『この世界の片隅に』が第41回アヌシ
ー国際アニメーション映画祭・長編部
門で審査員賞に輝く

映画『この世界の片隅に』 が、6月12日から17日までフランスで開催された第41回アヌシー国際アニメーション映画祭の長編部門にて、審査員賞を獲得した。
『この世界の片隅に』は、こうの史代原作の同名漫画を原作に、アニメ『マイマイ新子と千年の魔法』の片渕須直監督が6年の歳月をかけて映像化したアニメーション映画。第二次世界大戦中の広島・呉を舞台に、戦況が悪化していく世の中で大切なものを失いながらも、日々を前向きに生きる女性・すずの姿を綿密な時代考証をもとに描く。主人公・すずをアニメ声優として初主演を果たす女優のんが演じるほか、細谷佳正、稲葉菜月、尾身美詞、小野大輔ら多くの才能が同作のために集結。音楽をシンガーソングライター・コトリンゴが担当している。先日、200万人の動員を記録し、Blu-ray&DVDの発売が発表されたばかりだ。
アヌシー国際アニメーション映画祭は、1960年にカンヌ国際映画祭からアニメーション部門が独立するかたちで誕生。アニメーション映画祭としては世界で最も長い歴史を持つ国際映画祭だ。1993年には宮崎駿監督『紅の豚』が長編部門・最優秀作品賞を受賞。その後2007年細田守監督『時をかける少女』(長編部門・特別賞)、2015年原恵一監督『百日紅~Miss HOKUSAI~』(長編部門・審査員賞)など、日本から出品された作品が多数受賞している。
現地時6月12日(月)に開幕した第41回アヌシー国際アニメーション映画祭で、『この世界の片隅に』は長編部門上映第1作目として上映された。朝10時30分からの上映ながら、メイン会場のBonlieu Grande Salleは982名の観客で埋め尽くされて満員御礼。上映後記者会見が行われ、片渕監督が 「70年あまり前の広島・呉の街並みを再現することに挑みました」などと語っている。
第41回アヌシー国際アニメーション映画祭 上映スピーチ
翌日行われたカンファレンスでは、片渕監督が、戦前の広島・中島本町について徹底した調査を実施し、制作に臨んだことなどを発表。 6月17日(土)の授賞式当日には、2回目のカンフェレンスで、より詳細に戦前当時の女性の生活、文化などに言及。 その後のサイン会では、長蛇の列ができる人気ぶりを見せていた。
第41回アヌシー国際アニメーション映画祭・授賞式
そして、長編コンペティション部門の授賞式。『この世界の片隅に』は世界各国から選ばれたコンペ作品(10作品)の中から 準グランプリにあたる長編部門の『審査員賞』を受賞した。 同作は、アヌシー映画祭の後、 世界各国の劇場公開が予定している。 6月末にはイギリス、スペインで、8月11日にはアメリカで、9月13日にはフランスでの上映を控えている。また、片渕監督は、7月1日からアメリカで開催される『アニメエキスポ』での上映に赴き、主演ののんは6月29日から台湾で開催される『台北映画祭』での上映に参加する。
第41回アヌシー国際アニメーション映画祭・授賞式 片渕須直監督

受賞を受けた、片渕監督、真木太郎プロデューサーのコメントは以下のとおり。
片渕須直監督
海外では、予備知識が無いと理解できないと言われていました。日本ローカルの舞台や時代を描いた映画なのですが、今回の受賞で人々の心がつながるのだと実感できました。皆さんの心の中に、この映画の登場人物、主人公のすずさんは既に住み始めている、と見えた事が喜びです。
真木太郎プロデューサー
本日は(6月17日)土曜日。(12日)月曜日にアヌシーに着いて、この日を毎日チーズを食べながら待っていました。この映画は日本で数多くの賞を頂きました。作品賞、監督賞、音楽賞、主演女優賞まで。このアヌシーで賞を頂いて、非常に大きな海外の賞が加わりました。とても光栄なことです。ありがとうございました。

映画『この世界の片隅に』は公開中。9月15日Blu-ray&DVD発売。
商品情報

Blu-ray&DVD『この世界の片隅に』

(c)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

(c)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

Blu-ray 特装限定版 封入特典
■特典DISC
●メイキング映像
●練馬アニメカーニバル2015トークイベント
●呉市立美術館トークイベント
●公開記念とことんトークイベント

■特製100Pブックレット
■仕様 浦谷千恵(監督補・画面構成)描き下ろしイラスト仕様特製収納ケース&特製インナージャケット
各商品共通 映像特典
●パイロットフィルム
●クラウドファンディング支援者イベント版冒頭エピソード「冬の記憶」(音声無し/字幕)
●特報
●劇場予告編
●TV SPOT集
●すずさんのありがとう
●本編コメンタリー
【解説編】
出演:片渕須直(監督)・氷川竜介(アニメ・特撮研究家)・藤津亮太(アニメ評論家)
●本編コメンタリー
【キャスト編】
出演:片渕須直(監督)・尾身美詞(黒村径子役)・潘めぐみ(浦野すみ役)・新谷真弓(北條サン役)
※特典内容・仕様は予告なく変更する場合がございます。

作品情報

映画『この世界の片隅に』

(c)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会
声の出演:のん 細谷佳正 稲葉菜月 尾身美詞 小野大輔 潘めぐみ 岩井七世 / 澁谷天外
監督・脚本:片渕須直
原作:こうの史代「この世界の片隅に」(双葉社刊)
企画:丸山正雄 監督補・画面構成:浦谷千恵 キャラクターデザイン・作画監督:松原秀典
音楽:コトリンゴ
プロデューサー:真木太郎 製作統括:GENCO アニメーション制作:MAPPA
配給:東京テアトル

【ストーリー】
すずは、広島市江波で生まれた絵が得意な少女。昭和19(1944)年、20キロ離れた町・呉に嫁ぎ18歳で一家の主婦となったすずは、あらゆるものが欠乏していく中で、日々の食卓を作り出すために工夫を凝らす。 だが、戦争は進み、日本海軍の根拠地だった呉は、何度もの空襲に襲われる。庭先から毎日眺めていた軍艦たちが炎を上げ、市街が灰燼に帰してゆく。すずが大事に思っていた身近なものが奪われてゆく。それでもなお、毎日を築くすずの営みは終わらない。そして、昭和20(1945)年の夏がやってきた。

(c)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会
公式サイト:konosekai.jp

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