The Benjamin 未来を見据えた一つの
挑戦と2年4ヶ月の歩みの成果

それは、未来を見据えた一つの挑戦だった。2015年2月8日の初ライブから数えて2年4ヶ月。6月7日にThe BenjaminはTSUTAYA O-WESTで単独公演『The Benjamin ONEMANSHOW TOUR2017春「BOYS WILL BEGIN」FINAL『Tomorrow know today』』を行なった。
この公演は、2月に発売した1stアルバム『BEGIN』を手に、同月よりスタートした無料東名阪ワンマン公演や、イベントツアーを経たうえで行われる一つの締め括りとなる単独ライブ。一連の流れの集大成でもあるが、何より、2年4ヶ月の歩みの中で築いた成果を示す場にもなっていた。
The Benjamin ONEMANSHOW TOUR2017春「BOYS WILL BEGIN」FINAL『Tomorrow know today』
ここから奇跡の大逆転が始まるのか……。The Benjaminのワンマン公演は、アルバムのタイトル曲「BEGIN」からスタート。跳ねたロックンロールナンバーに乗せ、ミネムラ"Miney"アキノリは「ここから大逆転の始まりだ」と力強く宣言。彼らは、この日のライブに一つの結果を求めていた。そのための宣言歌として、The Benjaminは「奇跡の大逆転の始まりだ」と力強く歌いかけてきた。
歌のマイクはツブク"Mashoe"マサトシへ。彼は軽快に弾むマージービートの上で、ステップを踏むよう軽やかに「ブラシ」を歌いだした。フロアーにいる人たちも、身体を疼かせる演奏に身を預け心地好く跳ね続けてゆく。まるでアメリカンハイスクールのプロムを体感している気分!?。冒頭から場内は、ロックンロールが流れる明るく華やかなパーティ会場へ塗り上げられていた。
The Benjamin ONEMANSHOW TOUR2017春「BOYS WILL BEGIN」FINAL『Tomorrow know today』
「とろけるように熱くなって」。アクセルを踏み込み、一気に加速を上げたロックンロールナンバー「ベイクドチーズ」が、「もっともっとはしゃいじゃえよ」とけしかけてきた。一緒に「WOW」と甲高い声を上げながら騒ぎたい。熱くなった感情は、意識までとろけさせてゆく。
「このライブの中で何度も伝えるであろう言葉を先に言っておきます。今日は来てくれてありがとう。昨日のことも明日のことも忘れてこの時間を楽しもう!!」
The Benjamin ONEMANSHOW TOUR2017春「BOYS WILL BEGIN」FINAL『Tomorrow know today』
ツブク"Mashoe"マサトシの弾むベース演奏から、楽曲はディスコビートに乗せ『Brother』へ。「男って」「そういうもんだろ」と、男の色気を振りまき煽る姿がイカすじゃない。ファンたちが笑顔で両手を大きく広げ、メンバーらを抱きしめるように求めていた気持ちも納得だ。
「321でジャンブ!!!」の掛け声に合わせ、観客たちが無邪気に飛び跳ねだした。「バンジージャンプ」に合わせ、昂った気持ちのまま思いきり咲き続けたい。それこそが、火照った身体が求める最高のパーティ気分。
続いて流れたのが、ハートウォーミングな「バスタオル」。愛しき人への想いを、優しさいっぱいの言葉を通し抱きしめるように歌うミネムラ"Miney"アキノリ。彼の口説くような歌声に触れていると、ギュッと抱きしめられた気分になる。いや、実際にミネムラ"Miney"アキノリは会場中の人たちを歌のバスタオルで包み込み、温かい気持ちで側に寄り沿っていた。
The Benjamin ONEMANSHOW TOUR2017春「BOYS WILL BEGIN」FINAL『Tomorrow know today』
これまでの温かい空気の中へ新鮮な風を注ぐように、The Benjaminはクールなギターロックナンバー「ブロックショット」を演奏。何時もは温かい歌声を響かせるツブク"Mashoe"マサトシが、ここでは低音効かせたダウナーな歌声でせまってゆく。一見クールに見えるが、その声の中から彼のいい人オーラがジンワリ滲んできたところもポイントだ。
クールなムードを抱きながら、演奏はスリリングなギターグルーヴナンバーの「ビルディング」へ。マイナー調の楽曲を立て続けに突き付け、The Benjaminはトンがった姿を提示。甘いだけじゃない、ときにはダンディな男の香りを振りまき、彼らは観客たちにクラッと目眩を覚えさせてゆく。
The Benjamin ONEMANSHOW TOUR2017春「BOYS WILL BEGIN」FINAL『Tomorrow know today』
晴れた演奏と歌声を重ねながらThe Benjaminは「Brick」を披露。とても解放感とスケールにあふれた、爽やかなスタジアムナンバーだ。何より、ツブク"Mashoe"マサトシのメロウな歌声に心がスーッと吸いこまれてゆく。聡明な彼の歌声へ触れていたら、不思議と涙腺を刺激され涙の海が瞼へ広がってゆく気分になっていた。
ふたたびパーティブロックへ。ひねくれたロックナンバー「ブーメラン」を通し、「因果応報」と歌いながらThe Benjaminは場内へ熱を膨らませだした。ソリッドでタイトな演奏が、騒ぎたいだろうと煽ってゆく。もう何時だって準備はバッチグーだ!!
ステージ中央に立っていたのがウスイ"Tacky"タクマ。「さぁお前たち、ヤレるのか?!」、いきなり大声を出しすぎて立ちくらみしてしまうのが、彼らしいじゃない。「お前たち突き刺せるのか」、カリスマロックスター気分に酔いしれ、ウスイ"Tacky"タクマはそう叫び続けていた。
The Benjamin ONEMANSHOW TOUR2017春「BOYS WILL BEGIN」FINAL『Tomorrow know today』
ウスイ"Tacky"タクマのバッチグーポーズを合図に、演奏は「バッチグー!」へ。フロアー中の人たちが加速し続ける躍動的な演奏へ飛び乗り、思いきり飛び跳ね、両手でバッチグーポーズを決めながら大騒ぎしてゆく。夢中ではしゃいでくうちに、意識がどんどん白くなっていく。この楽しさ、バッチグーだよ!!
「BATTLE FEVER」が会場中の熱気を爆発させる合図だった。ギターを置き、マイクを手にしたミネムラ"Miney"アキノリが、激しく暴れ狂う演奏を背に煽りだした。サビではフロアー中をめいっぱい使い、観客たちがぐちゃぐちゃにまみれてゆく。まさに、熱狂と熱狂をぶつけあう闘いだ。互いに笑顔で身体をぶつけあう。とても健康的なウォール・オブ・デスじゃないか。まさに、彼らのライブだからこそ味わえる交わしあい(愛)だ。
熱狂のブサーが胸の内に鳴り響いた。The Benjamin流シンガロングなメロコアナンバー「ブザー」の登場だ。誰もが3人の煽り声を受け、感じるままに「オーオーオーオーオー」と雄叫びを上げ、フロアー中ではしゃぎまわってゆく。
熱くとろけるような熱狂の想いを胸に、The Benjaminは「ベーゼ」を演奏。3人の積極的にせまるアプローチにタジタジ?! いやいや観客たちのほうが思いきり両手を広げ、The Benjaminの熱い音楽の接吻を次々と両手で受け止めては、舌を絡ませるくらいに熱狂的な接吻に変え舞台上へ返していた。キュンキュンときめく胸の鼓動が、とても心地好い。
「お前らの壊れたその翼を、この血塗られた…○△□✕◇◎○…プレイボール」。ミネムラ"Miney"アキノリの言葉を合図に飛び出したのが「バッターボックス」だ。ゴキゲンなロックロールナンバーに乗せ「イエーイ」と叫びながら、一緒に歌い、熱狂の試合(ライブ)に酔いしれたい。身体がどんどん熱くなる。このゲーム、白熱ところか、身体を灼熱な色に染め上げてゆく。
The Benjamin ONEMANSHOW TOUR2017春「BOYS WILL BEGIN」FINAL『Tomorrow know today』
「飛ばしてこいうぜ」。心地好く、軽快に駆けるように「ブレーキ」が流れだした。感情のストッパーを壊し、アクセルをグッと踏み込みながら突き進めばいい。心地好く走る演奏に触発され、ぐんぐん気分が上がりだす。弾む気持ちを止めたくない。もうブレーキなんて必要ない。ワクワクとした気持ちのまま、一緒に心地好く逝っちゃいたい!!!
「バニー」が甘くとろけそうな気分に心を染めながら、会場中の人たちを一体化したパーティへ連れ出した。誰もが最高の笑顔を浮かべ、両手をうさぎの耳に見立てピョンピョン飛び跳ねていた。なんて可愛い愛しのバニーたちだ。演奏が終わってすぐ、メンバーらが「可愛い」と叫んだ気持ちも納得だ。
「楽しみだ楽しみだ、わぁ」と会場中に響いた合唱。The Benjaminが届けたのが、甘く軽やかに弾けたポップチューンの「バスストップ」。淡い青春の香りを匂わせる歌を通し、会場にいた人たち全員が少年少女に戻り、甘酸っぱい片思いの恋心を胸いっぱいに吸いこんでいた。
「このバトストップからスタートなんだ」。この歌は、The Benjaminの次なるステップへ向けての宣言だ。誰もが笑顔ではしゃぎながら、これからのThe Benjaminの道のりへ楽しい期待を寄せていた。終盤に生まれた「楽しみだ楽しみだ」の合唱。「またこのTSUTAYA O-WESTからスタートだ」、ミネムラ"Miney"アキノリの叫んだその言葉こそ、彼らの、The Benjaminを応援する人たちみんなの想いなのは間違いない。
The Benjamin ONEMANSHOW TOUR2017春「BOYS WILL BEGIN」FINAL『Tomorrow know today』
「もしタイムマシーンがあったとしたら、半年前の自分に会いに行ってTSUTAYA O-WESTのワンマンすげぇ楽しかったよと伝えたいと思います。未来の自分に会いに行って、この日が今へ繋がる道へのきっかになったんだよと言われるような気がします。最期まで気持ちを込めて伝えます」(ミネムラ"Miney"アキノリ)
「明日の自分へバトンタッチ」。ミネムラ"Miney"アキノリの歌声を合図に、The Benjaminは最期にバラードの「バトンタッチ」を演奏。一つ一つ言葉を噛みしめながら、メンバーらは次々と歌をリレー。それぞれ会場中の人たちの心へ想いを植えつけるように3人は歌いかけてきた。明日の扉を空ける前にそれまでの熱狂を胸のアルバムへ刻むよう、3人はハートウォームな歌声を持って真っ直ぐに思いの丈を届けてくれた。
The Benjamin ONEMANSHOW TOUR2017春「BOYS WILL BEGIN」FINAL『Tomorrow know today』
いろんな想いを両手に抱きしめ大空へ羽ばたくように、The Benjaminはアンコールを告げる最初の歌として「SORA」を演奏。ゆっくりと、でも確実に熱を持って上がってゆくダンスロックナンバーだ。ツブク"Mashoe"マサトシの歌声が気持ちを明日へ、未来へ連れてゆく。サビでは、誰もが右手を天高く突き上げ飛び跳ねていた。すべての悲しみも喜びも引き連れ、 大勢のファンたちの想いも抱きしめながら、The Benjaminは大空へ舞い上がっていった。
「俺たちの愛する君たちへの歌です」、最期にThe Benjaminは「バーバラ」をプレゼント。一瞬にして会場を熱狂のロックンロールなパーティ会場へ塗り上げ、最期の最期まで無邪気な笑顔で場内を埋め尽くしていった。もちろんフロアーは、ぐちゃぐゃなモッシュパーティ常態だ。
でも、この熱狂こそを味わいたいんだよ。The Benjaminのライブに触れてる間だけは、永遠の少年少女でいれるんだもの。何時だって青春に戻れるって素敵じゃない。それを感じさせるThe Benjaminもまた、永遠に青春を続ける素敵なおっさんたちじゃないか!!
The Benjaminは、夏と秋に会場限定盤として作品を発売する。夏は全国各地をイベントツアーでまわることも決定。秋は、9月10日にツブク"Mashoe"マサトシの地元である宇都宮HELLODOLLYで生誕ワンマン公演とアフターバースデーパーティを実施。10月13日には、渋谷SESEOを舞台にサポートドラマーpinkyの誕生日イベントを開催。10月16日には、赤坂SO-DAを舞台にウスイ"Tacky"タクマの生誕祭をアコースティックワンマンという形で行なう。11月7日のミネムラ"Miney"アキノリの誕生日には、新宿ReNYを会場にレーベルBadeggBoxの5周年イベントを開催することを発表。さらに、10月から東名阪ワンマンツアーも決定。これからのThe Benjaminの動きが楽しみになってきた。

取材・文=長澤智典
The Benjamin ONEMANSHOW TOUR2017春「BOYS WILL BEGIN」FINAL『Tomorrow know today』
ライブ情報

The Benjamin ONEMAN SHOW TOUR2017秋『Boy's shock Box』
2017年10月15日(日)大阪D'
2017年10月28日(土)名古屋UNLIMITS
2017年11月25日(土) 渋谷STARLOUNGE

メンバーバースデーイベント
【Mashoe Birthday】
[LIVE]『Tsubuku 32 Festival』
[Party]『Tsubuku 32 Festival After Party』
2017年9月10日(日)宇都宮HELLODOLLY
【pinky Birthday】
タイトル:『pinkyのお誕生日会』
出演:The Benjamin/悠希/慎一郎&杏太/ハッチ/BIRTHDAY pinky BAND
2017年10月13日(金)渋谷DESEO

【Tacky Birthday】
The Benjamin Tacky Birthday Acoustic ONEMANSHOW
『タッキー!スッキー!アコースティック!~35の夜~』
2017年10月16日(月)赤坂SO-DA

【Miney Birthday】
BadeggBox 5周年記念イベント
『Bible-想像する未来はいつも楽しい-』
2017年11月7日(火)新宿ReNY
 

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