【ライヴレポ】チャン・グンソクの恒
例ライヴが横アリで終宴!最高にハッ
ピーな帰るべき場所

俳優としてもアーティストとしても活躍するチャン・グンソクが『THE CRISHOW ROCKUMENTARY』を7月1、2日に大阪城ホールで、4、5日に神奈川・横浜アリーナで開催。横浜の初日となった4日のライヴをレポートする。
会場に入るとまず目を引いたのが全方位にオーディエンスを入れた円形ステージ。さらにステージの周囲には最近のライヴではすっかりお馴染みとなった生バンドが配され、360度死角なしで臨む攻めの姿勢や音へのこだわりの強さを感じさせる。オープニングVTRの後に“Welcome to Prince World”という文字がスクリーンに出て会場が暗転すると、王子様然としたロイヤルな衣装に身を包んだグンソクが白い馬車に乗って登場。隣にはイングリッシュコッカースパニエルの愛犬・スニ(ただし着ぐるみ)がちょこんと鎮座し、白雪姫やピーターパンなど、童話のキャラクターの衣装を着たダンサーたちが周りを囲み、一瞬にして会場が“Prince World”に一変!“アジアのプリンス”を自負しているグンソクらしい演出で開巻を飾ったのは、ドラマ『メリは外泊中』のOSTからポップな「Hello Hello」。大掛かりな舞台装置やプロジェクションマッピングなどを用いないシンプルなステージだからこそ、ダンサーとのキュートなダンスや、バリエーション豊富な客席への投げキスなどの楽しげなパフォーマンスが映える。
2曲目「Oh My Darling!」後のMCでは「こんにちはヨコハマー!お前らの王子様が来たぞー!」と煽るのが“オレ様”で“ツンデレ”なグンソク流。この日は台風の影響で雨が降っていることをネタに、「雨男だからライヴの時はいつも雨が降るんだけど、今回は台風なんて!」と笑いを取りつつ、「帰りはくれぐれも気を付けて帰って」と心配してくれるのがファンには嬉しい。
「韓国語の曲で一番好き」という「My Precious」(『メリは外泊中』OST)、東日本大震災のチャリティソングにもなった「守護星」という名バラード2曲を、壮大な世界観を思わせる演奏と太く伸びやかな歌声で情感たっぷりに歌った後は、VTRを挟んで「Crazy Crazy Crazy」「Always close to you」「Let me cry」とロックナンバーを連打!クールなエレキギターのイントロや低音が体に響くベースなど、生バンドを最大限に活かしたハードなアレンジがカッコいい。特に「Let me cry」ではスタンドマイクで歌うグンソクの圧倒的かつ妖艶な存在感と確かな歌唱力が光る!
このロックパートが終わると、情緒を感じさせる「風」、ミディアムテンポな「空と君と」、アコースティックギターのイントロが雰囲気を醸し出す「家に帰ろう」といったじっくりと聴かせるパートに。特に「家に帰ろう」ではサビの<いつでも いつでも>という歌詞をファンも一緒に合唱したのだが、グンソク自身も会場にマイクを向けながら遠くの席まで愛おしそうに見つめていたのが印象に残る。「ウナギ(ファンの総称)最高ー!これからもついてきて。ありがとう、みんなー!」とコメントしつつ、「家に帰ろう」というタイトルにかけて「ただいまー!」と叫ぶと、会場もそれに応えて「おかえりー!」との声が響く。グンソクにとってウナギがいるこの場が自分が帰る場所だと思っているのだろう。グンソクとウナギの一体感を感じられた、最高にハッピーな瞬間だった。
本編ラストは8月9日にリリースされるフルアルバム『Voyage』のリードナンバーで、自身がウナギを想いながら作詞を手掛けた「Voyage」を発売に先駆けて披露。この曲は詞を読んだスタッフが涙を流したという裏話もあり、歌う前に「歌詞を見てね」と本人も言うほど。自分を信じてついてきてくれるファンと、これからも一緒に歩んで行きたいというグンソクの願いと感謝が込められた詞に、感動したウナギも多いのでは。
アンコールではワイヤーで宙づりのまま歌い上げた「Bye Bye Bye」、ダンサーと共にステージの隅々まで回って挨拶しながらの「一緒につくったメロディ」の2曲で締めたグンソク。ライヴ定番曲「一緒につくったメロディ」はアップテンポにアレンジされており、ファンも「もう1回!もう1回!」とノリノリでアンコールをリクエスト。それに応えてワンフレーズを歌うグンソクも楽しそうな笑顔がはじけていた。
『THE CRISHOW』は、自身で企画から構成までを手掛ける“グンソク・ブランド”とも言えるライヴで、2011年から今までI~IIIが行なわれているのだが、今回、非常に印象深かったのはVTRで過去の『THE CRISHOW』を振り返ったこと。「誰かのアイディアや企画で、お膳立てをしてもらってやったことはない」。そう言い切るグンソクが、過去の衣装にツッコミを入れたり、当時の考えを率直に語っている姿が胸を打つ。IからIIIまでの練られたテーマや凝った演出には改めて彼の豊かな才能を感じるし、何より東京ドームからホール規模の会場までを網羅してファンを満足させてきたことに感嘆せざるを得ない。今回、『THE CRISHOW』の歴史を振り返った意味や、さらなる進化を遂げるであろう“今後のTHE CRISHOW”に想いを馳せる、そんなライヴだった。
文/熊谷真由子

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