 new song #2
8 new song #3
9 swallowtail
10 violator
11 chill
12 chaotic equal thing
13 let’s dance
14 egotistic ideal
15 the end of sequence code
16 violent parade
17 new song #4
EN EGO DANCE

ACID ANDROID@7月8日CLUB CITTA’ photo by 岡田貴之
ACID ANDROID@7月8日CLUB CITTA’ photo by 岡田貴之
ACID ANDROID 山口大吾(Dr)@7月8日CLUB CITTA’ photo by 岡田貴之
ACID ANDROID 小林祐介(G)@7月8日CLUB CITTA’ photo by 岡田貴之

ライブ情報
『ACID ANDROID LIVE 2017 #2』
【公演日時】2017年10月27日(金) OPEN 18:15 /START 19:00
【会場】渋谷WWW-X
【お問合せ】クリエイティブマン 03-3499-6669
【公演日時】2017年11月11日(土) OPEN 17:45 / START 18:30
【会場】梅田BANANA HALL
【お問合せ】キョードーインフォメーション 0570-200-888
<チケット> ALL STANDING ¥5,500 (TAX IN) *DRINK代 別 *整理番号付
※未就学児童入場不可 ※営利目的の転売禁止 ※未就学児入場不可
<第一次チケット先行販売> 2017年7月8日(土) 22:00~7月19日(水) 23:59
http://eplus.jp/hp/acidandroid/ (PC/スマートフォン共通)
<チケット一般発売日> 2017年9月16日(土)
 
リリース情報
NEW ALBUM 『GARDEN』
今秋リリース予定

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着