ドラクエ花札問題。二次創作において
踏み込んで行けない"聖域"とは

ファンアートと二次創作の境界線は何か。
日本には古くから"同人活動"という言葉がありますが、いわゆる二次創作を行っている人達を中心に、現在問題視されているデリケートな事案があります。
切り絵作者さんドラクエ花札作る→公式に後から追い越される
事の発端は、8月11日に発売予定と発表された「ドラゴンクエスト花札」です。
以前から大手MMORPG・ドラゴンクエスト10プレーヤーが趣味で切り絵を数年間に渡りTwitter上で公開。
一般人である主婦プレーヤーが趣味で公開していた作品と、今回スクウェア・エニックス社から正規品として発売される花札の絵柄が似ているのではないか?とTwitter上で騒動に。
「これ○○さんのアイデアを丸パクリしてますよね?なげきムーンが動かぬ証拠。売上の8割は○○さんに寄贈すべし。」
「公式だとしたらこれはひどい…。公式じゃないとしたら悪質な上に色んなとこから訴えられますね。」
と、なぜか「公式が悪い」という意見も飛び交う状態に。
切り絵を公開していた主婦プレーヤーも「私は気分良くないよーって言いたいだけです(´Д`A;)」「(ドラクエ花札販売に関して)まぁ気分良くないよーってだけだけどねー。めんどくさいわー。」といわゆる仲間内でのやりとりがTwitter上で一気に拡散され炎上。
大手掲示板2ちゃんねるを中心に、まとめサイト等にも拡散。
Twitter上に個人特定可能なプライベートな情報がたくさん呟かれていたため、いわゆる特定騒ぎとなりました。
6月26日現在、該当ユーザーはアカウントを消去。表向きには事態は沈静化に向かっています。
では、今回の騒動が、どうして大炎上となってしまったのでしょうか。
原因の1つに、切り絵を公開していたアカウントの「二次創作が超えてはいけないラインを超えた」という点があります。
・該当アカウントは、二次創作の切り絵に(c)マーク(copyrightの略)をつけて表示。
・公開していた切り絵の多くが原案を手描きではなく、商品画像等をトレースしたものを利用。
この2点は、二次創作をする上では超えては行けないラインの1つとなります。
インターネット上では「アイディア(ドラクエ花札という発想)を公式がパクッたのではないか」という暴論も。
キャラクター花札は多数販売されていますし、ドラゴンクエストシリーズにも携わっている任天堂は、創業当時から現在に至るまで花札の製造・販売を続けている企業です。
もちろんアイディアが似ているからと言って、二次創作者が公式に対して「アイディアをパクられた!」と申し立てるのは筋違いです。
では、なぜ今回のような二次創作者が公式に対して勘違いをしてしまうケースに発展してしまったのでしょうか。
2013年1月には、該当プレーヤーから当時同作品を担当していた藤澤仁ディレクターにゲーム内に登場するキャラクター”ドワーフ”とストッキングや靴下等のメーカーで有名な「福助」のキャラクター"福助人形"を融合させた切り絵をTwitter上に投稿。
藤澤ディレクターから「神なの?w」と作品をリツイートされ、紹介された経緯もあります。
二次創作について、著作者が許可していない限りは二次創作不可となります。
インターネット上では取り巻きという言葉もありますが、周りの心地よい言葉を優先するあまり「勘違い」してしまうケースも。
Twitterはバカッターというネットスラングもあります。
今回の登場人物が30代~40代が中心でネットリテラシーの低さに加え、二次創作に関する考え方等多くの問題が絡みあい大炎上となった模様です。
ドラゴンクエスト10プレーヤーだけでなく、様々なジャンルでこっそりと二次創作を楽しんでいる人達にとっても、今回の騒動が二次創作規制に繋がるのではないかと危機感を抱いている模様です。
(担当・栗栖アリス)

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