【BiSH】
表現の幅が増えて
新しいBiSHが見える作品になった
光を欲しているけど
光に当たりきれてない切なさがある
「Marionette」「Nothing.」はモモコさんの作詞ですよね？
モモコ
「Nothing.」は曲調が感動的で好きだったので、ダメ元で歌詞を出したら採用されたんです。BiSとBiSHにつながりを持たせる歌詞を書いてみたくて。横浜アリーナで解散したBiSが最後に出したシングル「FiNAL DANCE」に《孤独が運命さ》という歌詞があるんですけど、そこには反発したいし明るくいきたいなと思って、この曲では《孤独が運命なんて言葉虚しいな》と書きました。
「Nothing.」はスケール感のある曲ですね。
モモコ
この曲も反応が楽しみですね。BiSの歌詞を散りばめているから、何人の人に分かってもらえるかなと。
チッチ
私は「Nothing.」が好きで。「オーケストラ」「プロミスザスター」みたいなメロディアスでドラマチックな曲が好きだから。デモを聴いた時から歌いたいと思ってたんですよ。あと、モモコの歌詞も気に入ってます。歌詞を読んだ時に“あっ、やっぱりいいな。こいつ”と思って
こいつ？（笑）
チッチ
あっ、“この人いいな”って（笑）。好きな曲ですね。
この曲は希望にあふれてますよね。ダンサブルな「Marionette」は、個人的に《お人形 お人業》の歌詞が好きです。
モモコ
普通のアイドルさんってかわいいお人形さんみたいなんですけど…私、目をパッチリ開けたまま笑ってる女の子が恐くて。
えっ？（笑）
モモコ
歯は見せてるけど、目は全然笑ってない気がして…そういう女の子たちって、本当は苦しいのかなと。《鏡に映っても君はぼやけて見えず》という歌詞にその気持ちを込めてます。BiSHはそうなりたくないし、本当の自分たちを曝け出してますからね。目が笑ってない子たちに向けて、実はそこから出たいんじゃないの？って思いも込めてます。
ー「社会のルール」はアツコさんの作詞ですよね？
ー「社会のルール」はアツコさんの作詞ですよね？
アツコ
歌詞自体は１年前に書いたものなんですけど、見た感じは普通の人だけど、蓋を開けたら意外とヤバい人っているじゃないですか。内にこもっている人こそバーッと殻を破りたい気持ちがあるのかなと思って《つまらない人間にはなりたくない》って書いたんですけど、その歌詞の通りですね。大人になると訳の分からない社会のルールがあるけど、人生一度きりだし楽しんでいこうよ！って。
今作の中でも明るくてポップな曲ですよね。
モモコ
アツコはめっちゃ明るくてポジティブなんで、それがこの曲にも表れていますね。曲調もそうだけど、嫌なことがあっても1日寝たら忘れちゃうみたいなところが好きで。
アツコ
それは自分に当てはまりますね（笑）。
「VOMiT SONG」はリンリンさんが作詞した楽曲ですね。温かいメロディーが印象的な曲ですが。
リンリン
いい曲だなと感じるメロディーには暗い歌詞を書きたくなるんです。ちょうど元気がなくなって実家に帰りたくなったので、帰りの新幹線の中で書きました。
モモコ
自分の心の中を言葉にしているんだと思うんですけど、その表現が上手くて。
チッチ
小さい頃の自分を思い出して書いたんだよね？
リンリン
頭の中にいろんな臭いが残ってるんです。小学生の頃に初めて入った教室の臭いとか…東京にいるとたまに思い出して、“なぜ東京にいるんだろう？”と思ってしまうので、実家に帰りたいという思いを書きました。ずっと前にモモコさんに“リンリンは昔にすがっている”と言われて、過去の臭いとかにすがって生きているんだなと思って（笑）。
チッチ
リンリンの歌詞は大人だけじゃなく、若い人に響く言葉が多いですからね。この曲は学生の人とかも辛い時に聴きたくなるんじゃないかと。
今作は全体を通してどこかせつなさがありますよね。それもBiSHの魅力だなと改めて思いました。
チッチ
いつも、ちょっと切ないんですよね。光を欲しているけど、光に当たりきれてないというか（笑）。
アツコ
私たちの性格が出ているのかな？
モモコ
みんな根が暗いんですよ。それが出てるんじゃないですかね（笑）。
では、冒頭でも話に出ましたけど、最後にツアーファイナルの幕張メッセ公演に向けて意気込みを！
アツコ
夏真っ盛りの7月なので、お祭り気分で来てほしいですね！ 日本人はお祭り好きじゃないですか。
モモコ
昔からBiSHを好きな人も、最近好きになった人も盛り上がれる空間を作りたいですね。
取材：荒金良介
