グラムロックの名盤9選 1970年代の
名アルバムを中心に紹介

Greatest Hits – Queen

クイーンは1971年より活動開始、母国のイギリス・ロンドンをはじめ世界各国にて最も有名なバンドの1つとして知られる4ピースロックバンドです。
クイーンというとフレディーマーキュリーのもじゃもじゃ胸毛と白いぴちぴちの衣装が印象的。しかし、見た目の印象と違ってその歌声が時には讃美歌やゴスペルのように、時にはロックと自由自在に変化します。日本でも少し昔になりますが、カップヌードルのCMで「他のじゃ嫌だもん!」とそっくりさんが替え歌で歌っていましたね。そっくりさんだとしても、フレディーマーキュリーファンにとってあのCMは嬉しかった人は多いのではないでしょうか。
今回紹介するアルバム「Greatest Hits」には今の若い人が聴いてもきっと「あれ?この曲聞いたことがあるな?」と感じる楽曲が数多く収録されています。ベストアルバムといっていいほどの収録曲です。
特筆すべきはそのハーモニー。ロックバンドとは思えないほどの美しい重奏を彼らは奏でています。。讃美歌を聴いているような壮大な雰囲気を是非楽しんでください。

The Rise and Fall of Ziggy Stardust
and the Spiders from Mars – David
Bowie

デヴィッド・ボウイは1964年から活動しているイギリスのロックシンガー。2016年、69歳でこの世を去るまで活動を続けた伝説的なミュージャシャンです。
今回紹介するのは1972年リリースのアルバム。「ジギー・スターダスト」と日本では呼ばれています。デビッド・ボウイの代表作でありロックの金字塔とも言える、ロック史上最も重要なアルバムのひとつです。異性からやってきたロックスター「ジギー」の成功から終焉までを綴ったストーリー性のある一作となっています。宇宙人のような衣装とメイク、ステージでのパフォーマンスで完璧にジギーになりすました妖艶なボウイに、どっぷり酔いしれてしまいます。
お勧めの曲は、シングルとしてヒットした”Starman”です。地球に住む若者たちへの希望のメッセージとして送った曲。本国イギリスを始め、欧米や日本でも大ヒットしました。アルバム全体はアコースティック感が強く、繊細で聴き応えたっぷりの作品です。ギターはもちろん、ミック・ロンソン!
もちろんデヴィッドボウイが素晴らしいのは言うまでもありませんが、私がこのアルバムで一番衝撃的だったのはギターのミックロンソンのギタープレイです。
曲の主軸に君臨する多彩なバッキングはもちろん、”Moonlight Daydream”のギターソロはチョーキングのたった一音だけで咽び泣くような感情が込み上げてくるような気持ちで溢れるてしまいそうになるような、極彩色のギターの音色を初めて聴いた時の事は生涯忘れる事はないと思います。
一枚通して聴くとロックテイストからフォーク、バラードと、いつ聴いてもウットリして思わずため息が出てしまうほど壮大なストーリー性を感じるアルバムです。

The Psychomodo – Steve Harley & C
ockney Rebel

Steve Harley & Cockney Rebelは1973年から活動、現在も活動を続けるグラムロックの本場、イギリスのロックバンド。
グラムロックとい万人に受けいられがたいジャンルにカテゴライズされているがために過小評価されているのではないかと思われる、スティーブ・ハーレイ、そして彼のバンド、コックニー・レベルですが、とくにこの1974年のアルバム「The Psychomodo」(邦題:さかしま)は名作です。(このアルバムの名義はCockney Rebel。)
ひねくれた曲調の中に様々なアレンジのアイディアが盛り込まれており、アルバム全部通して楽しめる内容です。イメージとしてはプログレッシブロックのアルバムより楽しく、グラムロックのアルバムより聴き応えがある、という感じでしょうか。
中でも6曲目”偏執的ノスタルジー”は淡々と繰り返すシンプルなリフレインが超絶かっこよくて癖になる超名曲。メンバーの演奏も高度であり、音も素晴らしいアルバムですが、この独特な雰囲気を好まない人はいるかもしれないので、聞き手を選ぶかもしれません・・・。しかし、グラムロックを聴きたい方にはぜひ聴いてほしい名作です。

For Your Pleasure – Roxy Music

1971年活動開始、ブライアン・イーノやブライアン・フェリーが在籍したイギリスのバンド、ロキシー・ミュージック。グラムロックの他にもアートロックやニューウェイブ、プログレッシブロックにカテゴライズされることがあります。
今回紹介するアルバム「For Your Pleasure」は1973年にリリースされたロキシーミュージック2枚目のアルバムです。おすすめの曲は、一曲目の”Do the Strand“。バンドを代表する有名な曲と言っても過言ではありません。
訳の解らないごちゃごちゃした音が混ざり合った、不思議な世界に引きずり込まれます。アルバム全体は、プログレ、ロック、ポップ、ソウル全てを混ぜてでき上がった奇妙な音。煌びやかで混沌とした前衛的な音楽です。メンバーのファッションやメイクも宇宙的で、まさにグラムそのものの美しさ。
ロキシーミュージックにしか作れない音。そしてしっかりグラムという流行を捉えた音。ブライアン・イーノはこの作品を最後にソロに転向します。

Before and After Science – Brian E
no

そんなブライアン・イーノから1枚紹介したいと思います。
グラムロックは本来の意味的にはグラマラスに着飾ったロックスターたちを指すので音楽的な特徴を言葉に置き換えたジャンルではありません。しかし、やはり1970年代中頃のイギリスの流行であるため、全体に音楽の傾向は多少似通っているのではないでしょうか。
そんなグラムロックの仲でもポップスターという位置づけだけでなくアート全般に大きな影響を与えたのはデヴィッド・ボウイとロキシー・ミュージックの初期メンバーであるブライアン・イーノでしょう。特にブライアン・イーノはスターであるだけでなく、新たな音楽ジャンルを作るほどの影響力を持った音楽家であると言えます。
そのブライアン・イーノがまだロックしている時代の傑作がこのアルバム「Before and After Science」。これ以降のブライアン・イーノの作品にも通じる新しい音楽として、このアルバムをおすすめします。8曲目”By This River“がサウンド的にも曲的にもぜひオススメしたい曲です。

Sweet Fanny Adams – SWEET

スウィートは1968年にイギリスで活動を開始、1970年代には数多くのヒットソングを世にリリースしたロックバンドです。
今回紹介する「Sweet Fanny Adams」は、1970年代のまさにグラムロック最盛期にリリースされた彼らの4作目のアルバムです。当時シングル13曲がUKチャートでトップ20にチャートインするなど、アイドル的な人気がありました。アメリカにも進出、アルバムがヒットするなど世界的な成功を収めています。
全英27位まで上昇したこのアルバムは、全体的にハードロック色の面影が漂います。レッド・ツェッペリンとディープ・パープルをポップにして、サイケなグラム色を加えた感じ。何といっても、ヴォーカルのブライアン・コノリーの美しく伸びる高音が素晴らしい。メンバー全員髪サラサラ、ピカピカ光る衣装でバッチリ決めた完璧なルックス。楽しくて踊り出したくなる様な曲がオンパレードのアルバムです。

Electric Warrior – T. Rex

T. Rexは1967年から約10年間活動したイギリスのグラムロックバンド。
「Electric Warrior」(邦題:電気の武者)は、1971年にリリースされた英国のバンドT・レックスの2作目アルバムです。UKチャートでは連続8週間も一位を獲得した、グラムロックの草分けと言われる作品。このアルバムのヒットにより、グラムロックの歴史が幕開けします。ヴォ―カルのマーク・ボランのアイドル的なルックスも人気を呼びました。
アルバムの中でもおすすめしたい曲は、やはり大ヒットした”Get It On”です。本国イギリスでは1位を獲得、ヨーロッパ各国やアメリカでもチャートインしたロック史上に残る名曲です。サイケデリックフォークからエレクトリックへと進化を遂げ、さらにポップ色を加えた国民的ロック。マーク・ボランは1977年に29歳で交通事故死。30歳の誕生日直前の出来事でした。

Slayed? – SLADE

1969年に活動を開始したイギリスのロックバンド、スレイド。バンドの形態を変えながら現在も活動を続けています。
スレイドの3枚目のオリジナルアルバムである「Slayed?」はデヴィッド・ボウイやT. REXの破格のカリスマには劣るますが、1970年代初頭のグラムロックの勢いを感じるには非常に大切なアルバムです。
どの曲にも、「これ、グラムロックだよね!」と言わせることができる分かりやすさがあって爽快な作品に仕上がっています。さらに、1972年の作品だけあってグラムロックとはいえまだまだブルースフィーリングなテイストはたっぷり残っています。
それぞれの楽曲としては、レッド・ツェッペリン風の曲があったりジャニス・ジョプリンのカバー曲があったりもして、曲調はバラエティに富んでおり一気に最後まで聞けるのもおすすめできます。
デヴィッド・ボウイやマーク・ボランの様な内省的な世界もグラムロックの大きな魅力ではありますが、スレイドの様なあっけらかんとしたキラキラなロックンロールこそが、グラムロックをグラムロックたらしめている最大の要素でもあります。スライドは正にそんなバンドとして今も輝きを失っていません。

Everybody Wants – The Struts

最後に古き良きグラムロックを正統に受け継いでいるバンドを1組紹介したいと思います。
The Strutsは2009年から活動しているイギリスのロックバンド。楽曲としては、クイーンや古き良き時代のブリティッシュロックを現代的に解釈した内容のラインナップとなっており、ヴォーカル、ルーク・スピラーの声質・歌唱法はフレディ・マーキュリーのような印象を強く感じることができます。
アルバム「Everybody Wants」の中では初期のクイーンをイメージさせる縦ノリロックンロール”Roll Up”、ドラマチックなミディアムチューン”Mary Go Round”が収録されています。全体的にポップ色が強いので純粋にポップ好きなリスナーだと聴きやすく親しみやすいナンバーが満載だと思います。
1980年代や1990年代のブリティッシュロック、ブリットポップで青春を過ごした方をリスナー層として意識しているのかな、と考えるほど、単純なハードロックでは片付けられない魅力はあります。シングルカットされた楽曲にはダークなロックにデジタルテイストを加えてアレンジしたサウンド、ピアノの音色やブラスセクションを加えた強いビートのポップチューンもノスタルジックな印象を受けました。
UK音楽シーンでは好評とは言えなかった彼らですが、全米デビューアルバムは商業的に成功を収めています。彼らの将来性への期待値の高さと音楽性を、今後も企業とのCMタイアップなどで印象づけられれば非常に嬉しいです。

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