日本のグラムロックバンド5選 1980
年代の日本を席巻した妖艶なバンドを
紹介

すかんち

すかんちは1982年から15年程活動した日本を代表するグラムロックバンド。
ボーカルとギターを担当しているROLLYのキャラクターの濃さからか色物扱いされることも多いですが、曲はクイーンやデビッド・ボウイ、THE WHOなどからの影響を感じさせられる正統派のグラムロックです。しかし、ただ正統派なだけではなく曲には遊び心も感じられます。特に曲の所々に出てくるどこかで聴いたことのあるようなフレーズには度々ニヤッとさせられます。
そんなすかんちのおすすめしたいアルバムは1991年に発売された4枚目のアルバム「恋の薔薇薔薇殺人事件」。このアルバムにはすかんち最大のヒット曲”恋のマジックポーション”が収録されています。つい口ずさんでしまうようなメロディアスで、グラムロック特有のキラキラ感にあふれる、実にすかんちらしいサウンドが楽しめます。誰もが満足できる高品質な作品です。
ギターボーカルのROLLYが奏でるギターサウンドは非常に見所。激しくもメロディアスなギターソロはまるで歌声を聴いているかの様なカッコいいメロディーとなっています。
楽曲の中には何処かで聞いたことのあるような馴染み深いフレーズが多いのが特長。その中にオリジナル要素をしっかり詰め込みながら、上手くアレンジを組み込んでいくすかんちならではの技術力も見所です。
メインボーカルながらもバリバリのギターソロ技術を持つROLLYに憧れたミュージックキッズも当時は多かったのではないでしょうか。サウンドはもちろんですが、ライブではメンバーのグラムロックならではの衣装も見所です。ROLLYのスタイルが男性とは思えないぐらい細っそりしており、セクシーさも年々増していっています。ライブも必見です。
奇抜な格好とノスタルジックな曲調の楽曲の組み合わせが斬新で、魅力的なすかんち。特に”恋するマリールー”では、ツインボーカルと楽器編成がガレージロックのような雰囲気を醸し出しており非常にカッコイイ仕上がりです。また、ROLLYがタレントとして活躍しているのも親近感が湧きます。
彼らの「OPERA」というアルバムが非常におすすめ。特にこの中に収録されている”LOVE LOVE HOLIDAY~ふたりはアイドル~”は必聴。バラエティ番組のテーマ曲に使われそうなノリノリで颯爽とした感じの曲調に、シャウトに近いヴォーカルの歌声、ドラムの超絶技巧のテクニックは聴いていて心躍ります。

RCサクセション

次にオススメしたいグラムロックバンドはRCサクセションです。1969年から1991年まで活動続けた今回紹介するバンドの中では歴史の深いバンドです。あの忌野清志朗が在籍したバンドといえばピンとくる方もいるのではないでしょうか。
様々なサウンドジャンルを融合させつつも、社会風刺な歌詞やキャッチーなメロディーは今でも色褪せる事無く聴き継がれています。初期のRCサクセションのサウンドはボーカルの忌野清志郎さんの歌声も優しく、ジャズサウンドが含まれたオシャレサウンドなのですが、中期からは激しいサウンドから今でも印象深いあの癖有る歌声へと変化しているので、中期の作品にハマったのなら初期のサウンドを聴く事を是非オススメしたいです。ハンドマイクだけで歌う事も有ればアコースティックギターやエレキギターでかき鳴らして歌う忌野清志郎さんは是非必見です。
初期から後期までのヒットを知りたい場合は、「KING OF BEST」というアルバムが楽曲サウンドの変化を楽しめるのでオススメです。

MARCHOSIAS VAMP

マルコシアス・バンプは1985年に結成された4ピースグラムロックバンド。
グラムロックが壊滅したかに思われた1989年。TV番組「いかすバンド天国」に突如として現れたマルコシアスバンプ。番組でグランドイカ天キングを獲得したことから瞬く間に人気バンドへとスターダムにのし上がりました。
個性的で癖のあるボーカル秋間経夫とそれを支えるバックバンドの堅実な演奏テクニックが特長。90年代のグラム復権の立役者的な存在でした。
そんなマルコシアスバンプのおすすめアルバムは1990年に発売されたメジャー第1弾アルバム「IN KAZMIDITY」です。うねるようなグルーヴィーなリズムに秋間経夫の粘っこいボーカルが上手く調和しており、グラムの妖艶な世界観が上手く表現された名盤です。
今聴いても全く古さを感じさせないのはさすがの一言。

THE YELLOW MONKEY

メジャーバンドのイメージが強いTHE YELLOW MONKEYですが、元々はグラムロックバンドでした。活動を続けていくうちに段々と化粧が薄くなっていったのであまりグラムなイメージはないかもしれませんが、メジャーデビュー後しばらくはフルメイクで派手な衣装に身を包んでいました。
これまでに8枚のアルバムがリリースされており、中でもインディーズっぽさとメジャー感のバランスが上手く両立されているのが1998年に発売されたアルバム「PUNCH DRUNKARD」でしょう。4曲のシングル曲が収録されたこのアルバムは、オリコン1位を獲得するなどセールス面でも好調。コマーシャルでキャッチーなサウンドの中にもライブ感のある勢いと生々しさを感じることができます。
大人のグラムロックを堪能できるアルバムです。
現在の日本では少なくなったオリジナルのグラムロック(デヴィッド・ボウイやTREXなど)の影響をそのまま感じさせるバンド、THE YELLOW MONKEY。
グラムロックは音楽性だけで分けられるものではありません。バンドの持つ雰囲気などの要素も非常に重要です。イエモンは、特に活動初期にはグラムロック色が強く、徐々に他の要素も取り入れることで音楽の幅も広がっていきましたが、本質的には初期と変わっていません。
ただし、イエモンの音楽はグラムロックを抜きにしても十分魅力的です。誰にでも受けられられるキャッチーでありながら、骨太感のあるロックサウンドは、先入観なしに多くの人に受け入れられました。楽曲がよくなければ、全盛期のような人気は出なかったでしょう。
日本を代表する最も魅力的なグラムロッカー、THE YELLOW MONKEY。
まずその魅力として、人柄が挙げられます。ボーカルの吉井和哉の大人の魅力溢れる妖艶さと、色気が何と言ってもその魅力です。ギターの菊池英昭、ベースの廣瀬洋一、ドラムの菊池英二もみな高身長でイケメンで個性的な方ばかりです。音楽的にもキャッチーな曲からどこか艶っぽさもある楽曲など曲によってさまざまな顔を見せてくれます。いわばカメレオンのような楽曲が多いのがその特徴ではないでしょうか。いつまでもいつの時代も飽きることがなく、新鮮なままで聞くことができます。
THE YELLOW MONKEYの中でも特におすすめしたいアルバムが「SICKS」。まるで何かの物語の世界へ入ったような気分になります。心に残るメッセージ性の強い楽曲も入っているので、聞き終わった瞬間に自分自身の今を考えさせられるようなアルバムに仕上がっています。

毛皮のマリーズ

2011年をもって活動休止中となってしまった毛皮のマリーズというバンドは非常におすすめです。
とにかくボーカルの声が特徴的。だみ声のような酔っているような歌い方をします。しかし、決して聞き心地が悪いわけではなく、本当にクセになる声です。今はやりの声高めボーカルの音楽を聴いてる方が聴いたら度肝を抜かれるのではないでしょうか。
歌詞の世界観も曲のタイトルも変わったものが多く聴き応えはばっちり、そしてなによりドラムはこのバンドに入る前まではドラムの経験がなかったというから驚きです。全くそんなことを感じさせません。
MVも少しレトロで外国チックなものが多く、ボーカルも中世的で中性的。モデルのようなビジュアルも相俟って不思議な世界観を感じることができます。メンバー全員グラマラスで曲もグラマラス。まさにザ・グラムロックバンドです。
現在、ドレスコーズとして活動している志磨遼平が2003年から2011年までリーダーとして在籍していた毛皮のマリーズは、日本のグラムロック史で評価されるべきバンドでしょう。
彼等のメジャーデビューアルバム「毛皮のマリーズ」は日本のグラムロックの代表アルバム選定してもよいほどの出来栄え。このアルバムで鳴らされている音のように、抜けの良いロックサウンドは日本では中々見当たりません。ボーカル志磨遼平のワンマンバンドとして、その後の活動よりも4人のバンドとしての荒々しい輝きと勢いがここにはあり、特にギターの越川和磨の鳴らすフレーズは本当に素晴らしいです。
お茶の間にも浸透するヒット曲が一曲でもあれば、もっとブレイクしたであろうと想像したくなる潜在能力を持ったバンドだったのではないでしょうか。「毛皮のマリーズ」が日本のグラムロックの傑作アルバムとして語り継がれていくことを強く願います。

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