【イトヲカシ】
    普遍という名の王道で中央突破!
    勇気と覚悟の1stアルバム

    昨年メジャーデビューを果たしたイトヲカシの1stアルバム『中央突破』は、どこまでも彼らの王道を貫いた作品。心に響く歌というスタンスに1ミリのぶれもなく、そこから滲む力強さは一級品だ。路上ライヴで地道に蓄えてきた力をもって、7月16日にはツアーファイナルとなるZepp Tokyoワンマンに挑む!

    “中央突破”とは、またずいぶん大胆な命名ですねぇ。

    伊東
    インディーズで出した作品も“捲土重来”でしたし、やっぱり四文字熟語が“らしい”かなと。それで曲が出揃ってみたら、これまで公言してきた通り、自分たちの考える王道を貫いた作品になったなと感じたので、こう名付けました。

    確かにアルバムにありがちな奇をてらった曲などはなく、どれもド直球で驚きました。全曲シングルでもおかしくない。

    伊東
    ありがとうございます! 曲作りでもシングルとかアルバムとか考えず、とにかく毎回“良い曲”を作ってストックしていって、そこから選曲するという手法なんですよ。
    宮田
    だから、ある意味ベスト盤みたいな感じですよね。アルバムのために書き下ろした曲はないので。

    本当に? 1曲目の「スタートライン」なんて突き抜けるサウンドといい、ゴールを目指す歌詞といい、メジャー1stアルバムの1曲目のために作ったような曲じゃないですか。

    伊東
    実はこれが一番古い曲なんです。3年前の夏に“夏らしくて部活っぽい曲を作りたい”っていうところから、陸上部の経験を思い浮かべて書いたんで、本当に偶然ですね。
    宮田
    さらに熱いのは「ドンマイ!!」で。もう、バカテンションで応援されたい時に打って付けのパワーソングですね。例えるなら“チャレンジ THE 修造”な曲(笑)。

    修造って…あの松岡修造さん?

    伊東
    そうです。音楽に励まされて育って、聴いてくれた人を応援したいという想いが強い僕らからすると、松岡修造さんって本当に尊敬すべき人なんですよ! 純粋に応援することが大好きな方で、だからこそ彼に応援されると“頑張ろう”っていう気持ちになれる。そんな姿を見習って強力に人を応援できる曲を作ろうと生まれた曲なので、今やってる全国ツアーでもリリース前なのに全公演で演奏してます。

    今回のアルバムの中ではもっともロックな曲ですよね。かと思えば「あなたが好き」みたいなやさしく一途なラブソングだったり、「はちみつ色の月」のように抒情的な曲もある。

    宮田
    “王道を貫く”とは言いつつ、その王道の範疇の中で、やっぱりいろんな側面を見せたかったんですよ。
    伊東
    「あなたが好き」では男女の愛を描いていて、誰だって好きな人にとってはプラスになれる存在でいたいじゃないですか。でも、それが叶わないなら、せめて側にいさせてもらえませんか…という美しい願いだけを切り取った曲です。
    宮田
    なので、いかにサウンド面でもフィルターをかけずに表現していくか?ということを考えて、多重録音をせずに全部“せーの!”で録りました。「はちみつ色の月」は東京で育ってきた自分としては、すごくノスタルジックなものを感じて、必然的に音もそうなりましたね。
    伊東
    「はちみつ色の月」は東京人なりの望郷の歌で、思春期を過ごした墨田川沿いがモチーフなんです。そこに時間や思い出を積み重ねていった大好きな家があったんですけど、引っ越さなければいけなくなって…すごくショックだった気持ちから生まれた曲でもある。

    ちなみに終盤では「半径10メーターの世界」に「ヒトリノセカイ」と、あえて“せかい”を表記違いにした曲が並んでいますよね。

    伊東
    そう。これ、わざとなんですよ。
    宮田
    「半径10メーターの世界」は防衛省『自衛官募集2016』のタイアップソングのお話をいただいて書いた曲で。世界や平和のことを考えてそういう仕事に就かれる方も、結局は僕らと同じく半径10メーターにいる人たちを守りたいんじゃないか…と想像して詞を書いて、サウンドも力強く仕上げました。
    伊東
    つまりは、目に見える物理的な“世界”を表現していることに対して、「ヒトリノセカイ」は悲しみとか悔しさとか孤独とかっていう感情によって自分の内側に広がる精神の“セカイ”を描いているんです。昔、バンドをやっていた頃、結果が出なくて、よくライヴハウスの駐輪場にひとりで腰かけて“どうしたらいいんだろう?”って考えてたんですけど、その時の気持ちって言葉で説明できないんですね。悔しいし悲しいし、絶望もあるけど希望もあって、でも希望を叶える手段が見えなくて、歌詞の通り心の中で“あぁ”って叫ぶことしかできなかった。そういう誰もが持っているだろう自分の中の世界について描いているから、これも実は応援歌なんですよ。

    「ドンマイ!!」みたいな曲とは逆のベクトルですよね。アゲるのではなく、より落ちることで気持ちを浮上させる。

    宮田
    そう。落ち込んでる時に泣ける映画を観てすっきりするみたいな、マイナスでプラスに変えていく手法。
    伊東
    “明るくて前向きな曲”っていうイトヲカシのパブリックイメージとは違いますけど、そもそも王道ってもっとも振り幅の広いものだと僕は思うんです。だから、僕にとっては「ヒトリノセカイ」も王道のひとつで、実際にファンや各方面からも一番評判がいいんですよ。
    宮田
    やっぱり無理しちゃいけないよね。自分や周りが思う“イトヲカシらしさ”に縛られないで、ふたりともが無理なくワクワクできるかたちを探さないと、死ぬまで音楽はできない。

    やっぱり無理しちゃいけないよね。自分や周りが思う“イトヲカシらしさ”に縛られないで、ふたりともが無理なくワクワクできるかたちを探さないと、死ぬまで音楽はできない。

    伊東
    そこは絶対大切にしたいんです! そもそも僕ら、根は暗い人間で、ポピュラー音楽の根源は鬱屈した感情を楽しいものに転化しようとしたブラックミュージックにあると思っているし、幸福感から音楽が生まれたことは記憶にある限りない。満たされない想いがあるから音楽を欲するわけで。だから僕、音楽に関しては常に渇望してるんですよね。“こうなったら満足できる”っていうビジョンはあるのに、結成から5年経ってもそこに全然至れてない! なので、ツアーファイナルのZepp Tokyoでは、この5年の成果を見せたいです。

    取材:清水素子

    アルバム『中央突破』2017年6月21日発売 avex trax
      • 【CD+DVD】
      • AVCD-93695 ¥3,240(税込)
      • 【CD】
      • AVCD-93696 ¥2,160(税込)

    『イトヲカシ second one-man tour2017』

    7/02(日) 沖縄・桜坂セントラル
    7/09(日) 新潟・GOLDEN PIGS BLACK STAGE
    7/16(日) 東京・Zepp Tokyo

    イトヲカシ プロフィール

    イトヲカシ:伊東歌詞太郎(Vo)と宮田“レフティ”リョウ(Ba&Gu&Key)によるふたり組音楽ユニット。中学時代からの同級生であり、初めて結成したバンドのメンバーだったふたり。卒業後、別々の音楽活動を経て再会し、各々が培った音楽を一緒に発信すべく2012年にイトヲカシを結成。並行して、インターネットの世界に音楽を投稿、さまざまなアーティストへの楽曲提供やプロデュースワーク、サポートミュージシャンなどの活動をそれぞれが個々で行なっている。16年9月にシングル「スターダスト/宿り星」でメジャーデビューを果たした。イトヲカシ オフィシャルHP

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